第11回 感染性心内膜炎
(小高)水曜日のこの時間は『健康のつボ~心臓病について~』。適切な治療を行わなければ死にも直結する心臓病について、専門の先生にお話をうかがっています。一宮西病院 ハートセンターセンター長 心臓血管外科部長 弁膜症センター長の澤﨑優(さわざき まさる)先生です。
(小高)冠状動脈、大動脈といった心臓にある血管や、4つある心臓の弁などの病気について教えて頂いています。
(つボイ)このコーナーにメッセージを頂いております。HG茶瓶2号さんから頂いております。岡崎の方ですが、初メール!ありがとうございます。いつも聞くだけリスナーでしたけれども、先月8月12日に冠動脈バイパス手術をしました。早朝の異変から目を覚まし…私と同じです。私もそうやった、早朝にめっちゃくちゃ苦しくなるんですよ。
(小高)あれっとなって。
(つボイ)あれっとなった。そして目を覚まして病院へ直行、あっという間に手術台の上に、カテーテル治療も及ばず、バイパス手術の選択を余儀なくされました。今日で手術後ちょうど1か月、医療スタッフの皆様のおかげで、10月1日の復帰に向けてリハビリに励んでおります。この場を借りまして、まったくの赤の他人の命を救って頂き誠にありがとうございました。感謝の念に堪えません。ここのリスナーさんのように楽しい話題を提供できるように、またこの繋いでもらえたこの命を有効に活用できればと思い初メールとさせて頂きました。
(小高)ありがとうございます。冠動脈バイパス手術、このコーナーのシリーズの最初のほうに教えて頂いた手術の方法ですよね。早期の治療で回復ということで、とってもよかったですね~。
(つボイ)気持ちは私よ~くわかります。同じような病気の人ですから。
(小高)さ、今日は心臓のどんな病気のお話でしょうか。澤﨑先生です。
~~~~~~~~
(澤﨑)今日はね、珍しい病気なんですが、『感染性心内膜炎』という病気があります。バクテリアが心臓の中の構造物に付着すると。いろんな原因はあるんですけど、多くは歯の治療をきっかけに、歯から血液中に大量の菌が入って、それが心臓の弱いところに付く、そこで増えちゃうんです。ものすごい速度で増えます。
(つボイ)歯科治療ってやってる人多いですから、可能性は皆さんにあるということですか?
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(澤﨑)そう、心臓に基礎疾患がある人、軽い弁膜症がある人、人工弁の入っている人、そういう人は要注意。
(つボイ)私や。
(小高)その歯の治療っていうのは?
(澤﨑)抜歯くらいの治療です。
(小高)そ、そんな?普通にみんなやりますよね。
(澤﨑)クリーニングとかね、歯石取るとかそんなもんじゃ入らないです。
(つボイ)ふんふんふんふん。
(澤﨑)それでね、心臓から全身に血液が流れるわけでしょ、ということは、心臓の中にできた菌の固まりが全身に飛ぶわけですよ。
(つボイ)ありゃ、そこに留まってるわけじゃなくてビューンと飛んでくわけですか。
(澤﨑)どんどん増えてくから。
(つボイ)増えるからか。
(澤﨑)増えて、血液の流れに乗って飛んじゃうんです。
(小高)以前私医者さんに、歯の病気って口の中だけじゃなくて全身に広がったりもするんだよって言われたことあるんですけど、そのことなんですね。
(澤﨑)その通りです。そのことなんです。一番飛んだら困るところはどこだと思います?
(つボイ)脳?
(澤﨑)頭、正解。脳梗塞を起こすと、普通の脳梗塞と違って菌の固まりが飛ぶので、そこで菌が増えるんです。すると血管詰まるわけですから、動脈瘤をつくるんですね。感染性の脳動脈瘤が破裂すると、脳出血、くも膜下出血を起こすんです。致命的ですね。
(つボイ)ほぉ~。脳以外だと、またいろんなところで?
