第13回 変形性股関節症のまとめ
(小高)
水曜日のこの時間は「健康のつボ」。40代・50代から痛みを訴える人が増えはじめ、その痛みをかばうことで、腰や膝に影響が広がることが多いという「股関節の痛み」について、一宮西病院 整形外科 股関節センター長中北吉厚(なかきた・よしあつ)先生にお話をうかがってまいりました。今日がこのシリーズの最終回になります。
(つボイ)
股関節の痛みの中でも、大半の原因である『変形性股関節症』。
(小高)
最終回の今日は、『変形性股関節症』について、もう一度中北先生におさらいしていただきます。先生、『変形性股関節症』とはどんな病気なんでしょうか?
~~~~~~~~
(中北)
『変形性股関節症』とは、股関節の体重を支えるべき部分の、軟骨というクッションがすり減って、だんだんと骨が変形してきて、それによって痛みや可動域の制限が出て、生活の質が落ちてしまう病気ですね。
(小高)
結構多いんですよね。
(中北)
そうですね、日本人の女性にはとても多いんですね。生まれつき『寛骨臼形成不全』という、屋根の被りが浅い方が日本人女性には多いですので、それが原因で変形してきてしまう。足の長さが短くなってきてしまう。そういった方が多くいらっしゃいます。
(つボイ)
年齢的にはどうなんですか?
(中北)
年齢的には、そういった生まれ持った素因がある方が、若いうちは元気な周りの筋肉でごまかせていたのが、40代・50代くらいでだんだんと生活が困ってしまう、または60代・70代から痛みが出る方もたくさんいらっしゃいますね。
(小高)
ちょっと調子がおかしいなぁと思って先生に診てもらって、『変形性股関節症』ですねってなった時には、まずどんな治療になってくるんでしょう。
(中北)
そうですね、症状の痛みの程度、困り具合にもよると思うんですけれども、まだ生活が成り立っていて、切迫していない状況であれば、まずは保存療法。手術以外の方法で症状を軽くすることを考えていきたいと思っていますので、一つはまず体重を減らす。これは食事で減らすということですね。激しい運動はできませんので。もう一つは股関節の屋根の被りが浅い方は、不安定な股関節が問題になっていますので、その安定感を、特に”腸腰筋“というインナーマッスル(を鍛えること)によって補っていく、骨盤の動きをよくしよう、ということを意識したリハビリがとても大事かなと思いますね。
(小高)
こうやって食事療法で体重を減らしたり、運動療法を上手にできたことによって、痛みも軽減して手術も必要ないよってパターンも結構ある?
(中北)
ありますね。差し迫った痛みは回避して、また日常に復帰される方はたくさんいらっしゃいます。
(小高)
そちらでまかないきれなかった場合は、やっぱり手術ということになってくるわけですよね。
(中北)
手術も大きく分けて大きく分けて、内視鏡のような関節鏡を入れて骨のよくないところを削ったり、修復させる方法が一つ。あとは骨切り術といって骨盤や大腿骨の一部を切って、移動させて安定した股関節を作ってあげようという手術が一つ。そういったことではもう解決できない変形に関しては、人工股関節置換術。この手術はとても守備範囲が広い手術なんですけれども、この三つが大きくあるかなと思います。
(小高)
自分の体の一部を人工のものに置き換えるって、素人の私たちが聞くと、すっごい大変で怖い!って思うんですけど、とても術後の満足度が高いということでしたよね。
(中北)
そうですね、心情的に人工物を体に入れるということに抵抗感があるというのは、とってもよくわかりますし、リスクなんですけれども。いろんなまとめ方があるんですけど、
「20世紀に人類が発明した100」の中に医療の分野から二つ選ばれていて、
「心臓カテーテル手術」と「人工股関節置換術」なんですね。
(つボイ)
19世紀の人やったら、もう歩けずに一生終わって、わたしのような人間は発症と同時に死んでたかもしれん。
(中北)
そうですね、心筋梗塞でそのまま天国に行っちゃってたような人が救えるようになった。歩けなくなる人が快適に歩けるようになったので。
(つボイ)
今の時代に生きててよかったわ。
(中北)
人工股関節に関しては1960年代くらいから急速に成績が向上してきているんですけれども、21世紀になって、さらに材質もそうですし、手術のやり方も進歩してきていますので、整形外科の中でも特に患者さんの満足度の高い手術であることは間違いないと思います。
~~~~~~~~
(つボイ)
日本人に多い変形性股関節症ということですよね。膝の痛みよりは、年齢的にはちょっと早く症状が出てくるようですね。
(小高)
腰が痛い、ひざが痛いというのも、変形性股関節症が原因の場合があるそうです。人工股関節置換術も含めて、いろいろ治療法は確立されているので、あまり心配しないで、専門の先生とよく相談して欲しいということです。一宮西病院 整形外科 股関節センター長 中北吉厚先生でした。ありがとうございました。
(小高)
さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)
はい、質問お待ちいたしております!
