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内視鏡センター


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内視鏡センターでは、上部消化管(食道、胃、十二指腸)、下部消化管(小腸、大腸)、胆嚢・胆管・膵臓、肺・気管支の内視鏡に関する検査や治療をおこなっております。救急科、血管内治療センターにも隣接し、この領域の疾患に対して迅速かつ総合的な医療ができる体制です。

当センターは内視鏡に関するほとんどの診断検査、治療が可能です。早期食道がん、早期胃がん、早期大腸がん、ポリープ等の切除、胆道がんの診断、胆道結石の治療、各種止血術、黄疸、腸閉塞の診断治療などはもとより、今までは一般の病院では難しかった、小腸内視鏡、超音波内視鏡を用いた診断・治療、拡大内視鏡を用いた精度の高い診断学、さらには細径内視鏡を用いた新しい内視鏡診断・治療法の開発など、地域社会はもちろん海外でも医療貢献をおこなっています。

また、当センターは苦痛の少ない経鼻内視鏡の先進医療機関でもあります。メディカルサポートセンターと協力し、苦痛の少ない胃がん・食道がんスクリーニング、ヘリコバクターピロリ菌の診断、除去による胃がんの撲滅にも力を入れています。

鼻から入れる内視鏡、“経鼻内視鏡”の検査について

経鼻内視鏡検査とは、従来の口から内視鏡(胃カメラ)をいれる方法ではなく、鼻から入れて食道・胃・十二指腸など上部消化管の検査をおこなう方法です。口から内視鏡を入れる経口内視鏡は、内視鏡が喉の奥にある舌根に接触してしまう為、多くの方は吐き気や息苦しさを感じます。その点、鼻から入れる経鼻内視鏡は舌根に触れないので吐き気などの苦しさを感じることはほとんどありません。経口内視鏡と経鼻内視鏡の両方を経験されたことのある約9割の方が、「次も経鼻内視鏡で検査したい」と答えています。内視鏡は細く小さいですが、胃がんや潰瘍の発見率は経口内視鏡とほぼ同じで、食道、胃、十二指腸など上部消化管のあらゆる病気の診断をおこなうことができます。

経口内視鏡検査でも、鎮静剤を投与しておこなえば楽かもしれませんが、窒息や呼吸停止などの危険があるだけでなく、検査終了後の安静が必要で、当日は車の運転や、集中を必要とする仕事はできなくなり、一日がかりの検査となってしまいます。その点、経鼻内視鏡は鼻腔に麻酔薬を注入するのみですので体への負担も少なく、検査終了30分程度経てばご自分で車を運転して帰宅することも可能です。また、鼻から内視鏡を入れる際の鼻の痛みは少なく、鼻出血もほとんどありません(1~2%)。

がんは早期発見が重要です。発見が早ければ、そのぶん治る可能性は高まります。苦痛の少ない経鼻内視鏡で定期的な検査をおこなう方が増えれば、早期にがんを発見し、治療・根治できる方たちもそれだけ増えます。ご自分の身体の為にも1年に1回は検査をおこないましょう。「胃カメラは苦しい」と思っている方も一度鼻からの内視鏡検査を試してみることをおすすめします。

メリット

  • 舌やのどの奥を刺激しない
  • 吐き気をもよおしにくい
  • 苦痛が少ない
  • 心臓への負担が少なく、血圧の変動が少ない
  • 検査後にすぐ帰宅・仕事などが出来るため、検査当日の行動も制限されない
  • 検査中に話が出来るため、安心感がある
    (担当医師と意志の疎通が図れる)
  • 意識をなくす注射(麻酔)は必要ない

デメリット

  • 鼻が極端に狭い方は、検査出来ない場合がある
    (ただし、当院では世界最小径の経鼻内視鏡があるのでこの頻度はかなり少ない)
  • まれに鼻痛、鼻出血がある
  • 高度な内視鏡手術は出来ない
    (簡単な止血術や異物除去は可能)
  • 特殊な精密検査には向いていない
    (胃バリウム検査後の精密検査では、経鼻内視鏡は問題なくおこなうことができます)
内視鏡室では医師、臨床工学士、臨床検査技師、看護師、放射線技師の他職種にわたる専門的な技能を結集し、医療機器を使用して経鼻内視鏡の検査及び治療にあたっています。

