第12回 心房性 機能性 僧帽弁閉鎖不全症
(南部)水曜日のこの時間は『健康のつボ~心臓病について~』。適切な治療を行わなければ死にも直結する心臓病について、専門の先生にお話をうかがっています。一宮西病院 ハートセンターセンター長 心臓血管外科部長 弁膜症センター長の澤﨑優(さわざき まさる)先生です。
(南部)心臓はとても大切な臓器ですけれども、よほど症状が出てこないと心臓の病気があるかどうか、なかなか自分ではわからないですよね。
(つボイ)ですから、このコーナーでは『心臓弁膜症』を中心にいろいろな『心臓の病気』について教えていただいてきました。弁膜症でも、4つある弁のどこの病気なのか、狭窄症なのか閉鎖不全症なのかといった弁のどういう状態の病気なのか、他にも心臓の場所や、病気の種類で治療法は変わってきます。なかなか症状も出にくいということなので、心臓の基本的な病気の種類や情報を知っておくことは大事だと思います。
(南部)はい。そんな心臓の病気、今日はどんな病気でしょうか?しっかり聞きたいと思います。つぼイさんと小高さんが澤﨑先生にお聞きしています。
~~~~~~~~
(澤﨑)最近わかった病気なんですけれどもね、以前からあったんですけど『心房性 機能性 僧帽弁閉鎖不全症』という病気です。
(小高)長い名前ですね!
(澤﨑)なんかもう嫌になっちゃいますよね(笑)
(小高)まずは空で言うことから始めましょうみたいな(笑)
(澤﨑)最後に『僧帽弁閉鎖不全症』とありますから、「僧帽弁」が逆流してるということはわかりますね。
(小高)うまく閉じないってことですよね?
(澤﨑)そうです。『機能性』ということは弁そのものは壊れていない。要するに器質性ではない。
(つボイ)なるほど。動きやらなんやらも含めて・・・
(澤﨑)そう、「形態」が「異常」。
(小高)「弁」自体が悪いんじゃなくて、「その周りのどこか」が悪いので、「弁」が閉じにくくなっちゃう。
(澤﨑)その通り。機能性の前に『心房性』とあります。「心房」ってわかります?「左心房」と「右心房」。主に「左心房」が異常に拡大するんです。容積にして8倍くらい。
(つボイ)結構大きくなりますね!
(澤﨑)めちゃくちゃ大きくなってしまうんです。程度は色々ありますけどね。酷い人だと8倍くらい大きくなってしまいます。「弁」には何が起きるかというと、大きな左心房の内圧が一緒であると、壁の張力は大きな力が変わるんですね。
(つボイ)(小高)はい。
(澤﨑)そうすると「僧帽弁」は周りに引っ張られる。「僧帽弁」の周りというのは「僧帽弁輪」というんですけれども。それが広がってしまってうまく合わない。
(つボイ)閉じない?
(澤﨑)そうです。それで逆流が出るんです。
(小高)はぁ~!そういう状態のことなんですね。
(澤﨑)そして、大抵『心房細動』という「不整脈」を合併しています。どうして診断がつきにくかったのか、あるいはこういう病院がなかったのかというと、これは弁そのものが悪いわけじゃないので、「弁輪縫縮(べんりんほうしゅく)」という治療だけしかされていなかったんですね。
(小高)はい。
(澤﨑)そして弁の逆流はそんなにひどくないので、「弁輪縫縮(べんりんほうしゅく)」をやっても、漏れは止まりますけど、症状は楽になったわけじゃないんです。わかりますか?どこが違っているか。本当はどこを治さなきゃいけないのか?
(つボイ)大きくなりすぎてるところ。
(澤﨑)つボイさんピンポンですね(笑)大きくなりすぎた「左心房」と「右心房」を8分の1の大きさに縮めてやるんです。そして「僧帽弁輪」も正常な大きさに戻してやります。そうすると逆流も止まるし、「心房」によって圧迫されていた「心室」も動きが楽になるわけです。
(つボイ)そりゃあええわ~!心臓の色んな場所に無理させとったんだもん。
(小高)でも、大きなってしまった「心房」を元の大きさに戻すには、どうやって戻すんでしょうか?
