薬剤師『GLP-1受容体作動薬~食後血糖の変動を抑制する薬~』
薬剤師『GLP-1受容体作動薬~食後血糖の変動を抑制する薬~』
GLP-1(ジーエルピーワン)とは
GLP-1(ジーエルピーワン)とは・・・
もともと人間の体内に存在する
ホルモンのこと。
食事をすると小腸から分泌されます。
GLP-1の効果
胃
腸への食べ物の排出を抑制
⇒食後高血糖を抑制
腸への食べ物の排出を抑制
⇒食後高血糖を抑制
膵臓
インスリン分泌促進、
グルカゴン※分泌抑制
⇒血糖値を下げる
インスリン分泌促進、
グルカゴン※分泌抑制
⇒血糖値を下げる
※グルカゴンとは血糖値を上げるホルモンです。
GLP-1の分泌を促す食事とは?
GLP-1は基本的にはどんな食べ物でも分泌がはじまりますが、より効果が期待できる食べ物は
「食物繊維」、「EPA」、「乳酸菌」、「鉄分」です。
「食物繊維」、「EPA」、「乳酸菌」、「鉄分」です。
食物繊維の多い食品
食物繊維をとると、小腸の細胞が刺激されGLP-1が分泌されやすくなります。
EPAの多い食品
青魚に多く含まれるEPAにもGLP-1の分泌量を増やす効果があります。
EPAは人間の体内でほとんど作ることができないため、EPAを多く含む魚を摂取しましょう。
EPAは人間の体内でほとんど作ることができないため、EPAを多く含む魚を摂取しましょう。
乳酸菌の多い食品
乳酸菌は善玉菌を増やし、腸内環境を整え、GLP-1の分泌を促してくれます。
鉄分の多い食品
鉄分にはGLP-1を分泌するL細胞を活性化する効果があります。
GLP-1受容体作動薬とは?
GLP-1受容体作動薬とは
体の外からGLP-1を補う薬です。食事からGLP-1を増やすことはできますが、限りがあり少量です。現在の糖尿病治療では、
HbA1cを7%未満※ に下げることが目標とされていますが、
例えば飲み薬で治療していても目標に届かないときに、GLP-1受容体作動薬が助けてくれる可能性があります。
※HbA1c7%未満は、合併症予防のための目標値です。
低血糖などの副作用や、その他の理由で治療が難しいときは8%未満をめざします。
(日本糖尿病学会 編・著. 糖尿病治療ガイド2016-2017, 文光堂, 2016, p.27)
体の外からGLP-1を補う薬です。食事からGLP-1を増やすことはできますが、限りがあり少量です。現在の糖尿病治療では、
HbA1cを7%未満※ に下げることが目標とされていますが、
例えば飲み薬で治療していても目標に届かないときに、GLP-1受容体作動薬が助けてくれる可能性があります。
※HbA1c7%未満は、合併症予防のための目標値です。
低血糖などの副作用や、その他の理由で治療が難しいときは8%未満をめざします。
(日本糖尿病学会 編・著. 糖尿病治療ガイド2016-2017, 文光堂, 2016, p.27)
GLP-1受容体作動薬により血糖値を下げるしくみ
食事をとると血糖値が上昇し、小腸からGLP-1が分泌されます。
GLP-1の一部は血液を通って膵臓へ運ばれます。
GLP-1の一部は血液を通って膵臓へ運ばれます。
膵臓にたどりついたGLP-1はここで
インスリンを出すよう呼びかけます。
この呼びかけに応じて膵臓から
インスリンが分泌されると、
血糖値が下がります。
この仕組みは上手くできていて、
食事をしていないとき、
つまり血糖値が高くないときには
GLP-1は分泌されず
インスリンも出てきません。
インスリンを出すよう呼びかけます。
この呼びかけに応じて膵臓から
インスリンが分泌されると、
血糖値が下がります。
この仕組みは上手くできていて、
食事をしていないとき、
つまり血糖値が高くないときには
GLP-1は分泌されず
インスリンも出てきません。
投与方法
飲み薬と注射薬があります。
飲み薬は1日1回服用します。注射薬は、1日1回~2回、もしくは週1回注射をするタイプがあります。
飲み薬は1日1回服用します。注射薬は、1日1回~2回、もしくは週1回注射をするタイプがあります。
副作用
消化器症状
使いはじめは便秘、下痢、嘔吐などの消化器症状が
起こることがありますが、
多くの場合、数日から数週間で自然となくなります。
症状が気になる場合は主治医に相談してください。
低血糖
GLP-1受容体作動薬は空腹時には働かず、食事をとって血糖値が高くなったときに働くため、低血糖を起こしにくいといわれています。
ただし、他の糖尿病治療薬と一緒に使う場合は低血糖への注意が必要です。
GLP-1受容体作動薬は空腹時には働かず、食事をとって血糖値が高くなったときに働くため、低血糖を起こしにくいといわれています。
ただし、他の糖尿病治療薬と一緒に使う場合は低血糖への注意が必要です。