歯科口腔外科
ページ内目次
主な対象疾患と診療内容
- 難抜歯・親知らずの抜歯
- 顔が腫れるなどの歯性炎症
- 顎にできた膿のふくろ(歯根嚢胞)などの良性腫瘍・嚢胞
- 顎関節治療
- 難治性の口内炎や口腔白板症、扁平苔癬などの口腔粘膜疾患
- 歯の脱臼や骨折、裂傷などの顎顔面外傷
- 口腔がん(舌がん、歯肉がんなど)
- 舌痛症・三叉神経痛・非定型顔面痛
- 睡眠時無呼吸症候群の装置作成・評価
- 有病者(心臓病、高血圧、脳梗塞、抗凝固剤を飲んでいるなど)・障がい者・スペシャルニーズの患者さまなど、一般歯科医院では治療が困難な歯科治療
- 入院中の患者さまの口腔ケアをはじめとした口腔管理
当科の特色・診療内容
入院中の患者さまの【口腔管理の徹底】
全身麻酔の手術では、口から気管チューブを挿入します。気管チューブを介して口腔内の細菌が肺に入り、肺炎を引き起こす可能性があります。また、動揺している歯がチューブなどに当たり、飲み込んだり、気管内に入ってしまう可能性があります。当院では手術を受ける患者さまが安心して手術に臨んでもらえるよう、手術前後に口腔ケアをおこなっています。
また、がん化学療法や放射線療法では口内炎が副作用として出現することが多く、重症の口内炎によりがん治療が中断してしまうこともあります。そのため、これらの治療前・治療中にも積極的に口腔管理をおこなっています。
脳血管疾患、心臓疾患、誤嚥性肺炎や低栄養状態で入院されている患者さまにも入院早期から口腔管理をおこなうことで、口腔環境の改善や摂食嚥下機能の回復につながると考えています。口腔ケアでは、口の中の問題を解決していきながら、歯みがき指導や患者さまに合わせた清掃道具、洗口液、保湿剤などを提案しています。
当科は多職種・地域医療機関と連携し、NST(栄養サポートチーム)やRST(呼吸サポートチーム)への参加や、口腔環境の悪化・摂食嚥下機能の低下がみられる患者さまに対して必要な口腔管理をおこない、退院後も継続した口腔管理がおこなえるよう取り組んでいます。
また、がん化学療法や放射線療法では口内炎が副作用として出現することが多く、重症の口内炎によりがん治療が中断してしまうこともあります。そのため、これらの治療前・治療中にも積極的に口腔管理をおこなっています。
脳血管疾患、心臓疾患、誤嚥性肺炎や低栄養状態で入院されている患者さまにも入院早期から口腔管理をおこなうことで、口腔環境の改善や摂食嚥下機能の回復につながると考えています。口腔ケアでは、口の中の問題を解決していきながら、歯みがき指導や患者さまに合わせた清掃道具、洗口液、保湿剤などを提案しています。
当科は多職種・地域医療機関と連携し、NST(栄養サポートチーム)やRST(呼吸サポートチーム)への参加や、口腔環境の悪化・摂食嚥下機能の低下がみられる患者さまに対して必要な口腔管理をおこない、退院後も継続した口腔管理がおこなえるよう取り組んでいます。
【埋伏智歯抜歯】静脈内鎮静法を併用した親知らずの抜歯
親知らずの抜歯(1本だけでなく、4本一括抜歯も対応)などの局所麻酔手術を対象に、静脈内鎮静法(鎮痛剤と鎮静剤を点滴)を併用することで、不安や恐怖心を最小限にして治療をおこなうことができます。短期間で治療を完了することも可能です(多くは1泊2日の短期入院での処置となります)。
※平日通院の困難な方は、土曜日の入院抜歯も対応可能です。
※平日通院の困難な方は、土曜日の入院抜歯も対応可能です。
“超選択的動注化学放射線療法”による【進行口腔がんの治療】
当科では進行口腔がんに対して、抗がん剤と放射線治療を組み合わせた“超選択的動注化学放射線療法”を採用し、手術の回避、最大限の臓器・機能温存を目指しています。
