第6回 骨折の特徴と治療法③~病的骨折
(小高)
今月の「健康のつボ!」は「骨折について」。結構多くの人が経験している「骨折」について、一宮西病院 整形外科 四肢・骨盤骨折治療センター長 近藤陽(こんどう あきら)先生に教えていただきます。
(小高)
先週からは具体的な骨折の種類と特徴を教えていただいています。
(つボイ)
外から強い力が加わることで起こる「外傷性骨折」、そして小さな力が継続的に加わることで起こる「疲労骨折」についてお聞きしましたね。
(小高)
そして骨折の種類には「病的骨折」というのもあるんだそうです。近藤先生です。
~~~~~~~~
(近藤)
「病的骨折」というのは、もともと持っている病気のために骨が脆くなってしまって、ちょっとした力で骨折を起こしてしまうというのが「病的骨折」になります。
(小高)
例えばどんな病気が多いんでしょう?
(近藤)
一番多いのは『がん』ですね。がんがそこにあったりとか、もしくは体のどこかにがんが潜んでいて、そのがんが骨に転移してしまって骨折してしまうということが一番多いです。
(小高)
そうすると、がんの治療の中で先生は骨折の治療をすることになるわけですか?
(近藤)
そうですね、治療もしなければならないんですけれども、体の中のどこかにがんがあるんじゃないかということで全身を調べて、元々のがん、“原発”といいますけど、原発のがんを見つけに行くこともしないといけませんから、がんの治療と骨折の治療と両方ともしないといけないということになります。
(小高)
そっか、がんの発見の前に骨折が発見されてから、がんがわかるってこともあるわけですか?
(近藤)
そうですね、それもすごく多いです。
(小高)
病気で骨が弱くなってっていうと、パっと私が思い浮かぶのは『骨粗しょう症』なんですけど。
(近藤)
『骨粗しょう症』も病気にはなるんですけど、『骨粗しょう症』の骨折はあまり病的骨折とは言わずに、『脆弱性(ぜいじゃくせい)骨折』と言ったりするので、またちょっと違う分類になるんです。「病的骨折」は他に『非定型骨折』と言って、「非定型」とは、普通ではないということなんですけど。
(小高)
定型にあらず!
(つボイ)
どういうところが普通じゃないんですか?
(近藤)
それはですね、太腿の骨は硬いので、そう簡単に折れることはないんですが、ひょっとしたことで太腿の真ん中へんがバキッと折れることがある。これも原因ははっきりしていなくてですね。今のところ関係があるんじゃないかっていうのが、骨粗しょう症の薬を5年以上とか長く飲んでいる場合に、時々誤って古い骨でいっぱい骨を作ってしまって。
(つボイ)
サイクルが違っちゃうってことですかね?
(近藤)
そうですね、逆に骨が弱くなってしまうってことがまれにあったりします。
(小高)
なかなか難しい問題ですね。
(つボイ)
その他に先生何かございますか?
(近藤)
他には、骨自体にばい菌が入ってしまって『骨髄炎』というものを起こしてしまうと、骨が脆くなってしまうので骨折をしてしまったりだとか。あとはもともと遺伝子の異常で、生まれた時から骨が弱かったりとか、逆にすごく硬くなり過ぎちゃったりとかして、骨が弱くて骨折しやすいという方もいらっしゃいます。
(つボイ)
これ僕らね、いろいろ手をきちんと洗って体の中にばい菌が入らないようにとかやってますが、骨にばい菌が入っちゃうって、どんな時にそういうことが起きるんですか?
(近藤)
そうですね。一番多いのはやっぱり外傷。昔骨が折れてしまってしまった時に、骨折とともに皮膚に傷が出来てしまうと、そこから骨にばい菌が入ってしまうので『骨髄炎』、骨にばい菌が入って炎症を起こしてってなることが多いです。
(小高)
こうやって聞いてるとやっぱり「病的骨折」というのは、病気から来ているので、骨折を防ぐためにはというよりも、その病気にかからないようにとか、その病気を早く治療するとか、そういうことにかかってきているということなんですかね。
(近藤)
そうですね、ただ特に『がん』による「病的骨折」は、やっぱり『がん』って気づかないことが多いですので。先にずっと背中が痛いなとか、太もも痛いなとか、そういう痛みがあって先に転移した骨折が見つかってからってこともありますので。
(小高)
じゃあほんとに気を付けないと。痛いな~で骨折も大変だけど、その裏に隠れてる大きな病気があるかもしれないんですもんね。
(つボイ)
健康診断とか人間ドックとかでちゃんとわかってくることなんでしょうか?
(近藤)
健康診断とか人間ドックでは全身のレントゲンはなかなか撮らないので。
(小高)
肺くらいしかレントゲン撮らないですよね。
(近藤)
そうですね、胸のレントゲンだけですからね。
(小高)
からやっぱり今までの骨折もそうですけど、なんかちょっと骨が痛いなって思った時はとりあえず先生に診てもらったほうがいいかもしれないですね。
(近藤)
そうですね、昨日だけ痛かった、今日だけ痛かったではなくて、もう1ヶ月も痛いとか、ある程度痛い期間が長い場合は医療機関を受診するといいと思います。
~~~~~~~~
(つボイ)
病的骨折は、その元となる病気の治療も並行して行わなければならないので大変ですよね。
(小高)
長く続く痛みがある場合は受診して、早めの治療計画が大事ということですね。
来週も近藤先生にお聞きしていきます。
(小高)
さて「健康のつボ!」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)
はい、質問お待ちいたしております!
