第9回 手術療法③ 人工股関節置換術の手術方法
(小高)
水曜日のこの時間は「健康のつボ」。40代・50代から痛みを訴える人が増えはじめ、その痛みをかばうことで、腰や膝に影響が広がることが多いという「股関節の痛み」について、一宮西病院 整形外科 股関節センター長中北吉厚(なかきた・よしあつ)先生にお話をうかがっていきます。
(つボイ)
人工股関節のインプラントも、術式も進化しているということでしたね~。
(小高)
今日は、「人工股関節の手術法」について、中北先生に教えていただきます。
~~~~~~~~
(中北)
もともとこの(人口股関節の)手術は、横向きに固定して、股関節のうしろ側、 おしりを切って入れる方法が一般的だったんですね。後ろですとか真横ですとかそういうところを切って、体をとにかく横向きににセッティングして行っていたんですけれども、21世紀に入って、それを仰向け、人が一番自然な状態で前を切って、前側から筋肉を切らずにかき分けて入れる方法ができるようになりまして、わたしもそれを一番専門としてやっています。
(つボイ)
仰向けのほうが入れやすいということですか?
(中北)
これがですね、横向きの方がもともと足を前にも後ろにも自由に動かすことができるので、足の操作性としては横向きのほうがいいわけなんですね。
(小高)
そうか、足を動かしながらぐいぐいぐいってできるから。
(中北)
そうですね、一番いい角度に足を移動させて入れられるので、手術としては横向きの方が簡単だと思いますね。
(つボイ)
そうなんだ。
(小高)
じゃあ、仰向けにするメリットは?
(中北)
仰向けで手術するメリットは、患者さんが一番楽ですよね。体を横向きに固定されること自体が患者さんにとってストレスですし、いろんな皮膚のトラブル、神経のトラブルのリスクも上がります。例えば、手術中に何か急変が起きて対処しなきゃいけないとなっても、横向きではそれができないので、全部外して仰向けにしなければいけないですよね。最初から仰向けであれば、麻酔も安全ですし、患者さんの負担も少ないですし、手術するスタッフも横向きにセッティングする手間がないので、みんなにとっていいわけなんですね。ただその分、技術が必要にはなります。
(つボイ)
あの、わたしはさっきのストレスからいうとね、自分の寝てる姿が横向きになってるんで、そっちのほうがストレスかもしれない。わたしはね(笑)
(中北)
でも寝返りうてませんからね(笑)自分の好きな横向きになれるわけじゃないんですよ。
(つボイ)
そっかそっか。本人しかわかれへんもんね。(笑)
(中北)
無理やり自分の快適さと関係ない横向きにセッティングされて、固定の器具でガチガチに留められるので。
(つボイ)
今言われて気づきました。わたしは右を下にして寝るので、右のほうの股関節の手術はできません!(笑)
(小高)
そんなこと関係ないもんだって!(笑)そうしますと、昔は横向きが主流だったけれども、今は仰向けが主流になってきているということですか?
(中北)
仰向けがどんどん増えてきているんですね。ただ、手術の一番の目的は、インプラントを正しく設置して、合併症を起こさず手術を終えることなので、仰向けにこだわって、それ(手術の目的)が達成できなければ本末転倒なんですよね。ですから、しっかりした技術があるところやそういう指導者がいるところで、しっかり手術をするというのがすごく大事だと思いますね。
(小高)
ちなみに先生、人間には股関節が二つありますけれども両方悪い時には両方やるんですか?
(中北)
そうですね。おっしゃる通りで、これがまた仰向けでやるメリットですね。仰向けでやれば、1回足を消毒して手術のセッティングをしてしまえば、流れで反対に取り掛かることができます。
(小高)
そっかそっか。
(中北)
横向きであればそれができない。
(つボイ)
さっきの話やわ(笑)下になってる部分をぐるっとやらなあかんもん。
(中北)
そうですね、医療者側も横向きでやる施設では、あまり両方同時にはやりたがらないですね。
(小高)
せっかく右入れたのに、よいしょってひっくり返して下にしたらポロっと落ちたとかね。
(中北)
それはないですけど(笑)やっぱり手間がすごいかかりますし、切った傷が今度は下になるわけですし、やっぱり危ないから、リスクがあるから片方ずつ分けてやりましょうと言って断っていると思うんですね。けれども実際にはちゃんと技術とノウハウがあれば、仰向けで、両方同時にしっかり安全にできます。
(小高)
そうか、仰向けにはそういうメリットもあるわけなんですね。
~~~~~~~~
(つボイ)
仰向けで手術を受けることができるんですね。
(小高)
先生もおっしゃていましたが、仰向けは人間にとって一番自然な状態ですものね。予後もとてもいいようですよ。
(小高)
さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(小高)
『健康のつボ~股関節の痛みについて~』でした。
水曜日のこの時間は「健康のつボ」。40代・50代から痛みを訴える人が増えはじめ、その痛みをかばうことで、腰や膝に影響が広がることが多いという「股関節の痛み」について、一宮西病院 整形外科 股関節センター長中北吉厚(なかきた・よしあつ)先生にお話をうかがっていきます。
(つボイ)
人工股関節のインプラントも、術式も進化しているということでしたね~。
(小高)
今日は、「人工股関節の手術法」について、中北先生に教えていただきます。
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(中北)
もともとこの(人口股関節の)手術は、横向きに固定して、股関節のうしろ側、 おしりを切って入れる方法が一般的だったんですね。後ろですとか真横ですとかそういうところを切って、体をとにかく横向きににセッティングして行っていたんですけれども、21世紀に入って、それを仰向け、人が一番自然な状態で前を切って、前側から筋肉を切らずにかき分けて入れる方法ができるようになりまして、わたしもそれを一番専門としてやっています。
(つボイ)
仰向けのほうが入れやすいということですか?
