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大腸CT検査


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大腸CT検査

当院は、大腸CT(CTコロノグラフィー)専用のCT装置を導入し、大腸CTの検査体制を強化いたしました。大腸CT検査は、従来の大腸内視鏡検査に比べて体への負担が少なく、より手軽に大腸の状態を確認することが可能です。
特に、内視鏡検査に不安を感じている方や、過去に内視鏡検査で不快な思いをした方におすすめです。また、検査後すぐに日常生活に戻ることができるため、忙しい方にも適しています。

今後も一宮西病院では、最新の設備と専門医による安心の診療体制を整え、地域のみなさまの健康をサポートしてまいります。検査をご希望の方やご相談がある方は、ぜひお問い合わせください。

大腸がんについて

大腸がんとは大腸にできるがんのことで、高齢化と食の欧米化により日本では増加の一途をたどっており、日本人に1番多いがんといわれています。

大腸がんの発生パターンは、
などがあります。

ほかのがんと同様に、原因は食事や運動などの生活習慣だと考えられており、中でも過度な飲酒、肥満、喫煙はリスクを上げる大きな要因です。さらに、遺伝との関連性も指摘されており、家族に大腸がん、もしくは胃がん、子宮体がん、卵巣がんなどにかかった方がいる場合には、がんになりやすい体質の可能性があります。

根治(根本から完全に治ること)できるような初期の大腸がんは、症状がほとんどありません。進行してくると、血便・下血、便秘・下痢、便が細くなるなどの症状が出てくることがあります。さらに進行すると、腸閉塞や腸に穴が開く消化管穿孔を引き起こし、緊急手術となることもあります。

罹患リスクは40歳ごろから徐々に上昇し、50歳ごろからさらに上昇に転じるため、40歳から大腸がん検診がはじまります。大腸がんやポリープできると便が大腸を通る時に出血を伴うことが多いため、早期発見のためには便潜血検査が有用です。便潜血検査は便を採取するだけで簡単に実施でき、便に血液が混ざっているか否かを検査することができます。ただし、この検査は大腸にできたポリープが、時間をかけて大きくなってがん化するプロセスで起こる出血を見つけることが目的です。一度検査して陰性であっても、毎年継続して検査をすることをおすすめします。肝臓や肺などに転移した状態で発見されると根治は難しくなりますが、早期発見・早期治療できれば治る病気ですので、積極的に検診を受けるようにしてください。


大腸CT検査(CTC)とは

Aquilion Prime SP

大腸の精密検査は大腸カメラがメインで、病変の発見から診断・治療までおこなえる精度・信頼性ともに高い検査法です。一方、受診者にとっては「大量の下剤の服用がつらい」「痛みや膨満感などの苦痛ある」「検査時間が長い」など、気軽に受けていただくには少しハードルの高い検査でもあります。近年、もう一つの大腸精密検査として大腸CT検査(CTC)を実施できる施設が増えてきており、大腸カメラと比べて苦痛が少なく、短時間で精密検査を受けることが可能になってきています。

大腸CT検査は、マルチスライスCTで大腸を撮影し、AIによって作成された大腸の三次元画像をもとに、大腸がんやポリープなどを見つける検査です。肛門から柔らかく細いチューブを数cm挿入し、炭酸ガスをお尻から注入することで大腸を膨らませ、横になっているだけで検査(撮影)をおこなうことができます。内視鏡を大腸の中に入れなくても、腸の中を実際に観察したかのように大腸病変を解析・読影できる比較的新しい大腸検査方法で、検査時間はおおよそ20分程度となります。

仮想内視鏡像
丸部分が病変(がんやポリープなど)

仮想内視鏡像+CT像
丸部分が病変(がんやポリープなど)

CT像

仮想注腸画像(全体像)


検査の流れ

  • 問診

    検査当日までに問診と検査の説明をおこないます。検査が実施可能な場合は検査前説明の後に、検査食とお薬をお渡しいたします。

    1
  • 検査の準備(検査前説明など)

    検査前日の検査食や、前日から当日にかけての下剤や造影剤で腸内をきれいにし、検査の精度を高めます。


    検査前にすること
    検査前日は消化の良い検査食を食べていただき、毎食後に少量のバリウムを飲用していただきます。また、就寝前には250mlの下剤を飲んでいただきます。 ※大腸カメラでの検査時のように約1Lの下剤をお飲みいただく必要はありません。


