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末梢動脈疾患に対する治療


足の動脈が詰まる病気末梢動脈疾患・重症下肢虚血はどうやって治療するのでしょうか? 狭くなったり詰まってしまった血管を広げてくれるお薬は、現時点ではありません。
しかし症状をとるという意味においては運動療法、つまりよく歩くと症状が改善することがあります。足の血管は何本かありますので、よく運動することで狭くなっていない他の血管を太く丈夫にし、症状が緩和されるのです。また血液をサラサラにする薬を内服することでも同様の効果が得られることもあります。
そこで、まずは運動及び薬物療法を数か月試していただき、それでも症状が残るような場合、狭くなった血管を広げるカテーテル治療、あるいは他からの血流を作ってあげるバイパス(人工血管やご自身の静脈を使う)手術を検討することになります。

薬物治療

比較的症状が軽微な患者さまには、抗血小板薬と呼ばれる血液をサラサラにする薬を内服していただき、経過を見ます。

運動療法

よく運動することで狭くなっていない他の血管が太く丈夫になり、症状が緩和されることがあります。

カテーテル治療(EVT; 下肢動脈血管内治療)

末梢動脈疾患(PAD)の治療にもカテーテル(細くて柔らかいチューブ)が使用されており、跛行(歩くと足が痛い)の方には膝上まで、重症下肢虚血(血流不全で足にできた傷が治らない)の方には膝下までの動脈に対して治療をおこないます。実際の治療は狭くなった血管の中を医療用の風船(バルーン)を使って広げたり、ステントと言われる金属の網状チューブを留置して広げた状態を保持したりしておこないます。
詰まっていた血管を広げると、今まで歩行時に感じていた痛みが和らいだり消えることもありますし、なかなか治りが悪かった足の指の傷が快方に向かったりすることもあります。

カテーテル治療(EVT; 下肢動脈血管内治療)

EVT治療前

EVT治療後

【実際の治療(68歳 / 女性)
高血圧と高コレステロール血症、糖尿病の治療をかかりつけ医にて受けておられましたが、約150mの歩行で右のふくらはぎが痛くなって歩けなくなるといった症状で来院されました。内服・運動治療で経過をみましたが、症状に改善がなく、患者さまとご相談の上、血管内治療をおこなっております。治療は局所麻酔にて、右鼠径動脈(足の付け根)からカテーテル(細い治療用チューブ)を入れて、浅大腿動脈という太ももの辺りを走る血管に高度狭窄を認めたため、5mm径のバルーン(治療用の風船)を拡張することで血流を改善させることに成功しております。治療後は血流も改善し、歩行時の痛みもなくなりました。

入院期間

治療時間はおよそ1〜2時間で、入院期間はおよそ4日程度となります。足の傷を治す場合はそれよりも長くなりますが、跛行症状だけであれば治療翌日から歩行が可能で、翌々日には退院です。

ホテルライクな病室

憩いのスペース

治療実績

日本人では、末梢動脈疾患患者の約4割が脳血管疾患、あるいは心血管疾患を合併しているといったデータもあり、足の症状であっても実は脳梗塞・心筋梗塞予備軍である可能性も高いのです。そのため、早期発見・早期治療が重要となります。
2018年、循環器内科では150件以上の下肢動脈の血管内治療(EVT)をおこなっており、間欠性跛行や下肢の創傷治癒遅延といった症状に悩む患者さまと日々向き合っております。 また、造影剤アレルギーや腎機能障害のある患者さまにおきましても、造影剤を極力使用しない炭酸造影法という方法での血管内治療もおこなっており、治療に伴う患者さまへの負担をより軽減できるよう努めております。


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