(澤﨑)腎臓とかはね、血尿がでますよね。そうすると泌尿器科行きます。脳だと脳外科行きます。するとすぐに診断がつかない。最初から循環器内科に来ればいいけどね。だから診断が遅れることがよくあります。
(つボイ)ふーん。じゃあ心臓に付いた時点で、ちょっとおかしいなとか自覚症状はないんですか。
(澤﨑)あのね、微熱が出ます。最近は開業医さんでも抗生物質をすぐには出さない傾向にありますが、以前はすぐに抗生物質出しましたよね。そうすると弱い菌だから、いったん治っちゃうんです。ばい菌の固まりの表面の菌だけ死んじゃうんです。でも菌は残ってる。
(つボイ)中の方のやつがおるわけですか。
(澤﨑)2週間経って、もういいだろうと薬止めると、また菌が湧いてくる。また熱が出る。そうするうちに菌が心臓の組織を蝕んでいくんです。深いところ深いところへと菌が入って行っちゃう。大変ですよね。
(小高)うーーん!
(つボイ)めちゃめちゃ聞くだに恐ろしい!
(澤﨑)大変恐ろしいです。
(つボイ)心臓も悪くなるし、脳飛んだり、肝臓飛んだりいろんなところで悪さするわけですか。
(澤﨑)そうです。大抵抗生物質が効くので、以前の治療法というのは基本「4週間の抗生物質治療」だったんですが、最近は手術を早めにする傾向にあります。これは菌が頭や重要臓器に飛ぶ前に菌を取っちゃって、壊れた弁を治す。こういう傾向に変わりつつあります。
(つボイ)あの、心臓の弁にくっついたとこはレントゲンで見えたりするんですか?
(澤﨑)見えないです(笑)超音波で見えます。
(つボイ)見えないか~。
~~~~~~~~
(つボイ)レントゲンではわからない。
(小高)懲りずにまた聞いてましたね。(笑)もちろんレントゲンではわかりませんが、超音波の検査でわかるそうですよ。!一宮西病院の澤﨑先生でした。
(小高)そしてこの『健康のつボ』では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)はい、質問お待ちしております!
(小高)『健康のつボ~心臓病について~』でした。
(小高)冠状動脈、大動脈といった心臓にある血管や、4つある心臓の弁などの病気について教えて頂いています。
(つボイ)このコーナーにメッセージを頂いております。HG茶瓶2号さんから頂いております。岡崎の方ですが、初メール!ありがとうございます。いつも聞くだけリスナーでしたけれども、先月8月12日に冠動脈バイパス手術をしました。早朝の異変から目を覚まし…私と同じです。私もそうやった、早朝にめっちゃくちゃ苦しくなるんですよ。
(小高)あれっとなって。
(つボイ)あれっとなった。そして目を覚まして病院へ直行、あっという間に手術台の上に、カテーテル治療も及ばず、バイパス手術の選択を余儀なくされました。今日で手術後ちょうど1か月、医療スタッフの皆様のおかげで、10月1日の復帰に向けてリハビリに励んでおります。この場を借りまして、まったくの赤の他人の命を救って頂き誠にありがとうございました。感謝の念に堪えません。ここのリスナーさんのように楽しい話題を提供できるように、またこの繋いでもらえたこの命を有効に活用できればと思い初メールとさせて頂きました。
(小高)ありがとうございます。冠動脈バイパス手術、このコーナーのシリーズの最初のほうに教えて頂いた手術の方法ですよね。早期の治療で回復ということで、とってもよかったですね~。
(つボイ)気持ちは私よ~くわかります。同じような病気の人ですから。
(小高)さ、今日は心臓のどんな病気のお話でしょうか。澤﨑先生です。
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(澤﨑)今日はね、珍しい病気なんですが、『感染性心内膜炎』という病気があります。バクテリアが心臓の中の構造物に付着すると。いろんな原因はあるんですけど、多くは歯の治療をきっかけに、歯から血液中に大量の菌が入って、それが心臓の弱いところに付く、そこで増えちゃうんです。ものすごい速度で増えます。
(つボイ)歯科治療ってやってる人多いですから、可能性は皆さんにあるということですか?
