第8回 乳がんの手術 ~乳房全切除術~
(小高)
今月からこの時間は『健康のつボ~乳がんについて~』です。女性であれば誰でも気になる「乳がん」について、一宮西病院 乳腺外科 部長で「乳腺専門医」の鈴木瞳(すずきひとみ)先生にお話をうかがっていきます。
(小高)
先週は2つある手術法のうち、「乳房温存手術」について詳しく教えていただきました。
(つボイ)
悪いところだけを繰り抜くわけなので、比較的小さな傷で、見た目もキレイだということでしたね。
(小高)
今日はもうひとつの手術法、「乳房全切除術」について教えていただきます。
(つボイ)
なんかでもちょっとアレですね、全切除というんですから、乳房全体を切除するんですよね?
(小高)
そのあたりのことを鈴木先生に教えて頂きます!
~~~~~~~
(鈴木)
いわゆる「全摘」と呼ばれる手術で、乳腺を残さずすべて摘出する方法です。早期に見つかったがんでも、がんの広がりが広範囲で切除範囲が広く必要な場合や、手術後の放射線治療を避けたい時に行われる治療法です。
(つボイ)
ふむふむ。
(鈴木)
術式の違いによって術後の生存率に違いが出るほどではありませんし、入院期間についても「乳房温存手術」とさほど変わりませんので、「全摘」といっても大掛かりなものではありません。
(つボイ)
あらっ。イメージ的に大掛かりなイメージだったんですけど、そうでもないんですね。
(鈴木)
そうですね。
(小高)
早期のがんだと温存出来て、そうでもなければ全摘になる、というわけではないというか、一概に決まらないんですね。
(鈴木)
はい、がんの大きさとか乳房の大きさですとか、そういったものに比例して切除しなければいけない範囲と術式が決まってきます。
(小高)
・・・というところでいくと、何度も繰り返しになってしまいますが、患者さんのがんの状態によって適切な手術が決まってくるということですね?
(鈴木)
はい、そうなります。
(小高)
ただ、女性にとって「全部取っちゃいます!」っていうとかなり抵抗感ある方多いのではと思いますが・・・。
(つボイ)
そらそうやろ・・・。
(鈴木)
はい、乳房全切除術では乳房をすべて取ってしまうわけですから、女性にとってはショックが大きいと思います。ただ、今では取った乳腺のところに乳房を再建する方法が確立されています。自分のおなかや背中の肉で乳房を再建する「自家組織再建」と呼ばれるものですとか、シリコン製の人工物インプラントを使う「人工物再建」があります。どちらも手術による見た目は以前よりも格段に綺麗になっていて、手術を受けた患者さんの満足度は非常に高くなっています。そしてこの「乳房再建」というのは現在保険適用になっていますので、安心して手術を受けていただけます。
(つボイ)
保険がきくのは有難いことですねぇ。
(小高)
よく「お腹のお肉が胸にきたらいいのに~。」なんて思う事もありますけど、本当に実際にお腹のお肉が胸にくることあるんですね。
(鈴木)
そうですね。
(小高)
こちらもやっぱり先生と相談しながら、どう乳房を再建していくのか決めていくということですね。
(鈴木)
はい。ただあえて乳房再建術を選択されない方もいらっしゃいます。
(小高)
そうなんですか!
(つボイ)
んん??
(鈴木)
乳房再建には良い事ばかりではなくデメリットもあって、手術時間や入院期間は全摘だけの場合と比較して長期間になりますし、術後定期的な通院というのも増えてしまいます。また自家組織の場合はお腹や背中など、体の他の部分に傷ができてしまいますし、人工物のシリコンバックを入れている場合は、異物感染というリスクを伴います。再建術はあくまでも『整容面(見た目)』を重視した治療ですので、乳癌の治療に専念したい場合や、術後の薬物治療や放射線治療との兼ね合いで、医師から勧められない場合もありますので、主治医とよく相談したうえで術式を決定していただきたいと思います。
(つボイ)
ふむ!
(小高)
なるほど・・・。でもやっぱりそこが気になってしまって、日々の生活が落ち込んでしまうということもあり得ると思いますから、できるものならと考えていらっしゃる方はこの再建術を先生とよく相談して決めていただきたいですね。
(つボイ)
必ずリスクがあるものなんですか?
(鈴木)
そうですね、どうしてもリスクも伴ってきます。ただ、乳房の再建術をすることで喪失感というのはかなり防げると思いますので、選択を考えていらっしゃる方は先生とよく相談して決めていただきたいですね。
(小高)
メリット・デメリットね!それぞれありますしね。
~~~~~~~
(つボイ)
ね、がんの状況によって手術法も2種類あるぞと。いうことでしたね。
(小高)
そして乳房切除術の場合も、希望すれば、先生と相談した上で「乳房再建術」も受けられるということでしたね。それぞれの患者さんの希望と状況に合わせて、いろんな選択肢が用意されているみたいですね~。さあ!来週は、早期発見のために重要な、セルフチェックについて教えていただきます。『健康のつボ~乳がんについて~』でした。
今月からこの時間は『健康のつボ~乳がんについて~』です。女性であれば誰でも気になる「乳がん」について、一宮西病院 乳腺外科 部長で「乳腺専門医」の鈴木瞳(すずきひとみ)先生にお話をうかがっていきます。
(小高)
先週は2つある手術法のうち、「乳房温存手術」について詳しく教えていただきました。
(つボイ)
悪いところだけを繰り抜くわけなので、比較的小さな傷で、見た目もキレイだということでしたね。
(小高)
今日はもうひとつの手術法、「乳房全切除術」について教えていただきます。
(つボイ)
なんかでもちょっとアレですね、全切除というんですから、乳房全体を切除するんですよね?
