第9回 脳炎・脳症・髄膜炎による意識障害
(小高)
水曜日のこの時間は「健康のつボ」。風邪やインフルエンザはもとより、急な発熱などで常に心配事が絶えない子どもの病気。特に注意をしなければならない病気を中心に、親ならドキドキしてしまう「子どもの病気」について一宮西病院 小児科部長 元野憲作(もとの けんさく)先生にお話をうかがっています。
(小高)
先週は『熱性けいれん』について教えていただきました。
(つボイ)
メッセージをいただいております。はまうそくんという方からいただいております。
「熱性けいれん、うちの3歳の子も経験がありました。夜中にめちゃくちゃ体が熱くなって、ピクピクしているのに気づきました。熱を測ったところ39℃台、すぐに救急車を呼ぶのも申し訳ないので、とりあえずネットで情報を拾い集めて、これはおそらく『熱性けいれん』ではないかと予測をたて、1時間ほど様子を見て落ち着いたので、もし翌朝になっても様子がおかしければ病院に駆け込もうと思い、その日は眠りにつきました。翌朝、少し熱はあるもののいつも通り元気な我が子に会えて一安心したのを覚えています。」
と。半年ほど前のお話。こういうね予備情報を得られると新人パパ・ママにとってありがたいですね。知ってるってことが大事ですね~。
(小高)
ね~予備知識のあるなし大きいですよね。ということで、いろんな予備知識を持っておこうと!今日は子どもがもうろうとして意識がない状態の時はどうすれば良いのか・・・。
元野先生です。
~~~~~~~~
(元野)
多分、いつも見ておられる親御さんから見て、いつもと様子が違うぞというか、そういった状態になられているときは、当然我々も気を付けて見させてもらう必要がある時かなと思います。
(小高)
すごくうちの子がしんどそうで、ぐったりしてるんです~っていう時っていうのは、いつもと違う症状ってちょっと難しいんですけど。
(つボイ)
大概病気っていつもと違いますもんねぇ。
(元野)
ぐったりしているのは大事な症状なんですけど、ぐったりしている中にも診察の時に、例えば「お口を開けて」と言えば、ぐったりしながらもちゃんと開けてくれたりとか、「これ触って」と言えば右手左手を出して触ってくれたりとか、いつも出来ているようなことがぐったりしながらも出来ていれば、僕らにとってはすごく安心できるサインなんですよね。一方で、熱がなくてもいつも出来ていることが出来ていない、例えば呼びかけても全然反応してくれないとか、目を開かないとか、そういった状態はものすごく心配になりますね。
(小高)
『いつもと違う』ってのは、もう気を失ってる系の異変って感じに捉えそうなんですけど、起きてるけど反応が薄いみたいなのもあるわけですか。
(元野)
もちろんお子さんなんでよく寝たりとか、先週お話した熱性けいれんの後にぐったりして目をつぶって寝ていることはあると思うんですけど、そのあと目が覚めた時に、例えば名前を呼んでも、ふだん大好きなおもちゃやぬいぐるみを見せても全然反応しないとか、あるいは何か違うことをブツブツ言っているとか、そういうことになってくるとちょっと心配ですね。
(つボイ)
先生、病名でいうと何が起こってるということなんですか。
(元野)
脳に影響を与えているような脳炎とか脳症とかですね。あるいは、最近はワクチンおかげで減っきてはいますけど髄膜炎とか、意識が悪くなる、意識障害を起こすような病気が注意が必要かなと思います。
(つボイ)
脳のほうにそういう原因が。
(小高)
今聞いた病名って、結構深刻な感じの病名な気がするんですけど。
(元野)
そうですね、最近ですとやはりインフルエンザ脳症とかが出たように患者さんはやっぱりおられるんですね。すごく頻度が高いわけではないですし、判断がすごく悩ましい時もあるんですけれども。
(つボイ)
ということは先生、ウイルスが影響しているってことですか?
(元野)
そうですね。ウイルス自体が直接脳に影響すると脳炎、脳症っていうのは少し難しくなりますが、ウイルス感染があった時に自分の体を守ろうとする免疫の力が、一方で自分の脳を傷つけてしまうのが脳症と言ったりしますね。
(小高)
こういった状態っていうのは、先生が病院でご覧になってるパターンの中で、こういったパターンは結構ありますよなんてのはあるんですか?