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(澤﨑)そう、心臓に基礎疾患がある人、軽い弁膜症がある人、人工弁の入っている人、そういう人は要注意。
(つボイ)私や。
(小高)その歯の治療っていうのは?
(澤﨑)抜歯くらいの治療です。
(小高)そ、そんな?普通にみんなやりますよね。
(澤﨑)クリーニングとかね、歯石取るとかそんなもんじゃ入らないです。
(つボイ)ふんふんふんふん。
(澤﨑)それでね、心臓から全身に血液が流れるわけでしょ、ということは、心臓の中にできた菌の固まりが全身に飛ぶわけですよ。
(つボイ)ありゃ、そこに留まってるわけじゃなくてビューンと飛んでくわけですか。
(澤﨑)どんどん増えてくから。
(つボイ)増えるからか。
(澤﨑)増えて、血液の流れに乗って飛んじゃうんです。
(小高)以前私医者さんに、歯の病気って口の中だけじゃなくて全身に広がったりもするんだよって言われたことあるんですけど、そのことなんですね。
(澤﨑)その通りです。そのことなんです。一番飛んだら困るところはどこだと思います?
(つボイ)脳?
(澤﨑)頭、正解。脳梗塞を起こすと、普通の脳梗塞と違って菌の固まりが飛ぶので、そこで菌が増えるんです。すると血管詰まるわけですから、動脈瘤をつくるんですね。感染性の脳動脈瘤が破裂すると、脳出血、くも膜下出血を起こすんです。致命的ですね。
(つボイ)ほぉ~。脳以外だと、またいろんなところで?
(澤﨑)腎臓とかはね、血尿がでますよね。そうすると泌尿器科行きます。脳だと脳外科行きます。するとすぐに診断がつかない。最初から循環器内科に来ればいいけどね。だから診断が遅れることがよくあります。
(つボイ)ふーん。じゃあ心臓に付いた時点で、ちょっとおかしいなとか自覚症状はないんですか。
(澤﨑)あのね、微熱が出ます。最近は開業医さんでも抗生物質をすぐには出さない傾向にありますが、以前はすぐに抗生物質出しましたよね。そうすると弱い菌だから、いったん治っちゃうんです。ばい菌の固まりの表面の菌だけ死んじゃうんです。でも菌は残ってる。
(つボイ)中の方のやつがおるわけですか。
(澤﨑)2週間経って、もういいだろうと薬止めると、また菌が湧いてくる。また熱が出る。そうするうちに菌が心臓の組織を蝕んでいくんです。深いところ深いところへと菌が入って行っちゃう。大変ですよね。
(小高)うーーん!
(つボイ)めちゃめちゃ聞くだに恐ろしい!
(澤﨑)大変恐ろしいです。
(つボイ)心臓も悪くなるし、脳飛んだり、肝臓飛んだりいろんなところで悪さするわけですか。
(澤﨑)そうです。大抵抗生物質が効くので、以前の治療法というのは基本「4週間の抗生物質治療」だったんですが、最近は手術を早めにする傾向にあります。これは菌が頭や重要臓器に飛ぶ前に菌を取っちゃって、壊れた弁を治す。こういう傾向に変わりつつあります。
(つボイ)あの、心臓の弁にくっついたとこはレントゲンで見えたりするんですか?
(澤﨑)見えないです(笑)超音波で見えます。
(つボイ)見えないか~。
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(つボイ)レントゲンではわからない。
(小高)懲りずにまた聞いてましたね。(笑)もちろんレントゲンではわかりませんが、超音波の検査でわかるそうですよ。!一宮西病院の澤﨑先生でした。
(小高)そしてこの『健康のつボ』では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)はい、質問お待ちしております!
(小高)『健康のつボ~心臓病について~』でした。