リハビリテーション科 / リハビリテーション技術部
リハビリテーションの内容は、手術後の呼吸器合併症などに備えて術前からはじめるものや、集中治療室入室中から開始するものなど、入院初期からでも積極的に対応しています。また、高齢化社会に伴い、病気やけがで入院される患者さまも高齢者が増加傾向にあり、入院時からすでに栄養不良や筋力低下があったり、あるいは入院中にこういった状態に陥る方も増えているのが現状です。
栄養状態を維持・改善しながらリハビリテーションを進めていくことが重要となり、栄養サポートチーム(NST)と連携・協力して、“栄養状態を考慮したリハビリテーション”を目指して実践しています。また、患者さまの病気や障害に応じて、各科の担当医と連携を図りながら、安全で適切なリハビリテーションが提供できるよう環境を整えています。
急性期治療が一段落したあとも、継続して施術が必要な方には回復期リハビリテーション病棟で集中的なリハビリテーションを提供しています。
退院後も施術が必要な患者さまに対しては、当法人内の病院や施設にある通所・訪問リハビリテーションを最大限活用。また、近隣の病院・施設とも連携をとりながら、スムーズなリハビリテーションの提供ができるよう努めています。
また、外来通院が可能な患者さまを対象とした運動器リハビリテーションや心臓リハビリテーションなどに関しては、担当科の医師と連携を図りながら通院による施術を実施しています。
リハビリテーション技術部の特徴
リハビリで明日を笑顔ですごせる社会を作る
私たちが続けていくこと
- 患者さま、利用者さまの期待に応えるリハビリをします
- すべての職員が、互いに明るく声をかけあい協力できる関係を築きます
- 法人の目標に向けて、計画・行動します
- 地域の人々からの声に耳を傾け貢献します
- 協力企業への感謝をいつも伝えていきます
- いきいきと仕事をして、自分と家族を笑顔にします
体制について
スタッフ総勢 394名 | |
医師 | 6名 |
理学療法士 | 233名 |
作業療法士 | 100名 |
言語聴覚士 | 47名 |
アシスタント | 8名 |
専門分野の資格保有者
専門理学療法士(運動器) | 1名 |
専門作業療法士(手外科) | 1名 |
認定理学療法士 (脳卒中、運動器、呼吸、代謝、循環、管理・運営、補装具) |
25名 |
認定作業療法士 | 1名 |
認定ハンドセラピスト | 1名 |
集中治療理学療法士 | 1名 |
理学療法士協会指定管理者(上級) | 8名 |
3学会合同呼吸療法認定士 | 34名 |
心臓リハビリテーション指導士 | 7名 |
心不全療養指導士 | 1名 |
日本糖尿病療養指導士 | 10名 |
肥満症生活習慣改善指導士 | 4名 |
急性期ケア専門士 | 1名 |
終末期ケア専門士 | 5名 |
日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士 | 5名 |
NST専門療法士 | 1名 |
認知症ケア専門士 | 8名 |
リンパ浮腫セラピスト | 2名 |
骨粗鬆症マネージャー | 4名 |
サルコペニア・フレイル指導士 | 1名 |
弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター | 1名 |
認定訪問療法士 | 2名 |
第1種衛生管理者 | 2名 |
介護支援専門員 | 5名 |
福祉住環境コーディネーター2級 | 5名 |
特に力を入れているリハビリテーション
リハビリテーション栄養
栄養管理を取り入れたリハビリテーションを目指して、“栄養を考慮した、栄養状態を維持・改善しながらのリハビリテーション”を心がけています。そのために、医師、管理栄養士、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、歯科衛生士、検査技師等からなる栄養サポートチーム(NST)と密接に連携しながら進めています。
外来リハビリテーション部門では、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や心臓疾患の患者さまに対しても、栄養指導や栄養強化食品を併用した筋肉トレーニング・持久力トレーニング、栄養管理をしながらのリハビリテーションを取り入れ、少しずつ効果が得られてきています。
リハビリテーション栄養についてのご不明な点は、お気軽にご相談ください。
リハビリテーション
当院では集中治療室(ICU)と脳卒中集中治療室(SCU)を有しており、集中治療室(ICU)では内科系・外科系を問わず、呼吸、循環、代謝その他の重篤な急性機能不全の患者さまに、脳卒中集中治療室(SCU)では発症して間もない、病態が不安定な患者さまに対して、様々な職種が協力して集中的な治療にあたります。
