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第7回 手術療法①


(小高)
水曜日のこの時間は「健康のつボ」。40代・50代から痛みを訴える人が増えはじめ、その痛みをかばうことで、腰や膝に影響が広がることが多いという「股関節の痛み」について、一宮西病院 整形外科 股関節センター長中北吉厚(なかきた・よしあつ)先生にお話をうかがっていきます。

(つボイ)
変形性股関節症と診断されたら、まずは食事療法と運動療法ということでしたね。

(小高)
それでも痛みが改善されなかったら?ということで、中北先生です。



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(中北)
大きく分けて3種類の手術がありまして、ひとつは「骨切り手術」

(小高)
こつきり?

(中北)
骨を切る。

(小高)
わ!痛そう!

(中北)
主に骨盤の骨を切って、その骨を回したり移動させたりして、骨頭のかぶっている屋根の部分の足りないところをしっかり補うという目的で行うことが多いですね。

(小高)
痛そう!

(中北)
痛いですよ。(笑)

(つボイ)
ちょっと待ってくださいよ。(笑)わたし今帰ろうかと思いましたよ!痛いんですか?

(中北)
手術中は大体全身麻酔やることが多いので、まったく意識はないですけれども、目が覚めれば徐々に麻酔の効果も切れてきますので、点滴とか飲み薬の痛み止めを使いながらリハビリを始めていくことになると思います。
二つ目は「股関節鏡手術」と言いまして、内視鏡を股関節の中に入れて、小さい傷で余分な骨を削ったりですとか、傷んだ関節唇という吸盤のような組織を縫い合わせたりですとか、そういった修復をする手術が二つ目です。

(つボイ)
じゃあ、さっきの骨切りというのは開いてやる?

(中北)
はい、そうですね。

(つボイ)
二番目のは細いカメラを入れて処置をする。

(中北)
そうですね。

(小高)
なんとなくイメージですけど、股関節鏡手術のほうが負担も少なくて、骨切りよりもこっちがいいなって思いがちなんですけど!(笑)

(中北)
そうだと思うんですけど、適用が違うんですね。骨と骨がぶつかって衝突する、ひっかかる症状には内視鏡、股関節鏡の手術が適用になるんですけれども、日本人に最も多い不安定な股関節の、その安定感を出すことはこの股関節鏡ではできません。ですから、その目的であれば、やはり若い人は骨切りを検討されるということになりますね。

(小高)
そっか、じゃあどちらがお好みですか?って選ぶというのではなくて、先生がちゃんと状態を診て、こっちのほうが向いてるね、という選び方ということですね。

(中北)
そうですね。

(小高)
三つ目というのはなんでしょうか?

(中北)
はい、三つ目は「人工股関節置換術」と言いまして、日本中で最も広く一般的に行われていて、対象の年齢ですとか、守備範囲が一番広い手術になります。

(小高)
はい。「人工股関節置換術」ということですから、人工の股関節を置き換える。まさにそのままってことですよね?

(中北)
そうですね。具体的に言いますと、大腿骨頭という丸い部分を切り落として、その部分と受け皿になってくれる部分を骨盤側に取り付ける。インプラントで人工の股関節を作っていくということですね。

(小高)
はい。これに関しては、体に入れる人工股関節というものの性能ってどんなもんだろうっていうのが一番気になると思うんですけど。

(中北)
これは20世紀、世界中の専門家が試行錯誤や数々の失敗、苦労を重ねた結果、今とてもいい材質、いい形状のものができていますので、20世紀で最も成功した手術と言われているくらいなんですね。とても満足度が高い手術になります。

(つボイ)
はい。でもこれは股関節を置き換えるんで、手術にはどれくらい時間がかかるもんなんですか?

(中北)
これは手術のやり方ですとか、医師の技術によって異なりますね。あとは症例ごとの変形の程度によっても難しさが違うんですけれども、平均的には40分ぐらいで終わることができます。 

(つボイ)
へっ!!わたしは少なくとも何時間という単位を想定してましたが!40分!

(中北)
そうですね。早さを競うものではないので、早いことが自慢というわけでは全然ないんですね。ちゃんと目的を果たして、ひとつひとつ丁寧にやったうえで、その時間で終わるということが大事になるので。





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(つボイ)
はい、症状や年齢などで手術法も変わって来るということです。

(小高)
骨切り手術や鏡視下手術で治療困難な時は、いよいよ「人工股関節置換術」になります。

来週はその「人工股関節置換術」について、詳しいお話を中北先生にうかがいます。

(小高)
さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(小高)
『健康のつボ~股関節の痛みについて~』でした。