経鼻内視鏡検査の豊富な経験と実績

経鼻内視鏡は、日本では2003年頃より始められた比較的新しい検査法です。当院の森 昭裕医師らは2004年より臨床導入し、鼻麻酔法の開発※1や経鼻内視鏡が患者様に楽で安全かを証明した研究※2, ※3, ※4に従事してきております。その実績と経験は国内だけでなく海外でも認められ、2007年 日本消化器内視鏡学会※5学会賞、2010年 世界内視鏡学会で研究賞を受賞しております※6。また東南アジアを中心に技術指導などをおこない、世界的な規模での経鼻内視鏡普及に貢献しております。当院では上部消化管検査の90%以上を経鼻内視鏡でおこなっており、また患者さまに優しい経鼻内視鏡を使った数々の技術を開発する※7, ※8など、その経験や実績は世界的にも有数な経鼻内視鏡先進病院であります。経鼻内視鏡を受けてみたいけど不安がある方、以前受けたけど苦しかった方など、経鼻内視鏡に対して疑問がある方は、是非、信頼と実績がある当院消化器内科にご相談ください。

  1. 森 昭裕大橋憲嗣「経鼻内視鏡用スライド式スティック鼻腔麻酔法の有用性―従来法との前向きランダム化比較試験―」(日消がん検診誌 2015; 53: 204-211.)
  2. Mori A, Fushimi N, Asano T, Maruyama T, Ohashi N, Okumura S, Inoue H, Takekoshi S, Friedman SL, Okuno M. Cardiovascular tolerance in unsedated upper gastrointestinal endoscopy: prospective randomized comparison between transnasal and conventional oral procedures. Dig Endosc 18, 282-287, 2006
  3. Mori A, Ohashi N, Maruyama T, Tatebe H, Sakai K, Shibuya T, Inoue H, Okuno M. Cardiovascular tolerance in upper gastrointestinal endoscopy using an ultrathin scope: a prospective randomized comparison between transnasal and transoral procedures. Dig Endosc 20:79-83,2008
  4. Mori A, Ohashi N, Tatebe T, Maruyama T, Inoue H, Takegoshi S, Kato T, Okuno M. Autonomic nervous function in upper gastrointestinal endoscopy: a prospective randomized comparison between transnasal and oral procedures. J Gastroenterol 43: 38-44, 2008.
  5. 平成19年10月: 平成19年度日本消化器内視鏡学会 学会賞受賞
  6. 平成22年9月: 世界消化器内視鏡学会研究賞(OMED research award) 受賞
  7. Mori A, Ohashi N, Nozaki M, Yoshida A. Feasibility of duodenal balloon-assisted direct cholangioscopy with an ultrathin upper endoscope. Endoscopy, 2012; 44:1037-1044
  8. 湯村崇之、森 昭裕、蜂谷紘基 ほか「非鎮静下経鼻内視鏡による近位空腸観察法の開発」(Gastroenterol Endosc 2015; 57: 1291-1295.)

経鼻内視鏡検査の実施件数推移

一宮西病院では、上部消化管検査の90%以上を経鼻内視鏡でおこなっています。2021年には経鼻内視鏡検査件数が年間1万件を超えました。

早期消化管がん(食道がん・胃がん・大腸がん)の診断と治療

消化管がん(食道がん・胃がん・大腸がん)の特殊光、色素を利用した早期発見

がんの中でも隆起性の病変(盛り上がったかたち、いわゆるポリープ型)の診断は容易ですが、やや凹んだ形のもの(IIc型)や平坦なもの(IIb型)は発見が難しくなります。このようなものは病変表面の微妙な高低差(盛り上がりや凹み)や、わずかな色の違いで発見していくのですが、通常の観察では限界があります。そこで特殊な色素をかけ病変を染めたり、特殊光を利用した観察をおこないます。
◎これらは内視鏡から色素を直接ふりかけるだけですので、すべての内視鏡で可能です。もちろん経鼻内視鏡でも可能です。

色素内視鏡【インジゴカルミン散布】

全消化管で利用します。これを散布することで粘膜の凹凸がはっきりするようになり、病変を発見しやすくなります。

色素内視鏡【ヨード液染色】

主に食道がんの発見に利用します。食道粘膜にヨード液を散布すると通常茶色に変色します。しかし正常な食道粘膜でないもの、つまりがんがあるとそこは茶色に染まりません。これを利用してごく早期の食道がんを診断します。

特殊光(NBI・FICE・レーザー光)内視鏡

がん病変は、その表面の色調は微妙に周囲と違うことが多いので、この違いをより強調して描出すれば早期がんはより発見しやすくなります。現在までにNBI、FICE、レーザー光という特殊光が開発されました。当院で採用の内視鏡はすべて(経鼻内視鏡も含め)で特殊光観察が可能です。

