手外科・マイクロサージャリーセンター
手外科は整形外科の中でも特殊な領域の一つであり、通常整形外科で扱う骨や軟骨といった硬い組織だけでなく、靱帯・腱・神経・血管といった“軟部組織”の治療もおこないます。“マイクロサージャリー”という言葉は、一般の方には耳慣れない言葉かもしれませんが、顕微鏡を用いておこなう微小外科手術のことをマイクロサージャリーと呼びます。このマイクロサージャリーの技術により、直径1mmに満たない細い血管を吻合したり、神経を縫合したりすることが可能になります。このマイクロサージャリーの技術を用いて、切断された指を接合したり、血管付きの骨や皮膚軟部組織を移植して組織欠損を治療したりすることが可能となります。
手や指は複雑な運動と鋭敏な感覚を持っており、これらが障害されると生活上の支障は思いのほか大きくなります。また、指を動かすための腱は、損傷を受けると容易に周囲の組織と癒着(くっついて動かなくなること)し、指の運動に悪影響を及ぼします。当センターでは、できるだけ組織の癒着を低減し拘縮を予防するためのatraumatic operation(低侵襲手術)とリハビリテーションをおこなっています。
当センターは、2人の手外科専門医に加え、認定ハンドセラピスト1名が在籍しており、高度な専門知識と技術を駆使し、患者さま一人ひとりに最適な質の高い医療をご提供いたします。
一宮西病院 手外科・マイクロサージャリーセンターの特長
年間手術件数
特色のある診療
母指CM関節は可動性が大きく変形性関節症になりやすい関節であり、変形性関節症は痛みの原因となります。当院では母指CM関節症の重症度に応じて、関節を温存する矯正骨切り術、関節を固定する関節固定術、骨を除去して骨を腱で吊り上げる関節形成術をおこなっています。
指のDIP関節(第一関節)を伸ばす腱が付着している部分の骨折で、突き指等で起こります。しっかり治療しないとDIP関節が伸ばせなくなるのに加えて、PIP関節(第二関節)の変形も起こってきます。日本では皮膚の上から鋼線を刺入して骨折部を固定する方法が一般的ですが、当院では皮膚を切開し骨折部を直接確認してプレートで固定する手術をおこなっています。
手根管症候群(手関節部で正中神経が圧迫されることによる神経障害)が重症化すると、母指の筋力が低下します。それにより母指と他の指が相対する(対立する)動作に影響がでて、つまみ等が困難になります。当院では、短母指伸筋腱(母指を伸ばす腱のうちの1つ)を、もともと手にあるトンネル(Guyon管)に通して別の腱につなぎなおすことにより、再び母指の対立ができるようにする母指対立再建術をおこなっています。
主な対象疾患
- ばね指
- 手根管症候群
- 肘部管症候群
- ドケルバン腱鞘炎
- 母指CM関節症
- TFCC損傷
- キーンベック病
- 上肢の骨折
- 切断された組織の再接合(切断指再接着)
- 重度四肢外傷
スタッフ紹介
手外科部長 /
マイクロサージャリーセンター長
神田 俊浩
Toshihiro Kanda
使いやすい「手」の獲得に向けて、患者様とともに治療を進めて参ります。
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手外科 /
マイクロサージャリーセンター
杉田 憲彦
Norihiko Sugita
しっかり相談し、一人ひとりのニーズに沿った治療を提供できるよう、取り組んでいきます。
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手外科 /
マイクロサージャリーセンター
平島 祥太
Shota Hirashima
日々の診療に全身全霊で取り組みます。
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