医療型障がい児者入所施設 一宮医療療育センター

概要

院是

自他杏栄 (じたきょうえい)

コンセプト

一宮医療療育センターは、尾張西部地区初の医療型障がい児者入所施設です。平成28年1月に開設した後は、愛知県心身障害者コロニーこばと学園の利用者さまの地域移行による入所の受け入れを行います。その後、地域の方々の入所受け入れを行います。今回の施設のコンセプトは以下の通りです。

  1. ①重症心身障がい児者を対象とする。
  2. ②入所生活にメリハリをつけるために、日中をリビングで過ごす。
  3. ③機能訓練(リハビリテーション)に注力する。
  4. ④ご家族と過ごす時間を重要視(外出や外泊の促進)。
  5. ⑤ご利用者さまのニーズに基づいた個別支援計画を立案し実行する。
  6. ⑥在宅生活支援としての短期入所を充実させる。

理事長挨拶

ここ愛知県・尾張西部医療圏には、かつて“重症心身障がい児者入所施設”は存在しませんでした。その様な状況の中、私どもは、福祉に対する愛知県からの熱い思いや地域のニーズに応えるべく、2014年7月「社会福祉法人杏嶺会」を 設立、そして1年半の準備期間を経て2016年1月、当医療圏初となる医療型障がい児者入所施設「一宮医療療育センター」を開設しました。

それまでも、母体となる「社会医療法人杏嶺会」は急性期医療から在宅支援まで一貫した医療を提供し地域社会のニーズに応えるべく日々努力を重ねてまいりました。2023年7月には一宮西病院を497床から801床まで増築し、これまで以上に、「断らない医療の実現」を目指しております。

私自身もその一員として、四半世紀余、地域医療地域介護に携わって参りました。私どもにとって障害福祉施設の本格運営は初めての事でございましたが、この8年、各方面の皆さま方から貴重なご指導、ご意見、ご助力を賜りながら、一歩一歩進んでまいりました。

開設以来、私どもは利用者さまの障がい克服だけに注力することなく、障がいがあっても前向きで広がりのある心豊かな生活を送っていただけるよう、「健康を守り生活を支える医療」、「生活の充実のためのリハビリテーション」、「個性を重んじ人権を尊重した医療」、「開かれたサービス」を指針としてまいりました。ご家族さまへの支援も重視し、学校、通園施設、訪問看護ステーションや地域医師会との連携による地域支援の充実にも、積極的に取り組んでまいりました。

2022年4月からは愛知県の依頼により当センター内に「にしおわり医療的ケア児支援センター」を開設いたしました。医療的ケア児とは人工呼吸器による呼吸管理やたんの吸引などが必要な障がい児や重症心身障がい児のことであり、医療的ケア児支援センターは医療的ケア児及びその家族の相談に応じ、情報提供その他支援を行います。当センターは尾張西部圏域を担当いたしますので、なお一層地域の障がい児者医療、福祉を担うべく努力してまいりたいと思います。

私どもはこれからも地域社会及び利用者さまやそのご家族さま一人ひとりの声に真摯に耳を傾け、その声に十分に応えられる存在になれるよう、日々、努力を重ねて参りたいと思っております。そして、私どもに関わってくださる全ての皆さまへ恩返しできるよう、職員一同、更なる高みを目指して参ります。

社会福祉法人杏嶺会
理事長 上林 公子
(かみばやし きみこ)

センター長挨拶

「一宮医療療育センター」(運営は社会福祉法人杏嶺会)は平成28年に誕生した重症心身障害児者のための施設です。加えて外来診療も行っており、小児科では何らか発達に苦労している子どもを、リハビリテーション科ではそれに加えて運動面に遅れのある子どもを診させていただいています。
最も重度な障害を抱える方々を入所として128名(短期入所含む)お受けしています。愛知県だけでなく県外の方にもご利用いただけます。

私たちスタッフは、残念ながら今回の人生で重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した状態)となってしまった方々が、この世界をどのように見聴きし、どのように感じているかを深く理解することはできません。

脳でどのように愛を感じるのかを考えてみます。重症心身障害児者が周囲から受ける愛情を正しく受け取れているのでしょうか。重症心身障害児者は強い認知機能の問題があることはその通りだと思います。認知機能の中枢は基本的に大脳皮質であり、五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)で感じたものの意味を考える場所です。他の動物と違ってヒトは視覚や聴覚を主に利用して物事を認知します。「愛とは何か」という禅問答は大脳皮質を利用しますが、「愛を感じる」というのはもっと深い脳で行っており内側視索前野という間脳の一部で行っていると思われます。体温を調節したり食欲を感じたりする場所と非常に近い場所で愛を感じているわけです。この深い脳は障害をうけていないと考えられます。

例え言葉を発することができなくても、様々なことを感じた上で、周囲に伝えたいことは必ずあるわけですから、関わるスタッフは日常生活の中から言葉だけではないやり取りで一生懸命くみ取ろうと頑張っています。そして表現が難しくとも、幸せになりたい、愛情をもって接してほしいと感じています。利用していただく皆様に対して、そのようなケアが更に可能となるよう職員一同努力していきたいと思っています。

外来診療については、2019年4月から小児発達外来を、それまで行ってきた小児リハビリテーション外来に加えて開設しました。非定型の発達を示すお子様を診断・治療することに加えて親御様に対して、育て方について一緒に考えていき将来自立して生活すること、社会に出て必ず体験する傷付きを少なくすることを目標にアドバイスしています。そのための環境作りが重要でキーワードは“安全”です。

加えて、今後施設のご利用をお考えの皆様方へのメッセージです。私たちスタッフは可能な限り、様々な場面において正直で誠実でありたいと思っています。いろいろなご意見・ご注文を遠慮なくお寄せ下さい。利用していただく皆様に満足していただけるように、そして地域の療育に貢献していきたいと考えています。

【略 歴】
1976年 京都大学理学部(数学)卒業
1982年 名古屋市立大学医学部医学科卒業
1997年 名古屋第二赤十字病院第三小児科部長
2010年 あいち小児保健医療総合センター副センター長
2015年 日本赤十字豊田看護大学専門基礎(臨床医学)教授
2018年 一宮医療療育センター センター長(現在に至る)

一宮医療療育センター
センター長 上村 治
(うえむら おさむ)

施設概要

[施設名]
一宮医療療育センター
[設置主体]
社会福祉法人杏嶺会
[開設]
平成28年1月
[所在地]
〒494-0018 愛知県一宮市冨田字流筋1679番地2
[連絡先]
社会福祉法人杏嶺会 一宮医療療育センター 
Tel.0586-62-0002/Fax.0586-62-2277
[事業内容]
医療型障害児入所施設、療養介護、短期入所
[定員]
入所 128名(短期入所含む)

社会福祉法人杏嶺会の定款・役員報酬規程・現況報告書及び会計報告を 公開致します。

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