第12回 まとめ②~心臓カテーテル治療のメリット
小高 毎週水曜日のこの時間は「健康のつボ!~心臓カテーテルについて~」。一宮西病院 循環器内科 カテーテル室長の寺村真範(てらむらまさのり)先生に、循環器を中心としたカテーテル治療について教えていただいて来ました。
今日が最終回です。塩見さんは心臓、大丈夫ですか?
塩見 わりと大丈夫だと思うんですけど、心電図撮るときなんかドキドキしちゃいますよね。大丈夫かな?とか思っちゃいます、あれは。
小高 心配ですよね。しかもね、つボイさんも私も、心臓疾患で心臓カテーテルの治療を受けたことがあるので、すごい前のめりでお話うかがってたんですけど(笑)。最終回の今日は、あらためて「心臓カテーテルによる治療のメリット」についてお話いただいております。寺村先生です。
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寺村 心臓カテーテルの一番大きなメリットは、局所麻酔でおこなわれ、小さな傷がつく程度で治療できるということです。開胸手術に比べると、圧倒的に体の負担が少ないです。傷が小さいので入院期間もかなり短く、多くの方は2〜3日で退院できます。全身麻酔に伴う麻酔薬の副作用といったリスクもなくなります。
小高 心臓の手術なのに、全身麻酔じゃないんだ!っていうのもちょっとびっくりですけどね。
つボイ 会話しながらやりましたよ、私も。
寺村 そうですよね。痛いのは最初に手首などに管を入れる時だけなので、血管の中や心臓の中を管が行ったり来たりしますが、そこは痛みを感じません。
つボイ 感じなかった。心臓までカテーテルが到達してるのかな?ってくらいになんにもわからなかった!
寺村 わからないですよね。
小高 そうそう、そのカテーテルを入れるところも手首とか足の付け根とか。
つボイ 先生は先ほど手首とおっしゃいましたが、わたしは鼠径部から。
寺村 そうですね。大体手首か肘か、足の付け根(鼠径部)から入れますが、それぞれメリット・デメリットがあります。昔は鼠径部からしか治療できませんでした。鼠径部から入れた場合、管を入れた所を治療後に6~8時間くらいは圧迫しなければいけません。また、すぐ歩くこともできないので、尿の管を入れなければならないなどのデメリットがあります。一方で、手首から入れる場合は治療後すぐに歩くことができますし、内出血も手首からの方が少ないというメリットがあります。
つボイ 手首からの場合は、尿の管を入れなくていいんですか! あれ痛いんですよ、結構。
寺村 治療よりもそちらの方が痛いって方が多いです。
小高 わたしもカテーテル治療の時は鼠径部からで、局所麻酔で意識もずっとあって、ごはんも終わった後すぐ食べることもできたんですが、さっき先生がおっしゃったように、動いちゃいけないから起きちゃダメって言われて、寝たまんまで爪楊枝で刺して食べられるウインナーとかたくあんとか食べてました(笑)。
寺村 しばらく安静にして寝てないといけないので、腰が痛くなったりとかします。
つボイ そうそう、あれが辛かった~!!
小高 そっちの方が辛かった!
つボイ 手首はそういうことがないんですね。
寺村 手首の方は終わった後、すぐ歩けますので、患者さんも楽です。
つボイ わたし何が言いたかったって、心筋梗塞の痛みもそうでしたけども、鼠径部からカテーテルを入れた後、あのまま安静にして寝ているというあの夜中が!! 何回もナースコールでめっちゃ腰が痛いんですって! あれが辛かったですよ! それがないわけですよね、手首は。
寺村 手首からの方がやっぱりメリットが大きいので、手首から治療できる場合は基本的に手首から治療していて、現在9割ぐらいが手首からおこなっています。ただ、手首の血管は鼠径部に比べて細いので、患者さんの血管の状態によってはいろんな管を同時に入れられない場合もありまして、鼠径部からの治療が必要になる方も1割くらいはいらっしゃいます。
小高 どんどん患者さんの痛みとか負担が少ないようにっていう方向で、技術も進歩しているということですよね。そして入れる管だけではなくて、バルーンとかステントとか、そういうものも進化してるってことでしたよね。
寺村 そうですね。ステントも以前はただの金属だったんですが、それだと再狭窄と言って、ステントの中にまた油かすが溜まってきて、血管を狭めてしまうことが多かったんです。今は薬剤溶出ステントという、ステントに免疫抑制剤が塗ってあるものがあります。薬が血管の壁に染み出て、再狭窄しにくくなるステントなので、それを使うようにしています。
小高 最近の家電とかだと、進化し過ぎてもうこれ以上進化させる所ないやろ!って思うことあるんですけど、こういったカテーテル治療に関しては現場の先生からしたらどうなんですか?
寺村 そうですね。以前から比べると今のステントは、いろんなデータから見てもほぼ完成型に近いステントです。もちろん小さいバージョンアップみたいなのはあるんですけどかなり出来がいいので、今のステントを入れたら一生持つ場合も多いですね。
つボイ うらやましいな!
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小高 うらやましがってましたね(笑)。
塩見 生活習慣に気をつけて、心臓病にならないようにするのが一番なんですが、現在はカテーテルによる治療も確立されているので、いざという時は速やかに病院に行けばいいということですね。
小高 そうなんですね。一宮西病院の寺村先生でした。ありがとうございました。
さて、この「健康のつボ!」のコーナーでは、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
塩見 はい、質問お待ちいたしております!
