第4回 大動脈疾患
(小高)水曜日のこの時間は『健康のつボ~心臓病について~』。適切な治療を行わなければ死にも直結する心臓病について、専門の先生にお話をうかがいます。一宮西病院 ハートセンターセンター長 心臓血管外科部長 弁膜症センター長の澤﨑優(さわざき まさる)先生です。
(小高)先週は心臓を冠のように覆う冠動脈、この冠動脈からくる病気についてうかがいました。
(つボイ)心筋梗塞とか狭心症、わたしも患ってるのは冠動脈だったんですね~。
(小高)今日は心臓のもう一つの血管、大動脈疾患のお話です。澤﨑先生です。
~~~~~~~~
(澤﨑)大動脈は心臓の出口についている血管を大動脈と言います。大動脈の疾患は大きく分けて二つあるんですね。一つはこれも痛いんですけど、大動脈の壁が裂ける。例えば胸の辺りから首を回って背中から腰の方まで裂けちゃう、『大動脈解離』っていうんですけど。
(小高)大動脈解離…
(澤﨑)これの怖いところは、大動脈からいろんな臓器に枝が出るでしょ。まず最初の枝が心臓の冠動脈、そこの根元が裂けると心筋梗塞を起こす。大動脈解離で心筋梗塞を起こすから助からない。
(つボイ)なるほど~。
(澤﨑)次に大事なのは脳に行く血管、それが裂けると脳梗塞になるんです。手術で大動脈が治ったとしても、半身不随とか意識が戻らない。
血管をバームクーヘンだと想像して、壁の間に裂け目ができる感じ。
(つボイ)幾重にも層になってる間に入り込んじゃうってことですか。
(澤﨑)そうそう、そこに血が流れて、本当に血が流れるべき血管を押しちゃうんですね。そうすると心臓の冠動脈も押されちゃうと血が流れないでしょ。頭の血管も偽腔っていうんですけど。偽腔の血圧に押されちゃうと血が流れない。
(つボイ)もう脳が機能しなくなっちゃう。
(澤﨑)途端にダメですね。それだけじゃないです。腎臓は2個あるから片方ダメでも助かりますよね。腸の血管がそうなると、腸腐っちゃいます。死にます。
(小高)あらま~。
(澤﨑)その通りです。最後は足ね。足も下手すりゃ命取りになる。
(つボイ)先生、それは裂けた!となってからどのくらいで治療できるもんなんですか。
(澤﨑)それは早ければ早いほうがいい。そういったデータを出してる偉い先生もいます。
なかなか病院だけで完結するものではなくて、行政、救急、病院の初動体制、手術までもっていける体制をちゃんと作っておかないと、時間に間に合わないことになります。
(つボイ)あぁ、はぁ~。裂けた場所ってすぐわかるんですかね?ここだって。
(澤﨑)CTを撮って大体。
(つボイ)撮ったらわかりますか。裂けたらどうやって…
(澤﨑)治療法はちょっと専門的なんですけど、人工血管に取り換えるんですが。
最近ではステントグラフトって言ってね、カテーテルで人工血管を血管の中に入れて、裂けたところの裂け目をふさいじゃう。それができます。全部ができるわけじゃないけど。場所によってね。そうすると比較的早期に、軽い侵襲で治療ができます。
(小高)あの、大動脈の病気でいくと、さっきの『大動脈解離』ですよね。『大動脈瘤』っていうのもよく聞きますけど…。
(澤﨑)これはね、乖離と全く違います。血管の壁が動脈硬化によって弱くなってきて、高血圧も人が多いんですけど、血管の内圧によって血管がこぶのように膨れちゃうんです。そして、お腹の大動脈だと5㎝を超えると破裂する。胸だと6㎝超えると破裂する。だからそれに近づいたら、人工血管に変えるなり、ステント治療をするなりしたほうがいいんですけども、なかなか気が付かない。
(つボイ)これは人間ドックとかなんかの時にCTとか撮れば…
(澤﨑)CT取れば絶対わかります。
(つボイ)こぶが出来てるっていうのをそこでみつけてもらえば!
(澤﨑)胸部写真でわかることもあるし、お腹の場合は痩せてる人だと手をあてればわかります。あと超音波エコーでも。
(小高)やっぱり、初期の時では痛みとかないんですか。
(澤﨑)これが症状ないんです。症状出たら破裂ですから、その日のうちに命を落とします。
(小高)聞いてたら凄まじい病気なんで、早めに発見して治療したいですよね。
(つボイ)命に直結する病気ですよね、これは。
~~~~~~~~
(つボイ)はい、今もお話し聞いた通りですが、心臓の病気はなかなか症状が出ないというところが怖いんです。
(小高)症状が出た時にはもう「死」が直結しているということもあるので、普段の健康診断が重要になってきますね。
(つボイ)ですね~。
(小高)さ、来週からは澤﨑先生の専門の心臓弁膜症についてうかがいます。
(小高)そしてこのコーナーでは、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)はい、質問お待ちいたしております!
