ロボット支援下による胃がん、直腸・結腸がん切除術
ロボット支援下による胃がん、直腸・結腸がん切除術を施行しています
図1
ロボット支援による直腸・結腸切除術とは、“腹腔鏡下直腸・結腸切除術”をロボット支援下におこなう手術です。当院が配備しているダビンチXiは、従来型よりも操作性・機能性が向上したモデルとなります(図1)。
図2
“ロボット手術”といってもロボットが手術をおこなうわけでなく、体の数ヶ所に小切開を加え、腹腔鏡とロボットアームを挿入し、映し出された映像を見ながら医師が手術をおこないます(図2)。
従来の腹腔鏡手術と比較すると、鮮明な3D画像で拡大された画面を見ながら操作でき、人間の手の動きを模倣した多関節を持った鉗子は、手ブレを防止する機能も備えています。これまでより細かい操作が可能となり、根治性と安全性がより高まることが期待されています。
直腸は骨盤深部の狭い空間にあるため、ロボット手術による恩恵が多いといわれ、
直腸は骨盤深部の狭い空間にあるため、ロボット手術による恩恵が多いといわれ、
- 周囲臓器や血管・神経の損傷を防ぎ術後の合併症を少なくする
- より肛門に近い病変でも、肛門を温存する可能性が高くなる
シングルポート内視鏡手術支援ロボット・ダビンチSPを導入
この度当院では、シングルポート内視鏡手術支援ロボット・ダビンチSPを導入しました(2024年1月6日納品)。すでに導入済みのダビンチXiに続き、当院2台目の内視鏡手術支援ロボットの導入となります。ダビンチSPは、従来機種では複数必要であった切開創(皮膚を切って開いた傷)が最少1つで手術可能なため、患者さまの負担が軽減され、整容性の向上が期待できます。ダビンチXiと同じく胃癌、大腸癌に対して個々の症例に応じて行っていきます。
内視鏡カメラにはシリーズ初となる手首関節搭載
ダビンチSPは1本のロボットアームで構成
専用鉗子は多方向へ柔軟に屈曲し、狭い術野でも干渉せずに手術可能
ダビンチSPとダビンチXiの違い
ダビンチSP (2023年1月日本発売) |
ダビンチXi (2015年5月日本発売) |
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アーム | シングルポート(単孔式) | マルチポート(多孔式) |
切開創 | 最少1ヶ所 | 4ヶ所 |
内視鏡カメラ | 手首関節を搭載したカメラは角度や方向を自由に動かすことが可能。 | 真っすぐなカメラのため、角度や方向はほぼ一定。どのアームにもカメラ接続可能。 |
当科では、2021年8月より直腸がんに対するロボット手術を導入し、最初は直腸がん・結腸がんに対して保険診療として行ってきました。。加えて2024年1月からは胃がんに対しても実施できるようになります。ロボット手術に対するトレーニングを受けた認定医師が手術を担当します。
ロボット手術の詳細や適応などでご不明な点がありましたら、外科スタッフまでご相談ください。最良の治療方法を一緒に見つけていきましょう。
ロボット手術の詳細や適応などでご不明な点がありましたら、外科スタッフまでご相談ください。最良の治療方法を一緒に見つけていきましょう。