早期消化管がん(食道がん・胃がん・大腸がん)の治療

【 切除範囲、悪性度の診断→拡大内視鏡観察 】

腫瘍ができている範囲を正確に診断しなければ、病変の切り取り残しが起きてしまいます。やむを得ないこともありますが、最小限にしなければなりません。そこで当センターでは切除前に、がん周囲を拡大観察してがん部と非がん部を区別しその範囲を診断します。がん部では細かい粘膜の構造、毛細血管の形が壊れてくるので、拡大観察をするとそれがはっきりします。多くの場合特殊光を併用します。当院採用の拡大内視鏡(EG-L590ZW、EC-Z590ZW)ではそれが可能で内視鏡手術の前にはおこなっています。
また拡大観察はがんの質的診断(がんか否かの診断、がんの悪性度の強さを診断)も可能で、通常の内視鏡検査でもおこないます。
【 実際の切除方法(内視鏡的粘膜下層切除術:ESD) 】

今までの内視鏡切除は大きな病変は一度に切除をすることができず、複数に病変を分割して切除しておりました。これでは本当にすべての病変が残さずきれいに取り切れたかどうかの評価が難しく、再発の危険性がありました。

そこで開発されたのが、内視鏡的粘膜下層切除術:ESDです。これはあらかじめ切除範囲を決め、その周りを正確に切開してから剥離・切除するので取り残しが起こりにくい方法です。
病変が深いもの(胃の内面の粘膜表面から外側の壁へ進行した、進行がん)でなければ、どれだけ広い病変であっても一括切除が可能です。当院では直径13cmの胃がんや、9cmの直腸がんの切除経験があります。

直径13cmの胃がん

直径13cmの胃がん

9cmの直腸がん

9cmの直腸がん

【 内視鏡的粘膜下層切除術(ESD)の事例 】
すべての消化管に共通した方法ですが、ここでは胃がん、食道がんの例を掲載します。
  1. 拡大観察、色素内視鏡などで病変範囲を正確に診断し、その範囲をマークします。
  2. 病変周囲に特殊な薬剤を注射して病変全体を盛り上げます。
  3. 切除範囲の外側を切開します。
  4. 粘膜の下(粘膜下層)を切開剥離し、病変を切除します。
  5. 切除標本を顕微鏡などで観察し、病変がきれいに取れたか、転移の可能性はないかを評価します。

胃がん

食道がん

当院では、比較的高度な技術が必要とされる
“食道がん”“大腸がん”のESDも積極的におこなっています。

すい臓がん早期発見のために

すい臓のはたらき

すい臓はどこにあるかご存知でしょうか? すい臓は胃の裏側にあります。背中の方ですね。すい臓は消化液を分泌し、食べ物の消化に重要な役割を果たしています。
また、もう一つの重要なはたらきは、血糖値を調節するインスリンを分泌することです。インスリンは血液中のブドウ糖が効率よくエネルギーとして使われるようにするはたらきがあります。膵臓はインスリン分泌を調節し、血糖値をほぼ一定に保っています。
このように重要な役割を担っているすい臓ですが、膵臓の病気があると、インスリンの分泌が正常におこなえなくなり、インスリンの分泌が悪くなると血糖値は高くなり糖尿病を引き起こすことがあります。特に慢性膵炎やすい臓がんなどになると生活習慣に問題がないのに、急に糖尿病を発症したり、糖尿病が悪化したりすることがあります。すい臓がんは発見しにくいがんのひとつですので、このような血糖値の異常が見られた場合はすい臓の検査を受けるようにしましょう。

すい臓がんとは?

すい臓がんはその他のがんと同様に年々増加傾向にあり、がんにおける日本国内での死亡人数は第4位です。発生率は胃がんや大腸がんに比べると少ないのですが、発見された時にはすでに進行して他の臓器に転移していることが多いため、5年後に生存している確率は約9%と非常にたちの悪いがんです。これは、すい臓が見えにくい部分にあることや初期のがんでは特徴的な症状がほとんどなかったり、わかりにくかったりして、早期発見が困難であるためです。

なぜ“超音波内視鏡”なのか

みなさんもよくご存知の超音波(エコー)の検査はおなかにあてて内臓を見る検査ですが、「空気があると見えない」「おなかの脂肪が多いと臓器が見えにくい」といった弱点があり、おなかの深いところにあるすい臓は見にくいという欠点があります。
こうした欠点を解決するため内視鏡の先にエコー装置がついた超音波内視鏡(EUS)が開発されました。超音波内視鏡はおもに胃袋や腸の中から超音波で内臓を観察するので、胃の近くにあるすい臓などは体の外からみるエコーとは比べものにならないくらい鮮明に見ることができます。
また従来、すい臓がんの発見はCTMRIでの検査が一般的でしたが、これらでも早期すいがんと言われる2cm以下の腫瘤を発見、診断するのは困難な場合が多く限界がありました。しかし、超音波内視鏡では1cmの腫瘍も発見可能です。