(小高)
『健康のつボ~股関節の痛みについて~』でした。
水曜日のこの時間は「健康のつボ」。40代・50代から痛みを訴える人が増えはじめ、その痛みをかばうことで、腰や膝に影響が広がることが多いという「股関節の痛み」について、一宮西病院 整形外科 股関節センター長中北吉厚(なかきた・よしあつ)先生にお話をうかがってまいりました。今日がこのシリーズの最終回になります。
(つボイ)
股関節の痛みの中でも、大半の原因である『変形性股関節症』。
(小高)
最終回の今日は、『変形性股関節症』について、もう一度中北先生におさらいしていただきます。先生、『変形性股関節症』とはどんな病気なんでしょうか?
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(中北)
『変形性股関節症』とは、股関節の体重を支えるべき部分の、軟骨というクッションがすり減って、だんだんと骨が変形してきて、それによって痛みや可動域の制限が出て、生活の質が落ちてしまう病気ですね。
(小高)
結構多いんですよね。
(中北)
そうですね、日本人の女性にはとても多いんですね。生まれつき『寛骨臼形成不全』という、屋根の被りが浅い方が日本人女性には多いですので、それが原因で変形してきてしまう。足の長さが短くなってきてしまう。そういった方が多くいらっしゃいます。
(つボイ)
年齢的にはどうなんですか?
(中北)
年齢的には、そういった生まれ持った素因がある方が、若いうちは元気な周りの筋肉でごまかせていたのが、40代・50代くらいでだんだんと生活が困ってしまう、または60代・70代から痛みが出る方もたくさんいらっしゃいますね。
(小高)
ちょっと調子がおかしいなぁと思って先生に診てもらって、『変形性股関節症』ですねってなった時には、まずどんな治療になってくるんでしょう。
(中北)
そうですね、症状の痛みの程度、困り具合にもよると思うんですけれども、まだ生活が成り立っていて、切迫していない状況であれば、まずは保存療法。手術以外の方法で症状を軽くすることを考えていきたいと思っていますので、一つはまず体重を減らす。これは食事で減らすということですね。激しい運動はできませんので。もう一つは股関節の屋根の被りが浅い方は、不安定な股関節が問題になっていますので、その安定感を、特に”腸腰筋“というインナーマッスル(を鍛えること)によって補っていく、骨盤の動きをよくしよう、ということを意識したリハビリがとても大事かなと思いますね。
(小高)
こうやって食事療法で体重を減らしたり、運動療法を上手にできたことによって、痛みも軽減して手術も必要ないよってパターンも結構ある?
(中北)
ありますね。差し迫った痛みは回避して、また日常に復帰される方はたくさんいらっしゃいます。
(小高)
そちらでまかないきれなかった場合は、やっぱり手術ということになってくるわけですよね。
(中北)
手術も大きく分けて大きく分けて、内視鏡のような関節鏡を入れて骨のよくないところを削ったり、修復させる方法が一つ。あとは骨切り術といって骨盤や大腿骨の一部を切って、移動させて安定した股関節を作ってあげようという手術が一つ。そういったことではもう解決できない変形に関しては、人工股関節置換術。この手術はとても守備範囲が広い手術なんですけれども、この三つが大きくあるかなと思います。
(小高)
自分の体の一部を人工のものに置き換えるって、素人の私たちが聞くと、すっごい大変で怖い!って思うんですけど、とても術後の満足度が高いということでしたよね。
(中北)
そうですね、心情的に人工物を体に入れるということに抵抗感があるというのは、とってもよくわかりますし、リスクなんですけれども。いろんなまとめ方があるんですけど、
「20世紀に人類が発明した100」の中に医療の分野から二つ選ばれていて、
「心臓カテーテル手術」と「人工股関節置換術」なんですね。
(つボイ)
19世紀の人やったら、もう歩けずに一生終わって、わたしのような人間は発症と同時に死んでたかもしれん。
(中北)
そうですね、心筋梗塞でそのまま天国に行っちゃってたような人が救えるようになった。歩けなくなる人が快適に歩けるようになったので。
(つボイ)
今の時代に生きててよかったわ。
(中北)
人工股関節に関しては1960年代くらいから急速に成績が向上してきているんですけれども、21世紀になって、さらに材質もそうですし、手術のやり方も進歩してきていますので、整形外科の中でも特に患者さんの満足度の高い手術であることは間違いないと思います。
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(つボイ)
日本人に多い変形性股関節症ということですよね。膝の痛みよりは、年齢的にはちょっと早く症状が出てくるようですね。
(小高)
腰が痛い、ひざが痛いというのも、変形性股関節症が原因の場合があるそうです。人工股関節置換術も含めて、いろいろ治療法は確立されているので、あまり心配しないで、専門の先生とよく相談して欲しいということです。一宮西病院 整形外科 股関節センター長 中北吉厚先生でした。ありがとうございました。
(小高)
さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)
はい、質問お待ちいたしております!
(小高)
『健康のつボ~股関節の痛みについて~』でした。