(小高)
そのあたりのことを鈴木先生に教えて頂きます!
~~~~~~~
(鈴木)
いわゆる「全摘」と呼ばれる手術で、乳腺を残さずすべて摘出する方法です。早期に見つかったがんでも、がんの広がりが広範囲で切除範囲が広く必要な場合や、手術後の放射線治療を避けたい時に行われる治療法です。
(つボイ)
ふむふむ。
(鈴木)
術式の違いによって術後の生存率に違いが出るほどではありませんし、入院期間についても「乳房温存手術」とさほど変わりませんので、「全摘」といっても大掛かりなものではありません。
(つボイ)
あらっ。イメージ的に大掛かりなイメージだったんですけど、そうでもないんですね。
(鈴木)
そうですね。
(小高)
早期のがんだと温存出来て、そうでもなければ全摘になる、というわけではないというか、一概に決まらないんですね。
(鈴木)
はい、がんの大きさとか乳房の大きさですとか、そういったものに比例して切除しなければいけない範囲と術式が決まってきます。
(小高)
・・・というところでいくと、何度も繰り返しになってしまいますが、患者さんのがんの状態によって適切な手術が決まってくるということですね?
(鈴木)
はい、そうなります。
(小高)
ただ、女性にとって「全部取っちゃいます!」っていうとかなり抵抗感ある方多いのではと思いますが・・・。
(つボイ)
そらそうやろ・・・。
(鈴木)
はい、乳房全切除術では乳房をすべて取ってしまうわけですから、女性にとってはショックが大きいと思います。ただ、今では取った乳腺のところに乳房を再建する方法が確立されています。自分のおなかや背中の肉で乳房を再建する「自家組織再建」と呼ばれるものですとか、シリコン製の人工物インプラントを使う「人工物再建」があります。どちらも手術による見た目は以前よりも格段に綺麗になっていて、手術を受けた患者さんの満足度は非常に高くなっています。そしてこの「乳房再建」というのは現在保険適用になっていますので、安心して手術を受けていただけます。
(つボイ)
保険がきくのは有難いことですねぇ。
(小高)
よく「お腹のお肉が胸にきたらいいのに~。」なんて思う事もありますけど、本当に実際にお腹のお肉が胸にくることあるんですね。
(鈴木)
そうですね。
(小高)
こちらもやっぱり先生と相談しながら、どう乳房を再建していくのか決めていくということですね。
(鈴木)
はい。ただあえて乳房再建術を選択されない方もいらっしゃいます。
(小高)
そうなんですか!
(つボイ)
んん??
(鈴木)
乳房再建には良い事ばかりではなくデメリットもあって、手術時間や入院期間は全摘だけの場合と比較して長期間になりますし、術後定期的な通院というのも増えてしまいます。また自家組織の場合はお腹や背中など、体の他の部分に傷ができてしまいますし、人工物のシリコンバックを入れている場合は、異物感染というリスクを伴います。再建術はあくまでも『整容面(見た目)』を重視した治療ですので、乳癌の治療に専念したい場合や、術後の薬物治療や放射線治療との兼ね合いで、医師から勧められない場合もありますので、主治医とよく相談したうえで術式を決定していただきたいと思います。
(つボイ)
ふむ!
(小高)
なるほど・・・。でもやっぱりそこが気になってしまって、日々の生活が落ち込んでしまうということもあり得ると思いますから、できるものならと考えていらっしゃる方はこの再建術を先生とよく相談して決めていただきたいですね。
(つボイ)
必ずリスクがあるものなんですか?
(鈴木)
そうですね、どうしてもリスクも伴ってきます。ただ、乳房の再建術をすることで喪失感というのはかなり防げると思いますので、選択を考えていらっしゃる方は先生とよく相談して決めていただきたいですね。
(小高)
メリット・デメリットね!それぞれありますしね。
~~~~~~~
(つボイ)
ね、がんの状況によって手術法も2種類あるぞと。いうことでしたね。
(小高)
そして乳房切除術の場合も、希望すれば、先生と相談した上で「乳房再建術」も受けられるということでしたね。それぞれの患者さんの希望と状況に合わせて、いろんな選択肢が用意されているみたいですね~。さあ!来週は、早期発見のために重要な、セルフチェックについて教えていただきます。『健康のつボ~乳がんについて~』でした。