第6回 僧帽弁閉鎖不全症
(清水)水曜日のこの時間は『健康のつボ~心臓病について~』。適切な治療を行わなければ死にも直結する心臓病について、専門の先生にお話をうかがいます。一宮西病院 ハートセンターセンター長 心臓血管外科部長 弁膜症センター長の澤﨑優(さわざき まさる)先生です。
(清水)先週から心臓弁膜症について教えてもらってますよね。
(つボイ)はい、先週は大動脈への血液の流れが悪くなる『大動脈弁狭窄症』についてのお話でしたよね。
(清水)今日は『僧帽弁不全症』のお話だということです。つボイさん、「僧帽弁」どこにある弁かわかりますか?
(つボイ)はい、僧帽弁は、左心房と左心室の間にある弁のことなんですね。
(清水)その僧帽弁の不全症とは、どんな病気なのでしょうか。澤﨑先生にうかがっています。
~~~~~~~~
(澤﨑)僧帽弁と言うのは、「そう」はお坊さんの「僧」、「ぼう」は帽子の「帽」、「べん」はバルブの「弁」、なんでこんな名前が付いてるのか奇妙ですよね。ヨーロッパのお坊さんが被っている帽子の形によく似ているからこういう名前があるんです。わざわざこんな名前付けたくないんですけど「僧帽弁」と言うんです。
(つボイ)へぇ~。なんかこの解剖学の名付け親って、僧帽筋ってのもあるし、好きですね僧帽っていうのが。
(澤﨑)はは、そうですね。場所はね、心臓の中の一番大事なポンプである左心室の入り口の弁。肺から酸素をもらった赤い血が左心房に入って、左心房から左心室に入る。この間にある弁です。心臓が収縮すると、先週お話した大動脈弁を通って大動脈へ血が出ていくんですけれども。
その僧帽弁というのは、パラシュートがいくつかあるようなイメージなんですね。左心室が収縮して中の圧が高まると、パラシュートがポンと開いて、血液の逆流を防ぐという構造なんですね。パラシュートっていうのは紐が何本もあるでしょ?あの紐がね、切れちゃうことがあるんです。これは若い人では30代から、60代、70代まであります。
(つボイ)はい。
(澤﨑)昔、30~40年前はほとんどがリウマチでしたけど、今では変性、性質が変わることによる『僧帽弁閉鎖不全症』が多いです。聴診器をあてると雑音がするんですけど。逆流の量がね、心臓が体に10送り出すのに半分が漏れちゃうと5しか送り出せないでしょ。そうすると、それを補うために心臓は20送り出して(収縮して)、10大動脈のほうに出して、10漏れると。そこまでくると症状が出ます。やはり息苦しいです。
(つボイ)閉まりが悪いということですかね?
(澤﨑)紐が切れちゃってるからね。向かい合った弁が合わなくて、片方がひっくり返っちゃう。
(つボイ)はい。そうすると効率めっちゃ悪いですよね。
(澤﨑)効率悪いから、心臓が大きくなって機能の代償をするんです。
(つボイ)なるほど。
(澤﨑)最初は心不全になると、肺に水が溜まって非常に苦しいんですけども、代償が効いてくると症状は一旦治まります。が、だんだん進行します。ついには心房細動という不整脈を合併してさらに重くなっていく。
(つボイ)一旦よくなったかな~と思うけど、安心してはいけないわけですね。
(澤﨑)そうなんだけど、最初のえらいときに大抵救急車で病院来ちゃいますね。
(つボイ)そっかそっか、じゃあ見逃しはない?
(澤﨑)あんまりないですね。
(小高)その救急車に乗らなきゃいけなくなるまでの、ちょっとした信号ってのはないんですか?
(澤﨑)う~ん、紐がたくさんあってね、大体手術していると4、5本切れてるんですね。1本切れるとその隣が切れるんです。やっぱり負荷がかかって。そして最後の1本が切れたときにそこにある膜がボーンと反転すると一気に症状が悪化して、その日のうちに苦しくなる。
(つボイ)1本2本ではあんまり気づかないということですか?
(澤﨑)いくらでもいます。世の中にそういう方が。健康に暮らしていらっしゃるし、手術する必要もない。
(小高)じゃあ、症状としては急激ということに…
(澤﨑)急激ですね。
(つボイ)先生、その紐は結べんもんなんですか?(笑)
(澤﨑)いや~、それはいアイデアで…
~~~~~~~~
(清水)お!先生、つボイさんの思い付きの質問に反応してくださいましたね!(笑)
(つボイ)いいアイデアと言っていただきましたよ!