(澤﨑)簡単に言えば「お裁縫」ですね(笑)切って縫ってしまうわけです。切ってはいけないところは切らずに、切ってもいいところだけ切ってちゃんと治せるんです(笑)
(つボイ)(小高)ほぉ~!
(澤﨑)この手術をした方の8割は心房細動が消失します。逆流も勿論なくなりますし、皆さんものすごく元気になられます(笑)胸の中には、「心臓」と何があります?
(つボイ)肺!
(澤﨑)そう!冴えてますね(笑)「左心房」と「右心房」が大きいと、胸腔(きょううくう)っていう胸の中の容積の3分の1を占めちゃうんです。肺が圧迫されて息が十分に吸えないんです。
(つボイ)息が吸えない!
(澤﨑)ですので肺の機能も30%ほど改善します(笑)
(小高)これは楽になりますね!息苦しいかな~?って思って、肺の病気を疑うことはあっても、心臓が大きくなっちゃってて、肺を圧迫してるなんて・・・心臓の病気を疑うのはしない気がしますね。
(澤﨑)そうですよね。
(つボイ)先生!毎回同じ質問して申し訳ないんですが、こっれってレントゲンには・・・
(澤﨑)見えます!(笑)
~~~~~~~~~~~~~~
(つボイ)いや、よかったわ~!レントゲンで見えるかどうか、先生は見えます!って仰ってくださって(笑)
(南部)そうですね。
(つボイ)私、毎回「レントゲンで見えますか??」って、くどくどお聞きしてきましたけど、やっとレントゲンで見える病気がありました(笑)よかったわ~(笑)
(南部)「心房」が肥大化してるから、レントゲンで見えるってことなんですよね。
(つボイ)そうそうそう。
(南部)さて、来週も澤崎先生にお聞きします。『健康のつボ』では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。皆さんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)質問お待ちしておりま~す♪
(南部)『健康のつボ~心臓病について~』でした。
(南部)心臓はとても大切な臓器ですけれども、よほど症状が出てこないと心臓の病気があるかどうか、なかなか自分ではわからないですよね。
(つボイ)ですから、このコーナーでは『心臓弁膜症』を中心にいろいろな『心臓の病気』について教えていただいてきました。弁膜症でも、4つある弁のどこの病気なのか、狭窄症なのか閉鎖不全症なのかといった弁のどういう状態の病気なのか、他にも心臓の場所や、病気の種類で治療法は変わってきます。なかなか症状も出にくいということなので、心臓の基本的な病気の種類や情報を知っておくことは大事だと思います。
(南部)はい。そんな心臓の病気、今日はどんな病気でしょうか?しっかり聞きたいと思います。つぼイさんと小高さんが澤﨑先生にお聞きしています。
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(澤﨑)最近わかった病気なんですけれどもね、以前からあったんですけど『心房性 機能性 僧帽弁閉鎖不全症』という病気です。
(小高)長い名前ですね!
(澤﨑)なんかもう嫌になっちゃいますよね(笑)
(小高)まずは空で言うことから始めましょうみたいな(笑)
(澤﨑)最後に『僧帽弁閉鎖不全症』とありますから、「僧帽弁」が逆流してるということはわかりますね。
(小高)うまく閉じないってことですよね?
(澤﨑)そうです。『機能性』ということは弁そのものは壊れていない。要するに器質性ではない。
(つボイ)なるほど。動きやらなんやらも含めて・・・
(澤﨑)そう、「形態」が「異常」。
(小高)「弁」自体が悪いんじゃなくて、「その周りのどこか」が悪いので、「弁」が閉じにくくなっちゃう。
(澤﨑)その通り。機能性の前に『心房性』とあります。「心房」ってわかります?「左心房」と「右心房」。主に「左心房」が異常に拡大するんです。容積にして8倍くらい。
(つボイ)結構大きくなりますね!
