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第4回 狭心症と心筋梗塞について①~その違いは?


(小高)
水曜日のこのコーナーは『健康のつボ!~心臓病について~』。日本人の死因第2位の心臓病について専門の先生にお話を伺っていきます。ゲストは一宮西病院・循環器内科カテーテル室長の寺村真範(てらむらまさのり)先生です。よろしくお願いします。

(寺村)
よろしくお願いします。

(つボイ)
よろしくお願いします。

(小高)
このコーナーも何回もやっておりまして、私たちも随分と心臓病について詳しくなってまいりました。心臓病と一口に言っても色んなタイプの病気に分かれますね。まずは『血管が詰まる系』。これが「狭心症」や、つボイさんがかかった「心筋梗塞」です。そして動脈に瘤ができるのが「動脈瘤」、心臓の弁の部分に異常があるのが「弁膜症」ということでした。

(つボイ)
うん!覚えた!あんた(小高さん)がかかったのは何だった?

(小高)
私は不整脈です。心臓の電気回路に不具合が出てくる病気でしたね。今日は心臓病の中でも『血管が詰まる系』の「狭心症」と「心筋梗塞」について詳しく伺います。先生、どっちも詰まる病気ですがどう違うんですか?

(寺村)
まず心臓の表面を冠動脈という血管が走っているのですが、その冠動脈の中にコレステロールの塊とか油カスが溜まって、血液の通り道が狭くなるのが「狭心症」という病気で、狭いだけじゃなくて完全に詰まってしまうような状態が「心筋梗塞」と言われています。

(小高)
なるほど。水道管にゴミが詰まってゴボゴボいっているような状態が「狭心症」ですね。

(寺村)
はい。ある程度は隙間があって少しは流れている状態が狭心症。それが完全に詰まってしまうのが心筋梗塞です。

(小高)
そうすると、狭心症は心筋梗塞の前段階と捉えて良いんですか?

(寺村)
そういう風に捉えることもできます。ただ、似ているようで違うと言いますか、狭心症の場合は狭くなっていてもある程度は血液は流れているので、症状が一時的と言いますか、典型的な症状は歩いたり階段を登ったり走ったり、体を動かしたりした時に胸がキュっと締め付けられるように苦しくなります。ただ、狭心症の場合は休んでいると症状がある程度治まってきて持続時間はそこまで長くありません。5分とか10分とかが多く、30分もないことがほとんどです。

(小高)
でも15分くらいで治まっちゃうなら、日常生活の中では「気のせいかな・・・」と思ってそのまま放ったらかしにしちゃいそうですね。

(寺村)
それは良くないですね。詰まりが狭いままで留まっていれば一時的な症状だけで済む場合もあるんですけれど、それがどんどん狭くなって完全に詰まってしまうと「心筋梗塞」と言われる状態になってしまいます。心筋梗塞になると狭心症と違って胸の痛みが治らず、しかも痛みの程度もひどいです。

(小高)
狭心症の段階、例えば「今はまだそんなに胸の痛みも無いんだけど・・・」という時に病院に行っても、病気かどうか分かるもんなんですか?

(寺村)
心電図だけではわからないことも多々あります。

(つボイ)
そうすると、発作が起きている時は分かるんですか?

(寺村)
そうですね。発作が起こっている時に心電図をとると、狭心症でも変化が出ているので分かります。

(つボイ)
でも「今は症状は治まっているけど念のために病院行っておこう」と思って検査しても分からないんですね。

(小高)
だって15分で治まっちゃったら、病院に向かっている間に収まっちゃう。

(寺村)
もちろんそのために色々な検査の方法があります。例えば『運動負荷心電図』といって、ベルトコンベアを走ってもらったり自転車漕いでもらったりして、わざと狭心症の発作を誘発すると言いますか、症状をあえて起こすような検査をして心電図変化が出ないかどうか見たりとか、他にもCTの検査をすれば血管が狭くなっているかどうかもわかります。

(つボイ)
あ~なるほど。

(小高)
じゃあやっぱり疑わしいときとは病院に行って検査を受けたほうが良いんですね。一方で、心筋梗塞はそんな状態じゃないですよね。

(寺村)
そうですね。痛みが我慢できずに救急でやってこられますし、心電図をとれば明らかに変化が出ています。その瞬間すぐ診断して、カテーテルの治療を行います。

(つボイ)
ただ『胸が痛い』というのは、心臓病だけではないですよね。

(寺村)
他にも胸が痛くなる病気は色々ありますけれど、その中でもやっぱり心臓病が一番命に関わることが多いので、まずは心臓病じゃないかどうか、狭心症か心筋梗塞ではないかどうかを疑って調べることが大事になります。

(つボイ)
失恋したら胸が痛くなります・・・。あれ心臓病と違う?

(小高)
その痛みはまた違う!

(寺村)
それは“恋の病”ですね。

(小高)
ちょっと違いますね。でも、ちょっとでも「あら?」っと思ったときには、症状が治まったとしても検査を受けてみると良いんじゃないでしょうか?

(つボイ)
はい!分かりました!

(小高)
ありがとうございました。一宮西病院の寺村真範先生でした。新生活フロッピー、「健康のつボ~心臓病について~」でした。


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