早期発見のために

すい臓癌の早期発見のために

すい臓がんは、早期に発見することが難しくさらに進行も早く、他の臓器のがんに比べ生存率もよくないがんです。しかし、超音波内視鏡の導入によって、より早く、体に負担をかけずに、すい臓がんを発見することが可能になりました。しかし、超音波内視鏡はどこの医療機関ででもできる検査ではありません。超音波内視鏡の医療機器がどこにでもあるものではなく、また、これを扱える医師が少ないのも現状です。
一宮西病院では、消化器内科部長の東 玲治医師をはじめとする消化器チームが一丸となり、この地域のすい臓がんの早期発見を目指し超音波内視鏡を導入し、動きはじめました。尾張西部地域のすい臓がんを少しでも早期発見することで早期治療を開始し、すい臓がんで亡くなる人を減らしたい。それが私たちの願いです。

こんな人は要注意!

  • 糖尿病
    1. 突然糖尿病になった!
    2. 食生活は変えてないのに糖尿病が悪化した!
    3. 何もしていないのに体重が減った!
  • 高アミラーゼ血症、高CA19-9血症、腫瘍マーカー高値
  • 原因不明の急性すい炎、慢性すい炎
  • 喫煙・肉が好き・コーヒーの過剰摂取、すい臓がんの家族歴
  • エコー、CTMRIなどですい臓に水ぶくれ(のう胞)や腫瘤が疑われた

上記に当てはまる方は、一度検査をした方が良いかもしれません。

診断と方法

超音波内視鏡のもう一つの利点は、腫瘍の細胞を直接取ることができることです。いくら早期の小さな腫瘍を見つけても、腫瘍が悪性なのかどうかがわからなくては、その後の治療方針につながりません。当院では超音波内視鏡(コンベックス型)で腫瘍をみながらそこに針を刺し、細胞を採取して診断をすることもできます(EUS-FNA)。これにより、今まではおなかを試験的に切り開いてしか確定診断ができなかった腫瘍でも、手術することなく確定診断ができるようになりました。
すい臓がんだけではなく、悪性リンパ腫、胃粘膜下腫瘍、胆嚢がん、リンパ節転移、ときに肺がんの診断までおこないます。また、がんの診断だけでなく、がんとの鑑別が難しい慢性すい炎の診断、おなかの中の膿瘍の治療、末期がんの頑固な腹痛に対する神経ブロック治療など、様々な治療が可能となりました。

方法

超音波内視鏡(ラジアル型)は、通常の口からの内視鏡とほぼ同じ太さの内視鏡ですが、検査時間がやや長くかかるので(20~30分くらい)、通常鎮静剤(意識をなくして、眠った状態で)おこないます。この場合、車の運転をして帰れないのでご注意ください。細胞診をおこなう場合(EUS-FNA)は一泊の入院でおこないます。
当院の超音波内視鏡(ラジアル型)は、通常の胃カメラと同様に食道や胃をみる内視鏡も一緒にできますので、通常の胃カメラのついでに超音波内視鏡を受けてみてはいかがでしょうか。

ヘリコバクターピロリ菌の診断と治療

ピロリ菌の除菌治療が健康保険適用に

ヘリコバクターピロリ菌の診断と治療

現在、日本では年間約5万人もの方が胃がんで生命を落とされています。胃がんはストレスや生活習慣が原因で発症する病気ではなく、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)という胃の中に住みつく細菌が深くかかわり、これが原因で発症することが様々な研究から分かってきました。ピロリ菌感染の期間が長いと、慢性胃炎を発症し、その結果胃がんを発生するわけです。ピロリ菌感染の無い人から胃がんが発生することはごく稀です。
ピロリ菌や慢性胃炎の検査は血液検査で分かります(実費)。血液検査の結果が陽性の場合は、消化器内科を受診し、その後、内視鏡検査を受けます(健康保険適用)。内視鏡検査では、現時点で胃がんを発症しているか否かを確認し、胃がんを認めなかった場合は、ピロリ菌の除菌治療をおこないます(健康保険適用)。ピロリ菌の除菌治療は、今まで「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」「胃がん手術後」といった疾患でないと健康保険内で治療ができませんでしたが、この平成25年2月21日付で「ピロリ菌が存在する慢性胃炎」といった比較的初期の状態でも除菌治療が健康保険内でできることとなりました。それによって、今まで慢性胃炎だけであった人は除菌治療に何万円もかかっていたものが、約3,000円程度の治療費で済むようになりました。

