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精神科


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外来診療について

精神科の診療に関しましては、主に入院診療をおこなっております。外来診療については、2023年4月時点で予約済みの方のみの対応となっており、新規のご予約は現在お受けしておりません。ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。


コンサルテーション・リエゾン活動

精神症状はヒトにおいては、1,000億個もの神経細胞が特有のネットワークを形成している脳を中心とした身体的基盤のうえに表出されることがわかっています。これらはとても複雑ですが、近年の脳科学で徐々にその発症様式やメカニズムが解明されてきました。特に、遺伝学やインフォマテイクスの急速な発展や心理学、人文科学との有機的な融合が進んできた結果、精神症状を多角的に捉えることが可能となってきています。

さまざまな身体疾患で患者さまが入院される一宮西病院において、身体疾患に伴って生じる“脳”と“こころ”の問題への対応のみならず、精神的疾患を持つ患者さんが身体疾患を併発した場合の治療にも対応できるよう海外でのトレーニングを受けた精神科専門医、公認心理師、看護師、医療ソーシャルワーカーなどの多職種がそれぞれの専門の能力を発揮して問題解決に当たる“リエゾン活動”がおこなわれております。リエゾン(liaison)とは“連携”という意味があります。

入院診療

入院中の代表的な疾患として、せん妄抑うつ状態 / うつ病があげられます。脳卒中や脳炎など脳の疾患だけでなく、多くの身体疾患では全身の炎症、ホルモンや免疫などの不均衡が生じ、脳の機能にさまざまな影響を及ぼします。その結果、施設にもよりますが、入院患者さんの30〜80%以上が混乱して興奮するようなせん妄と呼ばれる精神症状を呈します。従来、せん妄は一時的な病態と考えられていましたが、いったん発症すると持続的に身体予後や認知機能に悪影響を及ぼすことが明らかになっており、早期発見と環境調整を含めて適切なケア・対応がなされるように活動しています。重症のせん妄にはセレネースやリスペリドンといった抗精神病薬を少量使用することで対応することが多いです。

また、身体疾患を長く患うと抑うつ状態 / うつ病になりやすくなることも知られており、その割合はおよそ20〜50%程度とされています。従来からのうつ病や統合失調症などで治療中の方が身体疾患で入院された場合、精神科治療が途切れてしまわないように通院先の主治医と連携して治療継続します。

抑うつ状態 / うつ病に対しては、極力薬剤の使用は控えめにして、認知あるいは認知行動療法にて対応しています。また、その際に、表面に現れた症状となっている置き換えや抑圧された要素を解釈することで問題解決を図る力動精神療法的アプローチや、さまざまな症状を身体言語や心的エネルギーの発散として捉える精神分析的なアプローチを併用することも多いです。

認知および認知行動療法

1. 認知および認知行動療法とは?

認知とは、物事の受け止め方あるいは考え方のことです。人間を含めてすべての動物は、より適応的な生き方を選択するようにできています。ところが、時に自らに、周囲に苦痛や困難をもたらしてしまう不合理な習慣を身につけてしまうことで悪循環が生まれ、困難や苦痛の解消が困難になってしまうことがあります。認知および認知行動療法の目的のひとつは、個人や集団における症状や問題を“望ましくない行動およびそのきっかけや結果によってもたらされる悪循環”として捉え、それを解消することにあります。こころの問題や精神症状を行動、つまり習慣あるいは反応パターンとして捉え、その量的あるいは質的な側面の変容をすすめていくことで、悪循環の解消につなげていきます。

2. どのような人たちに効果がありますか?

  • 気分が低下して抑うつ的あるいはうつ病になっている人
  • パニック障害で苦しんでいる人
  • パーソナリティ障害のため対人関係が安定しない人やリストカットがやめられない人
  • 対人緊張が強くてまともに人と会話できない人
  • 解離が強くて日常生活が不安な人
  • PTSDのフラッシュバックで悩んでいる人
  • わけもなく死にたくなる人
  • なぜ生きているのかわからない人
  • アルコールや薬がやめられない人
  • 慢性的な痛みに悩んでいる人
  • 何年も引きこもっている人や不登校児 など

が対象となります。
効果は人によって限定的ですが、副作用はございません。

3. 人によって向き・不向きがありますか?

認知および認知行動療法を受けたいという方であれば向き・不向きはありませんが、その適応になるかどうかはその人のパーソナリティを含むその時の状態によります。