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脳卒中センター


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地域の皆さまの安全・安心に貢献するために
当院では、2020年7月よりSCU(Stroke Care Unit)、そして9月より脳卒中センターを開設いたしました。

当院では脳神経内科および脳神経外科合同で2016年度より24時間365日体制の脳卒中ホットラインを開設し、脳卒中救急診療の充実に努めてまいりました。近年、脳卒中治療、特に重症脳梗塞に対する血管内治療(血栓回収療法)は劇的に進化しており、患者さまの生命予後のみならず機能予後を改善する治療が可能となっています。脳梗塞治療の世界では、“Time is Brain.”という言葉がありますが、これは脳梗塞治療がいかに迅速に治療をおこなうかが重要であり、時間との戦いでもある事を表しています。このような事を背景に脳卒中ホットラインは、地域の先生方や救急隊から患者さまのスムーズな受け入れをおこない、1分1秒を争う治療を迅速におこなう事を目的としたものです。

ホットラインは開設以来、年間800-900件程度ご利用いただいており、今後も地域医療における当院の果たす役割は益々増加するものと考えています。今回のSCUならびに脳卒中センターの開設は、このような地域の皆さまの期待に応えるための一環で、これを期に救急診療体制のみならず、周術期を含めた急性期治療の更なるレベルアップを図って参ります。

当院の脳卒中センターの特徴は、脳神経内科脳神経外科合同のシームレスな運用にあります。脳神経内科脳神経外科が情報を共有しながらも適切に役割を分担し、それぞれの専門性を発揮して患者さんに相対します。そのため、最後の砦となる外科的治療のみならず、内科的精査や治療も得意としています。脳卒中発症後の救急診療のみならず、発症前の予防医療も含め当院をご利用ください。

これからも地域の皆様方の安全・安心に貢献できるよう尽力して参ります。

ごあいさつ

外科部門の特徴 -目指す医療は、“直達手術”と“血管内治療”のハイブリッド-

近年の治療機器の進化に伴い、脳卒中(脳血管障害)に対する治療は、世界的に血管内治療が主流となっています。低侵襲な血管内治療の普及は、患者さんにとって非常にメリットがあります。本邦においては、その普及はまだ十分とは言えず地域差がある状況ですが、当院では早くから血管内治療に取り組んでおり、現在は血管内治療専門医は4名在籍し、いつでも治療がおこなえる体制が整っています。しかし、血管内治療が主流となる事は、必ずしも直達手術の必要がなくなるわけではなく、“安全・確実”を考えた場合には、あえて侵襲性の高い直達手術が選択される場合もあります。

大学病院クラスの施設では、チームとしてどちらの治療も対応可能な体制を整えていますが、多くの施設でスタッフは直達部門と血管内部門に分かれており、治療法の選択次第で主治医が替わる事もあります。外科治療においては、命を預けてくださる患者さんとの信頼関係が重要となる中で、同じ病気にも関わらず選択した治療によって主治医が替わる事は患者さんにとってストレスとなるかもしれません。

しかし、当院の脳卒中センター外科部門は、どちらの治療にも精通したスタッフが揃っており、治療法の選択次第で主治医が替わる事はありません。そのため、患者さん一人ひとりの病態や社会背景に合わせて、最適な治療法を提案し、選択していただけるものと考えます。

脳卒中センター長 伊藤 圭佑

内科部門の特徴 -原因探索に注力、原因に沿った最良の医療の提供を目指す-

一言で脳卒中と言っても、脳卒中にはいくつものタイプがあり、原因も異なります。原因によって有効な治療法は異なり、症状の進行や再発に対する予防効果も変わってきます。当院では原因探索に特に力を注いでおり、特に、重症化しやすい心原性脳梗塞(不整脈が原因で起こる脳梗塞)の発見のために長時間心電図モニタリング装置をいち早く導入しています。既存の方法では原因不明なままとなっていた脳卒中患者さまに対して、原因に沿った最良の医療の提供が可能となっています。

また、脳卒中の機能回復における最大の治療であるリハビリテーションも患者さまの状態に合わせて、早ければ入院当日から介入を開始しています。休日は通常リハビリが実施されないことも多い中、当院では休日も含めて継続的にリハビリをおこない、患者さまの早期の回復に努めています。

脳卒中センター副センター長 金井 雅裕

SCU (Stroke Care Unit: 脳卒中集中治療室)

SCUとは?

脳卒中センター開設に先駆け、一宮西病院では2020年7月よりSCUを開設しました。

SCUとは、脳卒中を発症して間もない患者さん、すなわち病態が不安定な患者さんに対して、効率的に初期治療をおこなう病棟のことです。脳神経内科医、脳神経外科医、看護師、理学療法士および作業療法士が、24時間体制で患者さんの治療にあたります。

一般床の看護体制が7:1(ひとりの看護師が7人の患者さんを担当する)なのに対し、SCUは3:1を基準としています。昼夜を問わず、常時2名以上の看護師が常駐し、脳卒中患者さんを看護しています。また、SCUは脳卒中を専門にしているスタッフで構成されるので、脳卒中に関しては一般床よりも質の高いケアの体制が確立されています。

SCUのメリット

平成21年に発表された脳卒中治療ガイドラインでは、SCUで治療することにより、
  • 死亡率の減少
  • 在院期間の短縮
  • 自宅退院率の増加
  • 長期的な日常生活能力と生活の質の改善
…を図ることができると明記されています。


脳卒中に対する治療

脳卒中とは?

脳卒中とは、脳の血管の病気です。脳の血管が詰まって脳細胞が死んでしまう病気(脳梗塞)、脳の血管そのものが破裂して出血を起こす病気(脳出血くも膜下出血)があり、これらをまとめて脳卒中といいます。

脳卒中は、がん、心臓病に次いで日本における死因の第3位であり、年間約30万人の方が発症しているといわれています。また寝たきりの原因の約3割を占めています。

脳梗塞は、脳卒中の約7割を占める!

脳血管の障害により生じる病気の総称を脳卒中といい、中でも脳の血管が詰まって脳細胞が死んでしまう病気を脳梗塞といいます。脳梗塞脳卒中の中でも大きな割合を占めています。後遺症により生活に支障をきたすこともあり、早期の治療開始が重要になります。

血管が詰まる脳梗塞では、血の固まり(血栓)を薬で溶かす点滴治療(血栓溶解療法)のほか、血管にカテーテルを通して血栓を除去する治療(血管内治療)を実施しています。
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