(清水)来週はこの続き、「紐を結ぶ」という治療法を中心に、僧帽弁閉鎖不全症の治療法ついてうかがっていきます。
(清水)そしてこのコーナーでは、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)はい、質問お待ちいたしております!
(清水)『健康のつボ~心臓病について~』でした。
(清水)先週から心臓弁膜症について教えてもらってますよね。
(つボイ)はい、先週は大動脈への血液の流れが悪くなる『大動脈弁狭窄症』についてのお話でしたよね。
(清水)今日は『僧帽弁不全症』のお話だということです。つボイさん、「僧帽弁」どこにある弁かわかりますか?
(つボイ)はい、僧帽弁は、左心房と左心室の間にある弁のことなんですね。
(清水)その僧帽弁の不全症とは、どんな病気なのでしょうか。澤﨑先生にうかがっています。
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(澤﨑)僧帽弁と言うのは、「そう」はお坊さんの「僧」、「ぼう」は帽子の「帽」、「べん」はバルブの「弁」、なんでこんな名前が付いてるのか奇妙ですよね。ヨーロッパのお坊さんが被っている帽子の形によく似ているからこういう名前があるんです。わざわざこんな名前付けたくないんですけど「僧帽弁」と言うんです。
(つボイ)へぇ~。なんかこの解剖学の名付け親って、僧帽筋ってのもあるし、好きですね僧帽っていうのが。
(澤﨑)はは、そうですね。場所はね、心臓の中の一番大事なポンプである左心室の入り口の弁。肺から酸素をもらった赤い血が左心房に入って、左心房から左心室に入る。この間にある弁です。心臓が収縮すると、先週お話した大動脈弁を通って大動脈へ血が出ていくんですけれども。
その僧帽弁というのは、パラシュートがいくつかあるようなイメージなんですね。左心室が収縮して中の圧が高まると、パラシュートがポンと開いて、血液の逆流を防ぐという構造なんですね。パラシュートっていうのは紐が何本もあるでしょ?あの紐がね、切れちゃうことがあるんです。これは若い人では30代から、60代、70代まであります。
(つボイ)はい。
(澤﨑)昔、30~40年前はほとんどがリウマチでしたけど、今では変性、性質が変わることによる『僧帽弁閉鎖不全症』が多いです。聴診器をあてると雑音がするんですけど。逆流の量がね、心臓が体に10送り出すのに半分が漏れちゃうと5しか送り出せないでしょ。そうすると、それを補うために心臓は20送り出して(収縮して)、10大動脈のほうに出して、10漏れると。そこまでくると症状が出ます。やはり息苦しいです。
(つボイ)閉まりが悪いということですかね?
(澤﨑)紐が切れちゃってるからね。向かい合った弁が合わなくて、片方がひっくり返っちゃう。
(つボイ)はい。そうすると効率めっちゃ悪いですよね。
(澤﨑)効率悪いから、心臓が大きくなって機能の代償をするんです。
(つボイ)なるほど。
(澤﨑)最初は心不全になると、肺に水が溜まって非常に苦しいんですけども、代償が効いてくると症状は一旦治まります。が、だんだん進行します。ついには心房細動という不整脈を合併してさらに重くなっていく。
(つボイ)一旦よくなったかな~と思うけど、安心してはいけないわけですね。
(澤﨑)そうなんだけど、最初のえらいときに大抵救急車で病院来ちゃいますね。
(つボイ)そっかそっか、じゃあ見逃しはない?
(澤﨑)あんまりないですね。
(小高)その救急車に乗らなきゃいけなくなるまでの、ちょっとした信号ってのはないんですか?
(澤﨑)う~ん、紐がたくさんあってね、大体手術していると4、5本切れてるんですね。1本切れるとその隣が切れるんです。やっぱり負荷がかかって。そして最後の1本が切れたときにそこにある膜がボーンと反転すると一気に症状が悪化して、その日のうちに苦しくなる。
(つボイ)1本2本ではあんまり気づかないということですか?
(澤﨑)いくらでもいます。世の中にそういう方が。健康に暮らしていらっしゃるし、手術する必要もない。
(小高)じゃあ、症状としては急激ということに…
(澤﨑)急激ですね。
(つボイ)先生、その紐は結べんもんなんですか?(笑)
(澤﨑)いや~、それはいアイデアで…
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(清水)お!先生、つボイさんの思い付きの質問に反応してくださいましたね!(笑)
(つボイ)いいアイデアと言っていただきましたよ!
(清水)来週はこの続き、「紐を結ぶ」という治療法を中心に、僧帽弁閉鎖不全症の治療法ついてうかがっていきます。
(清水)そしてこのコーナーでは、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)はい、質問お待ちいたしております!
(清水)『健康のつボ~心臓病について~』でした。