(中北)
これがですね、横向きの方がもともと足を前にも後ろにも自由に動かすことができるので、足の操作性としては横向きのほうがいいわけなんですね。
(小高)
そうか、足を動かしながらぐいぐいぐいってできるから。
(中北)
そうですね、一番いい角度に足を移動させて入れられるので、手術としては横向きの方が簡単だと思いますね。
(つボイ)
そうなんだ。
(小高)
じゃあ、仰向けにするメリットは?
(中北)
仰向けで手術するメリットは、患者さんが一番楽ですよね。体を横向きに固定されること自体が患者さんにとってストレスですし、いろんな皮膚のトラブル、神経のトラブルのリスクも上がります。例えば、手術中に何か急変が起きて対処しなきゃいけないとなっても、横向きではそれができないので、全部外して仰向けにしなければいけないですよね。最初から仰向けであれば、麻酔も安全ですし、患者さんの負担も少ないですし、手術するスタッフも横向きにセッティングする手間がないので、みんなにとっていいわけなんですね。ただその分、技術が必要にはなります。
(つボイ)
あの、わたしはさっきのストレスからいうとね、自分の寝てる姿が横向きになってるんで、そっちのほうがストレスかもしれない。わたしはね(笑)
(中北)
でも寝返りうてませんからね(笑)自分の好きな横向きになれるわけじゃないんですよ。
(つボイ)
そっかそっか。本人しかわかれへんもんね。(笑)
(中北)
無理やり自分の快適さと関係ない横向きにセッティングされて、固定の器具でガチガチに留められるので。
(つボイ)
今言われて気づきました。わたしは右を下にして寝るので、右のほうの股関節の手術はできません!(笑)
(小高)
そんなこと関係ないもんだって!(笑)そうしますと、昔は横向きが主流だったけれども、今は仰向けが主流になってきているということですか?
(中北)
仰向けがどんどん増えてきているんですね。ただ、手術の一番の目的は、インプラントを正しく設置して、合併症を起こさず手術を終えることなので、仰向けにこだわって、それ(手術の目的)が達成できなければ本末転倒なんですよね。ですから、しっかりした技術があるところやそういう指導者がいるところで、しっかり手術をするというのがすごく大事だと思いますね。
(小高)
ちなみに先生、人間には股関節が二つありますけれども両方悪い時には両方やるんですか?
(中北)
そうですね。おっしゃる通りで、これがまた仰向けでやるメリットですね。仰向けでやれば、1回足を消毒して手術のセッティングをしてしまえば、流れで反対に取り掛かることができます。
(小高)
そっかそっか。
(中北)
横向きであればそれができない。
(つボイ)
さっきの話やわ(笑)下になってる部分をぐるっとやらなあかんもん。
(中北)
そうですね、医療者側も横向きでやる施設では、あまり両方同時にはやりたがらないですね。
(小高)
せっかく右入れたのに、よいしょってひっくり返して下にしたらポロっと落ちたとかね。
(中北)
それはないですけど(笑)やっぱり手間がすごいかかりますし、切った傷が今度は下になるわけですし、やっぱり危ないから、リスクがあるから片方ずつ分けてやりましょうと言って断っていると思うんですね。けれども実際にはちゃんと技術とノウハウがあれば、仰向けで、両方同時にしっかり安全にできます。
(小高)
そうか、仰向けにはそういうメリットもあるわけなんですね。
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(つボイ)
仰向けで手術を受けることができるんですね。
(小高)
先生もおっしゃていましたが、仰向けは人間にとって一番自然な状態ですものね。予後もとてもいいようですよ。
(小高)
さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(小高)
『健康のつボ~股関節の痛みについて~』でした。