集中治療室(ICU)には当科の理学療法士が常駐し、ベッドの上でもからだを動かし、合併症予防や早期機能回復を目的とした積極的なリハビリテーションをおこなっています。
リハビリテーション
2016年より、歩行訓練用の医療用ロボットスーツ・HAL®を導入しています。神経難病の患者さまを対象に、安全使用講習を受けた理学療法士等がHAL®を安心・安全に使用することに注力しております。また、現在は腰用HAL®も追加導入し、訓練のバリエーションを増やして対応しています。
重度のまひ改善に、BMIを導入
画像提供: 株式会社LIFESCAPES
従来のリハビリテーションは、わずかにでも残った筋肉の動きを利用することが多いですが、BMIは「動かしたい」と思う意思によって機器を動かすことができます。脳は繰り返しの訓練によって神経のつながりを再構築する力(=神経可塑性)を持っており、たとえ実際に手足が動かなくても、「動かしたい」と考えることを続けていくことで、脳の神経回路が活性化し、運動機能の回復につながる可能性があります。
当院のリハビリテーション科では、BMI技術を活用したリハビリテーションを導入し、患者さまの運動機能回復を促す取り組みをおこなっています。
リハビリテーションの種類
呼吸器リハビリテーション手術後などで人工呼吸器を使用されている方や、肺気腫や慢性的な呼吸器の病気による障害をもつ患者さまに対して、可能な限り機能を回復・維持し、患者さま自身が自立できるよう、継続的なリハビリテーションを実施しています。
心大血管リハビリテーション心筋梗塞や心不全、心臓血管手術後などの患者さまに対して実施。運動療法以外にも、患者教育、食事療法、社会的心理サポートなどを含む包括的なアプローチをおこないます。
廃用症候群リハビリテーション廃用症候群とは、過度の安静により生じる障害のことをいいます。障害には、筋肉の萎縮や関節の動きが悪くなったり、せん妄(軽度の意識障害の中で、幻覚・錯覚・異常な行動をとること)などがあり、これらの症状を改善するための訓練を実施しています。
がん患者リハビリテーションがん治療の入院患者さまを対象に、がん患者リハビリテーションに関する適切な研修を修了した療法士が対応しています。
対象疾患の内訳(入院患者)
28%
22%
20%
16%
8%
6%
疾患区分処方件数 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
脳血管疾患 | 3,013 | 2,283 | 2,323 |
運動器 | 3,309 | 2,678 | 2,943 |
呼吸器 | 3,733 | 3,383 | 4,107 |
心大血管 | 1,271 | 917 | 1,170 |
廃用症候群 | 3,056 | 2,765 | 3,156 |
がん患者 | 803 | 747 | 954 |
外来リハビリテーション
当院で整形外科手術を受けた方や心大血管疾患、呼吸器疾患の治療を終えた方が対象となり、体力向上や再発予防を目的としておこないます。
外来での心臓リハビリテーション
ひと昔前までは「手術の後は安静にしていてください」というのが一般的でした。しかし、最近は医学的管理のもとで有酸素運動などのトレーニングをおこなうことで、“運動能力の改善”や“自律神経機能”などが良くなり、再発のリスクを下げる効果があることがわかってきました。手術が成功したから治療が終わったというわけではなく、長い時間をかけて医師や看護師はもちろん食事の改善を指導する栄養士や、適切なお薬の飲み方を指導する薬剤師、そしてリハビリテーションスタッフがチームになって、個人個人にあった指導をおこない、心臓を通して全身を診ていくことが重要になってきます。
心臓リハビリテーションの特徴
心臓の異常は安静時には発見や診断が難しいため、運動負荷をかけ心拍や血圧、心電図の変化に異常があるかを診察。また、個人の運動能力を調べ、どのような運動がその人に合っているのかや、運動の時間や頻度などを指導するための検査も実施可能です。
無理なく有酸素運動を続けることで高血圧や血糖値が改善、運動能力や体力が向上して骨も丈夫になるため、心臓への負担も少なくなります。
リハビリテーションが終了したあとも、健康的に過ごす上で日々無理のない程度に運動を続けることも重要です。
施設基準
- 脳血管疾患等リハビリテーション料 I
- 運動器リハビリテーション料 I
- 呼吸器リハビリテーション料 I
- 心大血管リハビリテーション料 I
- 廃用症候群リハビリテーション料 I
- がん患者リハビリテーション料
訪問リハビリテーション ほーぷ
地域のご利用者さまやご家族の方が、安心してこの地域で生活が送れるように、地域のサービス事業者とも十分な連携を図り、総合的なケアプランを立案。みなさまを支援していくことを常に心がけ、日々の業務に取り組んでいます。