脳梗塞の治療 ~血栓回収療法~
症状をよく知り、いち早く病院へ!
脳梗塞によって血流が止まると、脳細胞は急速に壊死してしまい、再生は難しいとされています。できる限り早く治療を開始して、脳の血流を改善させることが重要です。まさに1分1秒が運命を変えると言っても過言ではありません。
一時的な症状にも要注意!
Face <顔の麻痺>
●顔の片側が下がる
●ゆがみがある
●ゆがみがある
Arm <腕の麻痺>
●片腕に力が入らない
Speech <言葉の障害>
●言葉が出てこない
●ろれつが回らない
●ろれつが回らない
Time <発症時刻>
●発症に気がついたら発症時刻を確認してすぐに119番を!
診断と治療の基本は“できるかぎり早く”
カテーテル治療の進化 『血管内治療』
【 血管内治療とは? 】
足の付け根などからカテーテルと呼ばれる細い管を入れ、血管内を通して器具を脳の病変部まで誘導し、原因となる血栓を取り除いて血流を再開させる治療法です。血管内治療に要する時間は平均3時間ほどで、ほとんどの場合が局所麻酔での治療となります。治療による傷が小さく術後の回復も早い『低侵襲治療』であり、脳神経外科の分野では、いま最も注目されている治療法といえます。
足の付け根などからカテーテルと呼ばれる細い管を入れ、血管内を通して器具を脳の病変部まで誘導し、原因となる血栓を取り除いて血流を再開させる治療法です。血管内治療に要する時間は平均3時間ほどで、ほとんどの場合が局所麻酔での治療となります。治療による傷が小さく術後の回復も早い『低侵襲治療』であり、脳神経外科の分野では、いま最も注目されている治療法といえます。
ステントによる血栓回収療法
脳梗塞の原因となっている血栓を、カテーテルで物理的に“掻き出す”治療です。主に太い血管に詰まった血栓に適応となります。この「血栓回収療法」により、今までなら手足の麻痺が残っていたような症例も、後遺症なく歩いて帰るというケースも増えてきています。発症から8時間以内が適応時間とされています。
その他の血管内治療
頸動脈ステント留置術
脳梗塞を引き起こす『頸動脈狭窄症』の治療法です。風船(バルーン)付きのカテーテルを用いて血管の狭窄部位を拡張し、そこにステントを留置し狭窄を防ぎます。
メリット
- 治療による傷が小さく回復までの時間が短く済みます。社会復帰が早くなります。
- 発症してから8時間以内と、適応となる時間が長いです。
- 開頭手術では後遺症が生じるリスクが高い脳深部に存在する病変に対して効果を発揮します。
留意点
- 全ての脳梗塞治療で血管内治療をおこなうのが良いということではありません。治療法それぞれに一長一短があり、病変や患者さまの状態によっても適応となる治療法は変わってきます。
- 血管内治療では医師に卓越した知識と技術が要されるため、現状では全ての病院で血管内治療をおこなえるわけではありません。
当院の取り組み
脳梗塞に対する血栓回収療法を行うには、1分・1秒でも早く治療を開始できるシステムが必要です。当院では血管内治療医が複数名在籍しているので、24時間・365日いつでも対応が可能です。体制構築・強化を図るべく、2016年8月より、神経系医師が24時間体制で病院内に待機し、救急対応をおこなっております。