小高 「健康のつボ!~心臓カテーテルについて~」でした。
今日が最終回です。塩見さんは心臓、大丈夫ですか?
塩見 わりと大丈夫だと思うんですけど、心電図撮るときなんかドキドキしちゃいますよね。大丈夫かな?とか思っちゃいます、あれは。
小高 心配ですよね。しかもね、つボイさんも私も、心臓疾患で心臓カテーテルの治療を受けたことがあるので、すごい前のめりでお話うかがってたんですけど(笑)。最終回の今日は、あらためて「心臓カテーテルによる治療のメリット」についてお話いただいております。寺村先生です。
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寺村 心臓カテーテルの一番大きなメリットは、局所麻酔でおこなわれ、小さな傷がつく程度で治療できるということです。開胸手術に比べると、圧倒的に体の負担が少ないです。傷が小さいので入院期間もかなり短く、多くの方は2〜3日で退院できます。全身麻酔に伴う麻酔薬の副作用といったリスクもなくなります。
小高 心臓の手術なのに、全身麻酔じゃないんだ!っていうのもちょっとびっくりですけどね。
つボイ 会話しながらやりましたよ、私も。
寺村 そうですよね。痛いのは最初に手首などに管を入れる時だけなので、血管の中や心臓の中を管が行ったり来たりしますが、そこは痛みを感じません。
つボイ 感じなかった。心臓までカテーテルが到達してるのかな?ってくらいになんにもわからなかった!
寺村 わからないですよね。
小高 そうそう、そのカテーテルを入れるところも手首とか足の付け根とか。
つボイ 先生は先ほど手首とおっしゃいましたが、わたしは鼠径部から。
寺村 そうですね。大体手首か肘か、足の付け根(鼠径部)から入れますが、それぞれメリット・デメリットがあります。昔は鼠径部からしか治療できませんでした。鼠径部から入れた場合、管を入れた所を治療後に6~8時間くらいは圧迫しなければいけません。また、すぐ歩くこともできないので、尿の管を入れなければならないなどのデメリットがあります。一方で、手首から入れる場合は治療後すぐに歩くことができますし、内出血も手首からの方が少ないというメリットがあります。
つボイ 手首からの場合は、尿の管を入れなくていいんですか! あれ痛いんですよ、結構。
寺村 治療よりもそちらの方が痛いって方が多いです。
小高 わたしもカテーテル治療の時は鼠径部からで、局所麻酔で意識もずっとあって、ごはんも終わった後すぐ食べることもできたんですが、さっき先生がおっしゃったように、動いちゃいけないから起きちゃダメって言われて、寝たまんまで爪楊枝で刺して食べられるウインナーとかたくあんとか食べてました(笑)。
寺村 しばらく安静にして寝てないといけないので、腰が痛くなったりとかします。
つボイ そうそう、あれが辛かった~!!
小高 そっちの方が辛かった!
つボイ 手首はそういうことがないんですね。
寺村 手首の方は終わった後、すぐ歩けますので、患者さんも楽です。
つボイ わたし何が言いたかったって、心筋梗塞の痛みもそうでしたけども、鼠径部からカテーテルを入れた後、あのまま安静にして寝ているというあの夜中が!! 何回もナースコールでめっちゃ腰が痛いんですって! あれが辛かったですよ! それがないわけですよね、手首は。
寺村 手首からの方がやっぱりメリットが大きいので、手首から治療できる場合は基本的に手首から治療していて、現在9割ぐらいが手首からおこなっています。ただ、手首の血管は鼠径部に比べて細いので、患者さんの血管の状態によってはいろんな管を同時に入れられない場合もありまして、鼠径部からの治療が必要になる方も1割くらいはいらっしゃいます。
小高 どんどん患者さんの痛みとか負担が少ないようにっていう方向で、技術も進歩しているということですよね。そして入れる管だけではなくて、バルーンとかステントとか、そういうものも進化してるってことでしたよね。
寺村 そうですね。ステントも以前はただの金属だったんですが、それだと再狭窄と言って、ステントの中にまた油かすが溜まってきて、血管を狭めてしまうことが多かったんです。今は薬剤溶出ステントという、ステントに免疫抑制剤が塗ってあるものがあります。薬が血管の壁に染み出て、再狭窄しにくくなるステントなので、それを使うようにしています。
小高 最近の家電とかだと、進化し過ぎてもうこれ以上進化させる所ないやろ!って思うことあるんですけど、こういったカテーテル治療に関しては現場の先生からしたらどうなんですか?
寺村 そうですね。以前から比べると今のステントは、いろんなデータから見てもほぼ完成型に近いステントです。もちろん小さいバージョンアップみたいなのはあるんですけどかなり出来がいいので、今のステントを入れたら一生持つ場合も多いですね。
つボイ うらやましいな!
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小高 うらやましがってましたね(笑)。
塩見 生活習慣に気をつけて、心臓病にならないようにするのが一番なんですが、現在はカテーテルによる治療も確立されているので、いざという時は速やかに病院に行けばいいということですね。
小高 そうなんですね。一宮西病院の寺村先生でした。ありがとうございました。
さて、この「健康のつボ!」のコーナーでは、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
塩見 はい、質問お待ちいたしております!
小高 「健康のつボ!~心臓カテーテルについて~」でした。