(元野)
そうですね、つい最近おられた方は、けいれんをされて、完全にけいれんは止まったかに見えて、抗体ができるかなと普段と同じことをしていただくんですけれども、なにか違うと。意識が少しなんかいつもと違うような感じがしますという親御さんの言葉をヒントに、いろいろな検査を進めていくわけですね。そうするとMRIとかを撮ってみると、所見が出てるということはありましたね。
(小高)
前回、熱性けいれんの時に、けいれんがおさまったらわりとケロっとしてるっていうのはそんなに心配はいらないっていうのは、これがその違いってなってくるということですか。
(つボイ)
ケロっとしないんですよね。
(元野)
しないんですよ。普段と同じ状態に戻り切れない。そういった時は要注意かなと思いますね。
(つボイ)
先生これって、治療法とかなんかはどうなんですか?
(元野)
そうですね、髄膜炎とかですと早期発見早期治療で、抗生物質とかを使うと改善はできるかなという病気もありますが、やっぱり中には重症な髄膜炎ももちろんありますし。脳症とかになってきますと、実は確実にこの治療をすればいいよっていう、根拠ある治療が限りなく少ないんですよね。なので、良かれと思うことを最大限施させてもらって、少しでもいい状態で改善してくれることを願うしかないという状態になりますね。
(小高)
そうすると、やっぱりさっき先生がおっしゃっていた、いつもと違う状態だなって感じるところが大きい。
(元野)
おっしゃる通りですね。そこを見ていただけると、ものすごく僕らも診療の助けになります。
~~~~~~~~
(小高)
ぐったりしていても呼びかけて反応があれば一安心。
(つボイ)
逆に、どんなに好きなものを見せても反応がなかったら、ちょっと心配。お医者さんへ。
(小高)
普段と違うかどうか、様子をしっかり確認してくださいね。
来週も元野先生に子どもの病気についてお話をうかがいます。
(小高)
さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)
はい、質問お待ちいたしております!
(小高)
『健康のつボ~子どもの病気について~』でした。
水曜日のこの時間は「健康のつボ」。風邪やインフルエンザはもとより、急な発熱などで常に心配事が絶えない子どもの病気。特に注意をしなければならない病気を中心に、親ならドキドキしてしまう「子どもの病気」について一宮西病院 小児科部長 元野憲作(もとの けんさく)先生にお話をうかがっています。
(小高)
先週は『熱性けいれん』について教えていただきました。
(つボイ)
メッセージをいただいております。はまうそくんという方からいただいております。
「熱性けいれん、うちの3歳の子も経験がありました。夜中にめちゃくちゃ体が熱くなって、ピクピクしているのに気づきました。熱を測ったところ39℃台、すぐに救急車を呼ぶのも申し訳ないので、とりあえずネットで情報を拾い集めて、これはおそらく『熱性けいれん』ではないかと予測をたて、1時間ほど様子を見て落ち着いたので、もし翌朝になっても様子がおかしければ病院に駆け込もうと思い、その日は眠りにつきました。翌朝、少し熱はあるもののいつも通り元気な我が子に会えて一安心したのを覚えています。」
と。半年ほど前のお話。こういうね予備情報を得られると新人パパ・ママにとってありがたいですね。知ってるってことが大事ですね~。
(小高)
ね~予備知識のあるなし大きいですよね。ということで、いろんな予備知識を持っておこうと!今日は子どもがもうろうとして意識がない状態の時はどうすれば良いのか・・・。
元野先生です。
~~~~~~~~
(元野)
多分、いつも見ておられる親御さんから見て、いつもと様子が違うぞというか、そういった状態になられているときは、当然我々も気を付けて見させてもらう必要がある時かなと思います。
(小高)
すごくうちの子がしんどそうで、ぐったりしてるんです~っていう時っていうのは、いつもと違う症状ってちょっと難しいんですけど。
(つボイ)
大概病気っていつもと違いますもんねぇ。
(元野)