初期の小さな口腔がんに対しては、手術が第一選択となります。しかし、リンパ節転移が疑われる、また腫瘍のサイズが大きながんについては、“超選択的動注化学放射線療法”を選択します。この治療では、がんに栄養を運んでいる血管に対して、耳の近くの血管から細い管を挿入し、直接抗がん剤を注入する方法です。この方法によって、より高い濃度の抗がん剤をがんに注入することが可能になります。それと同時に放射線治療をおこなうことで、手術を回避することも可能になります。
※局所進行口腔がんや頸部リンパ節転移が疑われる場合に適応となります。
初期の小さな口腔がんに対しては、手術が第一選択となります。しかし、リンパ節転移が疑われる、また腫瘍のサイズが大きながんについては、“超選択的動注化学放射線療法”を選択します。この治療では、がんに栄養を運んでいる血管に対して、耳の近くの血管から細い管を挿入し、直接抗がん剤を注入する方法です。この方法によって、より高い濃度の抗がん剤をがんに注入することが可能になります。それと同時に放射線治療をおこなうことで、手術を回避することも可能になります。
※局所進行口腔がんや頸部リンパ節転移が疑われる場合に適応となります。
画像診断に基づいた【顎関節治療】
顎関節洗浄療法
口を開けるときに痛い、口が開かない、開けるときに音がするなどの症状はありませんか? それはあごの関節や筋肉に異常な力がかかることによって発生する、顎関節症と考えられています。顎関節症の治療では、症状を悪化させない生活指導をおこなうとともに、開口訓練やスプリントと呼ばれるマウスピースを口の中に装着して治療をします。強い痛みを伴う場合は、消炎鎮痛剤も併用します。
また、MRIにて関節内に炎症が認められた際には、顎関節洗浄療法をおこなっています。
また、MRIにて関節内に炎症が認められた際には、顎関節洗浄療法をおこなっています。
【スペシャルニーズが必要な患者さま】の歯科治療・観血的処置
心臓疾患や糖尿病、妊娠中などの患者さまなど、有病者の抜歯を含む口腔外科手術・歯科治療をおこなっています。診療所では対処困難な疾患の患者さまの治療をおこなっています(診療所からの紹介状をもとに実施)。
また、障がいや極度の嘔吐反射に伴い、診療所では対応困難な患者様については診察にて状態を確認し、治療計画を立てた上で、静脈内鎮静法や全身麻酔などを併用しながら、歯科治療・観血的処置を実施いたします(短期間の入院が必要になります)。
※抗血栓療法中の患者さまでは術後の止血処置が必要となる場合があり、入院下で治療することがあります。
※メンテナンスや義歯の作成などはかかりつけ歯科で実施いただく場合があります。
また、障がいや極度の嘔吐反射に伴い、診療所では対応困難な患者様については診察にて状態を確認し、治療計画を立てた上で、静脈内鎮静法や全身麻酔などを併用しながら、歯科治療・観血的処置を実施いたします(短期間の入院が必要になります)。
※抗血栓療法中の患者さまでは術後の止血処置が必要となる場合があり、入院下で治療することがあります。
※メンテナンスや義歯の作成などはかかりつけ歯科で実施いただく場合があります。
入院患者の内訳と手術疾患内訳
2023年 (7~12月) |
||
全身麻酔手術 | 顎骨嚢胞・腫瘍 | 3 |
埋伏智歯・埋伏過剰歯 | 4 | |
顔面骨骨折・下顎骨骨折 | 4 | |
口腔悪性腫瘍切除術 | 2 | |
腐骨除去術 | 1 | |
小計 | 14 | |
静脈内鎮静法手術 | 埋伏智歯抜歯 | 104 |
智歯以外の抜歯 | 12 | |
顎骨嚢胞・歯根端切除 | 7 | |
骨隆起切除術 | 3 | |
小計 | 126 | |
その他 | 抗凝固薬内服中患者の抜歯 | 2 |
蜂窩織炎・頬部膿瘍 | 2 | |
顎骨骨髄炎・BRONJ | 1 | |
習慣性顎関節脱臼 | 1 | |
歯の外傷、顔面外傷 | 1 | |
下顎骨骨折 (保存的加療) |
2 | |
口腔癌放射線化学療法 | 3 | |
入院合計 | 152 |