(小高)『健康のつボ~心臓病について~』でした。
(小高)先週は心臓を冠のように覆う冠動脈、この冠動脈からくる病気についてうかがいました。
(つボイ)心筋梗塞とか狭心症、わたしも患ってるのは冠動脈だったんですね~。
(小高)今日は心臓のもう一つの血管、大動脈疾患のお話です。澤﨑先生です。
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(澤﨑)大動脈は心臓の出口についている血管を大動脈と言います。大動脈の疾患は大きく分けて二つあるんですね。一つはこれも痛いんですけど、大動脈の壁が裂ける。例えば胸の辺りから首を回って背中から腰の方まで裂けちゃう、『大動脈解離』っていうんですけど。
(小高)大動脈解離…
(澤﨑)これの怖いところは、大動脈からいろんな臓器に枝が出るでしょ。まず最初の枝が心臓の冠動脈、そこの根元が裂けると心筋梗塞を起こす。大動脈解離で心筋梗塞を起こすから助からない。
(つボイ)なるほど~。
(澤﨑)次に大事なのは脳に行く血管、それが裂けると脳梗塞になるんです。手術で大動脈が治ったとしても、半身不随とか意識が戻らない。
血管をバームクーヘンだと想像して、壁の間に裂け目ができる感じ。
(つボイ)幾重にも層になってる間に入り込んじゃうってことですか。
(澤﨑)そうそう、そこに血が流れて、本当に血が流れるべき血管を押しちゃうんですね。そうすると心臓の冠動脈も押されちゃうと血が流れないでしょ。頭の血管も偽腔っていうんですけど。偽腔の血圧に押されちゃうと血が流れない。
(つボイ)もう脳が機能しなくなっちゃう。
(澤﨑)途端にダメですね。それだけじゃないです。腎臓は2個あるから片方ダメでも助かりますよね。腸の血管がそうなると、腸腐っちゃいます。死にます。
(小高)あらま~。
(澤﨑)その通りです。最後は足ね。足も下手すりゃ命取りになる。
(つボイ)先生、それは裂けた!となってからどのくらいで治療できるもんなんですか。
(澤﨑)それは早ければ早いほうがいい。そういったデータを出してる偉い先生もいます。
なかなか病院だけで完結するものではなくて、行政、救急、病院の初動体制、手術までもっていける体制をちゃんと作っておかないと、時間に間に合わないことになります。
(つボイ)あぁ、はぁ~。裂けた場所ってすぐわかるんですかね?ここだって。
(澤﨑)CTを撮って大体。
(つボイ)撮ったらわかりますか。裂けたらどうやって…
(澤﨑)治療法はちょっと専門的なんですけど、人工血管に取り換えるんですが。
最近ではステントグラフトって言ってね、カテーテルで人工血管を血管の中に入れて、裂けたところの裂け目をふさいじゃう。それができます。全部ができるわけじゃないけど。場所によってね。そうすると比較的早期に、軽い侵襲で治療ができます。
(小高)あの、大動脈の病気でいくと、さっきの『大動脈解離』ですよね。『大動脈瘤』っていうのもよく聞きますけど…。
(澤﨑)これはね、乖離と全く違います。血管の壁が動脈硬化によって弱くなってきて、高血圧も人が多いんですけど、血管の内圧によって血管がこぶのように膨れちゃうんです。そして、お腹の大動脈だと5㎝を超えると破裂する。胸だと6㎝超えると破裂する。だからそれに近づいたら、人工血管に変えるなり、ステント治療をするなりしたほうがいいんですけども、なかなか気が付かない。
(つボイ)これは人間ドックとかなんかの時にCTとか撮れば…
(澤﨑)CT取れば絶対わかります。
(つボイ)こぶが出来てるっていうのをそこでみつけてもらえば!
(澤﨑)胸部写真でわかることもあるし、お腹の場合は痩せてる人だと手をあてればわかります。あと超音波エコーでも。
(小高)やっぱり、初期の時では痛みとかないんですか。
(澤﨑)これが症状ないんです。症状出たら破裂ですから、その日のうちに命を落とします。
(小高)聞いてたら凄まじい病気なんで、早めに発見して治療したいですよね。
(つボイ)命に直結する病気ですよね、これは。
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(つボイ)はい、今もお話し聞いた通りですが、心臓の病気はなかなか症状が出ないというところが怖いんです。
(小高)症状が出た時にはもう「死」が直結しているということもあるので、普段の健康診断が重要になってきますね。
(つボイ)ですね~。
(小高)さ、来週からは澤﨑先生の専門の心臓弁膜症についてうかがいます。
(小高)そしてこのコーナーでは、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)はい、質問お待ちいたしております!
(小高)『健康のつボ~心臓病について~』でした。