当院では、メディカルサポートセンターでピロリ菌および慢性胃炎の有無を血液検査で調べることができる「胃がんリスク判定(ABC健診)」をおこなっています(4,000円程度)。どちらかが陽性であれば、早期胃がんの発見のために内視鏡検査を受けなければなりませんが、苦しいというイメージがあるので躊躇される方が多いのが実情です。そこで当院では、鼻から内視鏡を入れる経鼻内視鏡を推奨しています。口から入れる内視鏡検査の場合、内視鏡が喉の奥の舌根に接触するため、吐き気や息苦しさを感じますが、経鼻内視鏡は舌根に触れないので、吐き気を感じることはほとんどありません。鼻からと言うと痛みや鼻血などが心配とおっしゃる方も多いのですが、経鼻内視鏡をおこなう際には適切な鼻麻酔をおこないますのでほとんど痛みを感じず、鼻血もわずかです。鎮静剤を使用すれば経口内視鏡でも苦しさを緩和させられますが、鎮静剤を使用すると薬剤がしばらく体内に残るので当日の車の運転や仕事はできなくなります。その点、経鼻内視鏡の場合、鼻腔に局所麻酔をするだけなので、直後の車の運転も仕事も可能です。また、経口内視鏡より心臓、循環器系の負担が少ないことも証明されており、お年寄りなどにも負担が軽く、安心して受けて頂くことができます。

胃がんを引き起こす原因であるピロリ菌を調べ除菌することで、胃がんを予防しましょう!

1日でできる胃と大腸の内視鏡検査

当院消化器内科では、1日で胃内視鏡検査(胃カメラ)と大腸内視鏡検査の両方ができます。通常の大腸内視鏡検査と同様に、検査前に大量の下剤(約1L以上)を飲み、便がきれいになってから、胃内視鏡検査と大腸内視鏡検査を続けておこないます。忙しくて何日も休めない方は、ぜひご相談ください。

胆膵領域の新しい治療について

当院における超音波内視鏡を用いた治療(Interventional EUS)について

当院では閉塞性黄疸(胆管が腫瘍などで閉塞して黄疸となっている状態)に対し、一般的な内視鏡治療である経乳頭的ドレナージが困難な症例に超音波内視鏡下胆道ドレナージ(EUS-BD)をおこなうことが可能です。
EUS-BDはEUS-FNAの技術を応用して胆汁の流れの悪くなった胆管にステント(金属もしくはプラスチック製の筒)を胃や十二指腸から留置する処置で、十二指腸から穿刺する場合はEUS-CDS、胃から穿刺する場合はEUS-HGSと呼びます。これらの処置は胆管とすい管の出口(主乳頭)を経由しないドレナージであるため、処置の合併症としてすい炎が起きないこと、腫瘍部をステントが貫通しないのでステントの閉塞が起きにくいことなどのメリットがあります。
また、急性すい炎の治療後に発生するすい仮性嚢胞、被包化壊死といった局所合併症を超音波内視鏡下で治療する際に、消化管壁の穿刺から瘻孔の形成までワンストップでおこなえるデバイス(Hot Axios)を用いたダンベル型金属ステントによる治療も可能です。
これらの治療は近年急速に発展している治療法(処置)で、保険適応もありますが一部施設に限られた高度な技術です。

新たな胆道鏡・スパイグラスDS

当院では、2022年5月より新たな胆道鏡である“スパイグラスDS”を常備しております。これは内視鏡にて胆管・すい管の精査や治療をおこなうERCPの際に使用するもので、口から通常の内視鏡を挿入し、鉗子口(内視鏡にある穴)からカメラなどを装着したさらに細い内視鏡(スパイグラスDS)を胆管(すい管)内に挿入することで、内視鏡で病変を診ることができ、内視鏡で直接観察しながら組織を採取することが可能となります。胆管病変の良性・悪性の判定が困難なケースや、手術可能な胆管がんの拡がり予想が困難な際に使用されることがあります。
また、巨大な胆道結石で通常の内視鏡治療では除去できないようなケースにおいて、スパイグラスを利用した電気水圧衝撃波結石破砕術(EHL)を用いて胆道の結石を破壊・除去できるようになりました。
胆管病変の診断困難な方や、他の病院で総胆管結石が大きすぎて取り除くのが困難(難治性胆道結石)だと言われている方で、スパイグラスを使用した精査加療がおこなわれていない場合は、一度当院へ紹介受診を検討いただければ幸いです。
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