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重症下肢虚血(CLI)


重症下肢虚血(CLI)

重症下肢虚血(CLI)

カテーテル治療の様子

カテーテル治療の様子

動脈硬化によって細くなった足の血管をそのままにしておくことで、最重症になってしまった病気のことを重症下肢虚血(CLI)といいます。放置により1年後の下肢切断率は30%、また亡くなる可能性が25%と言われる重病で、救命・救肢の為に迅速な検査と治療が必要です。症状は安静時の足の痛みをともなう痺れや冷感や、出来た傷が治らない(創傷治癒遅延)、足壊疽などです。当院では皮膚科の先生方とも連携し治療をおこないます。創傷治癒のためには、局所の処置・感染のコントロール、全身状態の改善、足への良好な血流が必要です。足への良好な血流を得るための血行再建には、外科的バイパス手術とカテーテルでの血管内治療がありますが、当科ではカテーテルでの血管内治療をおこなっております。

足のアカギレが治らない!? それって本当にアカギレ?

手などをちょっと怪我したときは、1週間もあれば切り傷はくっつくし、擦り傷はカサブタになって治るかと思います。しかし足の血管が詰まって血行が悪くなると、足の指や踵にできた傷が治らないことがあります。「アカギレかとと思って軟膏を塗っていたのに治らない」という患者さまの中で、足の動脈は左右詰まっており、血流障害で傷が治らない状況という方も少なくありません。こういった状態は重症下肢虚血(じゅうしょうかしきょけつ)といって足の血管病の最重症といえます。症状の放置で実際に足を失う=切断する方も多く問題になっております。特に糖尿病を長く患っている方は感覚障害があって、画鋲を踏んづけても気が付かない方もいます。傷ができるのも、できた傷が治らないのにも必ず原因があり、下肢動脈の血流障害もそのひとつです。

足の指が痛い、指先の色が悪くなったら要注意!

皮膚還流圧(SPP)検査

冬場の足の外来は重症下肢虚血の患者さまが増えます。「寒くなった12月頃からで」という内容で症状を訴える方が多いです。では足(足の指)は本当にいきなり黒くなるのでしょうか? あるデータによれば、“跛行(はこう)”症状のある方が治療を受けなかった場合、5年で約5~10%の方が重症下肢虚血に移行するといわれています。一方、普段歩かないために、前駆症状である“跛行”症状に気づかず過ごした場合は「いきなり黒くなった」と思われる方もいます。したがって早期発見のためには、①検査をする、②跛行症状が有無を調べるということが重要になってきます。動脈硬化によって出来たり治らなかったりする足の傷の特徴は、心臓から遠い場所にできるというもので、足の指先の潰瘍や黒色化がそれにあたります。一方、糖尿病で出来る足の傷は、足の変形や感覚障害のために母趾(ぼし)の外側など靴の圧迫を受ける箇所や、荷重がかかる箇所です。冬場に入って足の指が痛い、指先の色が悪くなったら要注意ですので、一度専門医に是非ご相談ください。


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