    2
  • 検査

    ①大腸CT室の検査台で横になっていただきます。

    ②細いチューブを肛門に軽く挿入し、炭酸ガスを注入して大腸を膨らませます。

    ③仰向けやうつ伏せの体勢で5~10秒ほど息を止めていただき、撮影をおこないます。検査室への入室から退出までの所要時間は、約20分です。

    ④撮影後はトイレをご利用いただきます。使用した炭酸ガスは腸内で自然に吸収されますので、どうぞご安心ください。

    3
  • 結果説明

    結果の説明は検査から約1時間後におこないます。

    4
大腸CT検査は、午前・午後ともに実施しています

大腸CT検査の長所・短所

大腸CT検査 大腸カメラ
長所
  • 痛みや苦痛が少ない
  • 検査時間は約20分程度と短時間
  • 大腸のひだの裏側が分かりやすい
  • 比較的下剤服用量が少ない
  • 全体像や病変の正確な位置が確認可能
  • 鎮静剤が不要のため、検査後短時間で日常生活に復帰可能
  • 大腸カメラの実施が困難な方も検査可能
  • 小さな病変や平坦な病変も見つけやすい
  • 表面の色調や構造の評価をしやすい
  • 病変を認めた場合、検査中に組織を採取できる
短所
  • 小さな病変や平坦な病変は見つけにくいこともある
  • 病変の色や硬さの情報が得られない
  • 病変を認めた場合、組織を採取できない
  • 少量の医療被ばくがある(妊娠中の方は検査できない)
  • 痛みや苦痛を伴うことがある
  • 癒着や腸が複雑な走行をしている場合は、深部までカメラが入らず、観察ができないことがある
  • 大腸のひだの裏側が分かりにくい場合がある
  • 大量の下剤服用が必要
  • 極めて稀に内視鏡で腸管を傷つけてしまう場合がある

大腸CT検査の役割

大腸CT検査は便潜血検査で陽性が出た方に対する二次精密検査で、これまで大腸の検査をためらってきた方々の選択肢の1つであり、組織検査までできる大腸カメラに置き換わるものではありません。大腸に病変が疑われる方や、病変が発見された場合に組織検査を希望される方には、基本的に大腸カメラでの検査をおすすめしています。

検査に関するよくある質問

Q. 大腸CT検査と内視鏡検査は何が違うのですか?
大腸CTは、CT装置を使用して大腸を検査する方法です。肛門内に細いチューブを挿入し、そのチューブから大腸全体を膨らませた状態でCT撮影をおこないます。
一方、大腸内視鏡検査は、肛門からカメラを挿入し、大腸の奥まで進めていく検査です。ポリープが見つかった場合には、その場で切除することも可能です。
Q. 大腸CT検査で何がわかるのですか?
大腸CT検査では、大腸内のポリープや大腸がんなどを確認することができます。また、大腸以外の臓器についても同時にチェックすることができます。
Q. 検査前説明はどのようにおこなうのですか?
検査の2日前には、食物繊維入り清涼飲料水・PROJECT F(500ml)1本と、就寝前にはセンノシド(下剤)2錠をお飲みいただきます。検査2日前の食事制限は特にありません。検査前日には、PROJECT F(500ml)1本と検査食を朝・昼・夜の3食でお召し上がりいただきます。3食ともお食事の際には、水500ml以上をお飲みください。また、毎食後30分以内にコロンフォート(大腸CT検査用バリウム)をお飲みいただきます。PROJECT Fと検査食は、院内のコンビニで購入いただけます。
Q. アレルギーなどで検査食を食べられない場合はどうすれば良いですか?
ゼリー飲料(果肉なし)や素うどん(かやく・具のないもの)であれば、お召し上がりいただいても問題ありません。検査食が召し上がれない場合でも、付属のスープと水500mlは必ずお飲みください。
Q. 大腸CT検査は受診すればその日に受けられますか?
大腸CT検査の実施には前処置が必須となりますので、検査を受けていただくのは診察日の翌々日からとなります。