(澤﨑)めちゃくちゃ大きくなってしまうんです。程度は色々ありますけどね。酷い人だと8倍くらい大きくなってしまいます。「弁」には何が起きるかというと、大きな左心房の内圧が一緒であると、壁の張力は大きな力が変わるんですね。
(つボイ)(小高)はい。
(澤﨑)そうすると「僧帽弁」は周りに引っ張られる。「僧帽弁」の周りというのは「僧帽弁輪」というんですけれども。それが広がってしまってうまく合わない。
(つボイ)閉じない?
(澤﨑)そうです。それで逆流が出るんです。
(小高)はぁ~!そういう状態のことなんですね。
(澤﨑)そして、大抵『心房細動』という「不整脈」を合併しています。どうして診断がつきにくかったのか、あるいはこういう病院がなかったのかというと、これは弁そのものが悪いわけじゃないので、「弁輪縫縮(べんりんほうしゅく)」という治療だけしかされていなかったんですね。
(小高)はい。
(澤﨑)そして弁の逆流はそんなにひどくないので、「弁輪縫縮(べんりんほうしゅく)」をやっても、漏れは止まりますけど、症状は楽になったわけじゃないんです。わかりますか?どこが違っているか。本当はどこを治さなきゃいけないのか?
(つボイ)大きくなりすぎてるところ。
(澤﨑)つボイさんピンポンですね(笑)大きくなりすぎた「左心房」と「右心房」を8分の1の大きさに縮めてやるんです。そして「僧帽弁輪」も正常な大きさに戻してやります。そうすると逆流も止まるし、「心房」によって圧迫されていた「心室」も動きが楽になるわけです。
(つボイ)そりゃあええわ~!心臓の色んな場所に無理させとったんだもん。
(小高)でも、大きなってしまった「心房」を元の大きさに戻すには、どうやって戻すんでしょうか?
(澤﨑)簡単に言えば「お裁縫」ですね(笑)切って縫ってしまうわけです。切ってはいけないところは切らずに、切ってもいいところだけ切ってちゃんと治せるんです(笑)
(つボイ)(小高)ほぉ~!
(澤﨑)この手術をした方の8割は心房細動が消失します。逆流も勿論なくなりますし、皆さんものすごく元気になられます(笑)胸の中には、「心臓」と何があります?
(つボイ)肺!
(澤﨑)そう!冴えてますね(笑)「左心房」と「右心房」が大きいと、胸腔(きょううくう)っていう胸の中の容積の3分の1を占めちゃうんです。肺が圧迫されて息が十分に吸えないんです。
(つボイ)息が吸えない!
(澤﨑)ですので肺の機能も30%ほど改善します(笑)
(小高)これは楽になりますね!息苦しいかな~?って思って、肺の病気を疑うことはあっても、心臓が大きくなっちゃってて、肺を圧迫してるなんて・・・心臓の病気を疑うのはしない気がしますね。
(澤﨑)そうですよね。
(つボイ)先生!毎回同じ質問して申し訳ないんですが、こっれってレントゲンには・・・
(澤﨑)見えます!(笑)
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(つボイ)いや、よかったわ~!レントゲンで見えるかどうか、先生は見えます!って仰ってくださって(笑)
(南部)そうですね。
(つボイ)私、毎回「レントゲンで見えますか??」って、くどくどお聞きしてきましたけど、やっとレントゲンで見える病気がありました(笑)よかったわ~(笑)
(南部)「心房」が肥大化してるから、レントゲンで見えるってことなんですよね。
(つボイ)そうそうそう。
(南部)さて、来週も澤崎先生にお聞きします。『健康のつボ』では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。皆さんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)質問お待ちしておりま~す♪
(南部)『健康のつボ~心臓病について~』でした。