(小高)
「健康のつボ!~骨折について~」でした。
今月の「健康のつボ!」は「骨折について」。結構多くの人が経験している「骨折」について、一宮西病院 整形外科 四肢・骨盤骨折治療センター長 近藤陽(こんどう あきら)先生に教えていただきます。
(小高)
先週からは具体的な骨折の種類と特徴を教えていただいています。
(つボイ)
外から強い力が加わることで起こる「外傷性骨折」、そして小さな力が継続的に加わることで起こる「疲労骨折」についてお聞きしましたね。
(小高)
そして骨折の種類には「病的骨折」というのもあるんだそうです。近藤先生です。
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(近藤)
「病的骨折」というのは、もともと持っている病気のために骨が脆くなってしまって、ちょっとした力で骨折を起こしてしまうというのが「病的骨折」になります。
(小高)
例えばどんな病気が多いんでしょう?
(近藤)
一番多いのは『がん』ですね。がんがそこにあったりとか、もしくは体のどこかにがんが潜んでいて、そのがんが骨に転移してしまって骨折してしまうということが一番多いです。
(小高)
そうすると、がんの治療の中で先生は骨折の治療をすることになるわけですか?
(近藤)
そうですね、治療もしなければならないんですけれども、体の中のどこかにがんがあるんじゃないかということで全身を調べて、元々のがん、“原発”といいますけど、原発のがんを見つけに行くこともしないといけませんから、がんの治療と骨折の治療と両方ともしないといけないということになります。
(小高)
そっか、がんの発見の前に骨折が発見されてから、がんがわかるってこともあるわけですか?
(近藤)
そうですね、それもすごく多いです。
(小高)
病気で骨が弱くなってっていうと、パっと私が思い浮かぶのは『骨粗しょう症』なんですけど。
(近藤)
『骨粗しょう症』も病気にはなるんですけど、『骨粗しょう症』の骨折はあまり病的骨折とは言わずに、『脆弱性(ぜいじゃくせい)骨折』と言ったりするので、またちょっと違う分類になるんです。「病的骨折」は他に『非定型骨折』と言って、「非定型」とは、普通ではないということなんですけど。
(小高)
定型にあらず!
(つボイ)
どういうところが普通じゃないんですか?
(近藤)
それはですね、太腿の骨は硬いので、そう簡単に折れることはないんですが、ひょっとしたことで太腿の真ん中へんがバキッと折れることがある。これも原因ははっきりしていなくてですね。今のところ関係があるんじゃないかっていうのが、骨粗しょう症の薬を5年以上とか長く飲んでいる場合に、時々誤って古い骨でいっぱい骨を作ってしまって。
(つボイ)
サイクルが違っちゃうってことですかね?
(近藤)
そうですね、逆に骨が弱くなってしまうってことがまれにあったりします。
(小高)
なかなか難しい問題ですね。
(つボイ)
その他に先生何かございますか?
(近藤)
他には、骨自体にばい菌が入ってしまって『骨髄炎』というものを起こしてしまうと、骨が脆くなってしまうので骨折をしてしまったりだとか。あとはもともと遺伝子の異常で、生まれた時から骨が弱かったりとか、逆にすごく硬くなり過ぎちゃったりとかして、骨が弱くて骨折しやすいという方もいらっしゃいます。
(つボイ)
これ僕らね、いろいろ手をきちんと洗って体の中にばい菌が入らないようにとかやってますが、骨にばい菌が入っちゃうって、どんな時にそういうことが起きるんですか?
(近藤)
そうですね。一番多いのはやっぱり外傷。昔骨が折れてしまってしまった時に、骨折とともに皮膚に傷が出来てしまうと、そこから骨にばい菌が入ってしまうので『骨髄炎』、骨にばい菌が入って炎症を起こしてってなることが多いです。
(小高)
こうやって聞いてるとやっぱり「病的骨折」というのは、病気から来ているので、骨折を防ぐためにはというよりも、その病気にかからないようにとか、その病気を早く治療するとか、そういうことにかかってきているということなんですかね。
(近藤)
そうですね、ただ特に『がん』による「病的骨折」は、やっぱり『がん』って気づかないことが多いですので。先にずっと背中が痛いなとか、太もも痛いなとか、そういう痛みがあって先に転移した骨折が見つかってからってこともありますので。
(小高)
じゃあほんとに気を付けないと。痛いな~で骨折も大変だけど、その裏に隠れてる大きな病気があるかもしれないんですもんね。
(つボイ)
健康診断とか人間ドックとかでちゃんとわかってくることなんでしょうか?
(近藤)
健康診断とか人間ドックでは全身のレントゲンはなかなか撮らないので。
(小高)
肺くらいしかレントゲン撮らないですよね。
(近藤)
そうですね、胸のレントゲンだけですからね。
(小高)
からやっぱり今までの骨折もそうですけど、なんかちょっと骨が痛いなって思った時はとりあえず先生に診てもらったほうがいいかもしれないですね。
(近藤)
そうですね、昨日だけ痛かった、今日だけ痛かったではなくて、もう1ヶ月も痛いとか、ある程度痛い期間が長い場合は医療機関を受診するといいと思います。
~~~~~~~~
(つボイ)
病的骨折は、その元となる病気の治療も並行して行わなければならないので大変ですよね。
(小高)
長く続く痛みがある場合は受診して、早めの治療計画が大事ということですね。
来週も近藤先生にお聞きしていきます。
(小高)
さて「健康のつボ!」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)
はい、質問お待ちいたしております!
(小高)
「健康のつボ!~骨折について~」でした。