ぐったりしているのは大事な症状なんですけど、ぐったりしている中にも診察の時に、例えば「お口を開けて」と言えば、ぐったりしながらもちゃんと開けてくれたりとか、「これ触って」と言えば右手左手を出して触ってくれたりとか、いつも出来ているようなことがぐったりしながらも出来ていれば、僕らにとってはすごく安心できるサインなんですよね。一方で、熱がなくてもいつも出来ていることが出来ていない、例えば呼びかけても全然反応してくれないとか、目を開かないとか、そういった状態はものすごく心配になりますね。
(小高)
『いつもと違う』ってのは、もう気を失ってる系の異変って感じに捉えそうなんですけど、起きてるけど反応が薄いみたいなのもあるわけですか。
(元野)
もちろんお子さんなんでよく寝たりとか、先週お話した熱性けいれんの後にぐったりして目をつぶって寝ていることはあると思うんですけど、そのあと目が覚めた時に、例えば名前を呼んでも、ふだん大好きなおもちゃやぬいぐるみを見せても全然反応しないとか、あるいは何か違うことをブツブツ言っているとか、そういうことになってくるとちょっと心配ですね。
(つボイ)
先生、病名でいうと何が起こってるということなんですか。
(元野)
脳に影響を与えているような脳炎とか脳症とかですね。あるいは、最近はワクチンおかげで減っきてはいますけど髄膜炎とか、意識が悪くなる、意識障害を起こすような病気が注意が必要かなと思います。
(つボイ)
脳のほうにそういう原因が。
(小高)
今聞いた病名って、結構深刻な感じの病名な気がするんですけど。
(元野)
そうですね、最近ですとやはりインフルエンザ脳症とかが出たように患者さんはやっぱりおられるんですね。すごく頻度が高いわけではないですし、判断がすごく悩ましい時もあるんですけれども。
(つボイ)
ということは先生、ウイルスが影響しているってことですか?
(元野)
そうですね。ウイルス自体が直接脳に影響すると脳炎、脳症っていうのは少し難しくなりますが、ウイルス感染があった時に自分の体を守ろうとする免疫の力が、一方で自分の脳を傷つけてしまうのが脳症と言ったりしますね。
(小高)
こういった状態っていうのは、先生が病院でご覧になってるパターンの中で、こういったパターンは結構ありますよなんてのはあるんですか?
(元野)
そうですね、つい最近おられた方は、けいれんをされて、完全にけいれんは止まったかに見えて、抗体ができるかなと普段と同じことをしていただくんですけれども、なにか違うと。意識が少しなんかいつもと違うような感じがしますという親御さんの言葉をヒントに、いろいろな検査を進めていくわけですね。そうするとMRIとかを撮ってみると、所見が出てるということはありましたね。
(小高)
前回、熱性けいれんの時に、けいれんがおさまったらわりとケロっとしてるっていうのはそんなに心配はいらないっていうのは、これがその違いってなってくるということですか。
(つボイ)
ケロっとしないんですよね。
(元野)
しないんですよ。普段と同じ状態に戻り切れない。そういった時は要注意かなと思いますね。
(つボイ)
先生これって、治療法とかなんかはどうなんですか?
(元野)
そうですね、髄膜炎とかですと早期発見早期治療で、抗生物質とかを使うと改善はできるかなという病気もありますが、やっぱり中には重症な髄膜炎ももちろんありますし。脳症とかになってきますと、実は確実にこの治療をすればいいよっていう、根拠ある治療が限りなく少ないんですよね。なので、良かれと思うことを最大限施させてもらって、少しでもいい状態で改善してくれることを願うしかないという状態になりますね。
(小高)
そうすると、やっぱりさっき先生がおっしゃっていた、いつもと違う状態だなって感じるところが大きい。
(元野)
おっしゃる通りですね。そこを見ていただけると、ものすごく僕らも診療の助けになります。
~~~~~~~~
(小高)
ぐったりしていても呼びかけて反応があれば一安心。
(つボイ)
逆に、どんなに好きなものを見せても反応がなかったら、ちょっと心配。お医者さんへ。
(小高)
普段と違うかどうか、様子をしっかり確認してくださいね。
来週も元野先生に子どもの病気についてお話をうかがいます。
(小高)
さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)
はい、質問お待ちいたしております!
(小高)
『健康のつボ~子どもの病気について~』でした。