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災害に備えよう~自分の身は自分で守ろう~


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薬剤科からは「災害に備える~自分の身は自分で守ろう~」をテーマに、糖尿病患者の災害時のリスクや災害時に向けての準備についてお届けします!

日本は地震が多い国?

世界で起きているマグニチュード6.0以上の地震のうち約20%弱が日本で起きています。

近年の日本における大地震

1995年 阪神・淡路大震災
2011年 東北地方太平洋沖地震
2016年 熊本地震
2024年 能登半島地震

自然災害が多い国だから…

災害時には自衛隊の派遣もありますが、医師・看護師・コメディカル職員・事務員などから構成された災害時の医療チームも派遣されます。

災害時の医療チーム

DMAT
(災害派遣医療チーム)
災害発生から48時間以内に活動できるように訓練された医療チーム
JMAT
(日本医師会災害医療チーム)
DMATと入れ替わるように被災地に入り、医療支援や健康管理を担当
DiaMAT
(糖尿病医療支援チーム)
災害の事前準備のための医療者および患者への災害教育や、災害発生時に当該都道府県などと連携して迅速な災害支援をおこなう
超急性期
災害発生時〜3日間
急性期
4日〜1週目
亜急性期
2週目〜1ヶ月
慢性期
2ヶ月目以降
DMATなどの後方支援 被災者への直接支援
  • 1型糖尿病患者の安否確認
  • インスリンなどの供給
  • インスリンや内服薬などに関するアドバイス
  • 低血糖・高血糖に対する治療
  • インスリンなどの供給
  • 自己血糖測定器の供給
  • インスリンや内服薬などに関するアドバイス
  • 食事や運動などのアドバイス
  • フットケア
  • 口腔ケア
  • 衛生面でのアドバイス
  • 治療中断者のチェック
  • 健康教育
  • 治療中断者のチェック

糖尿病患者における災害時のリスク

偏った栄養バランスの食事

  • 非常食や長期保存食は炭水化物が多い
    血糖値に影響を及ぼす

不安定な薬剤供給

  • 災害による備蓄薬剤の破損
  • 交通網の障害による他所からの供給停止 など

血糖値が不安定になりやすい

血糖値が上昇する要因
  • 避難所生活など活動量の低下
  • 炭水化物の多い食事
  • ストレス
  • 糖尿病治療薬の不足 など
血糖値が低下する要因
  • 食料不足
  • 復旧作業などによる活動量の増加 など

糖尿病患者の災害時に向けての準備

糖尿病治療薬の準備

糖尿病治療薬の流通が、震災前の状況に戻ったのは2~4週間後であったという報告があります。最低限1~2週間分の治療薬を余分に準備しておくとよいでしょう。低血糖時のためにブドウ糖も用意しておきましょう。

治療薬の情報の携行

  • お薬手帳の携行や、糖尿病連携手帳へ情報を記載しておく
  • 携帯電話(スマートフォン)へ治療薬の情報を記録しておく
    (写真などで残しておく)

シックデイルールの確認

経口血糖降下薬

機序 インスリン分泌促進系 糖吸収・排泄調節系 インスリン抵抗性改善系
種類 DPP-4 阻害薬 SU薬 グリニド薬 α-GI SGLT2 阻害薬 BG薬 チアゾリジン薬
災害時における調節 特になし 食事量が半分程度なら内服量も半量とし、1/3以下のときは中止する 腹部症状が出現する場合は中止可 食事、水分が十分とれないときは休薬 下痢や発熱など脱水が懸念される状況では中止可 浮腫がみられた場合は中止可
災害時に懸念される副作用 併用薬によっては低血糖の出現 低血糖 消化器症状 脱水、尿路感染症、ケトアシドーシス 脱水→乳酸アシドーシス、消化器症状 浮腫、心不全
出典: 日本くすりと糖尿病学会編:糖尿病の薬学管理必携 糖尿病薬物療法認定薬剤師ガイドブック, じほう, 2017, p322

インスリン

  • 基礎インスリンは継続する
  • 追加インスリンは食事量に合わせて調節する(場合によっては食事量に合わせて食後に投与する)
  • 自己判断でインスリンを中断しない

災害時に困らないように準備しよう

糖尿病用医薬品 チェック
経口薬
インスリン自己注射キット
血糖自己測定器
低血糖用のブドウ糖
糖尿病連携手帳
お薬手帳(または薬剤情報提供書)
健康保険証
救急箱 チェック
常備薬
消毒薬
ばんそうこう
体温計
マスク
生活用品 チェック
貴重品(現金、通帳)
懐中電灯・電池
携帯電話・充電器
携帯用ラジオ
飲料水
非常食
着替え
室内履き・靴下
ウエットティッシュ
ビニール袋
予備のめがね
メモ・筆記用具
洗面用具・タオル
トイレットペーパー
生理用品
軍手
出典: 薬剤師のための糖尿病患者の継続的薬学管理のための災害対応のてびき
(⽇本糖尿病学会編・著.:糖尿病医療者のための災害時糖尿病診療マニュアル⽂光堂, 2014, p90より改変)

さいごに

災害時の急性期には食料や治療薬は不足します。糖尿病患者は様々な要因から血糖値が不安定になります。自衛隊や災害医療チームが援助に来るまでの間、自分の身を守れるのは日頃からの準備だけです。しっかりと備えておきましょう!


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