第11回 新生児
(小高)
水曜日のこの時間は「健康のつボ」。風邪やインフルエンザはもとより、急な発熱などで常に心配事が絶えない子どもの病気。特に注意をしなければならない病気を中心に、親ならドキドキしてしまう「子どもの病気」について一宮西病院 小児科部長 元野憲作(もとの けんさく)先生にお話をうかがっています。
(つボイ)
子どもの病気についていろいろ教えていただいて来ましたが、病気の種類も多ければ、年齢の幅も広いということで、小児科の先生はほんとうに大変だと思いますね。
(小高)
最近では、胎児のときから産婦人科の先生といっしょに診ることも多くなってきたそうですよ。元野先生です。
~~~~~~~~
(元野)
最近で言うと、お母さんのお腹におられる間から、「胎児期」というんですけども、その頃から小児科が関わらせてもらうことも結構ありますね。
(つボイ)
そういうこともあるんですね。
(元野)
お腹に赤ちゃんを抱えたお母さんは、超音波のエコーという検査で赤ちゃんの状態とかを産婦人科の先生が診て下さるんですけど、その時に何か懸念があると我々(小児科医)が連絡を頂いて一緒に診させて頂くこともあります。場合によっては生まれた直後に処置を必要とするであろう子もおられますので、そういった準備という意味でも生まれる前から関わらせてもらっているのが現状です。
(つボイ)
そうしたら生まれてすぐに処置できることもあるわけですもんね。
(元野)
そうですね。
(小高)
ちなみに「新生児」という言葉がありますが定義的にはどうなるんですか。
(元野)
(新生児の)定義は生まれた時から生後28日未満(4週間未満)を「新生児」として定義しています。その後は「乳児期」になりますね。「乳児期」というのは早期であったり後期であったりいろいろありますけども、1歳未満のことが多いかなと思います。
(小高)
これは呼び方だけでなく、小児科という見方からしてもなにか違いみたいなものはあるんですか?
(元野)
お子さんというのは、どんどん成長・発達していきますので、そして劇的に変化するのはちょうど新生児から乳児期で、お体がぐっと大きくなる。1年間で体重は3倍になっていきますし、身長も1.5倍に伸びていきますので。新生児って頭が大きくてかわいらしくてころころしてるじゃないですか、かわいいんですけど実は医学的に診ると後頭部が出てたりして、普通に寝ちゃうと首が前屈というか前に折れちゃって、空気の通り道を塞ぎやすかったりとかそういうことがあるので、肩の下にまくらを入れてあげたりとか新生児特有の見方っていうのは多少あるかなって思います。
(つボイ)
寝かし方から違ってくるということですね。
(小高)
そうしてみると小児科の先生っていうのは、小学校くらいの結構大きいなって子から、生まれたばっかりのこんなちっちゃいのって赤ちゃんまで診るのって大変じゃないですか。
(元野)
そこがもう最大の(小児科の)醍醐味なんですよね。成長・発達の2個に関わっていけるというか、隣にいられるっていうのは何にも代えがたい財産になってきますね。
(小高)
そして何か異常があった時にはまず病院に行って先生に診てもらうっていう、私たち側からやらなきゃいけないことってあるんですけど、そんな親御さんに対して一番先生が伝えたいことってなんでしょうか。
(元野)
そうですね。新生児、特に赤ちゃんですと、どうしても自分自身で「苦しいよ」とか「辛いよ」「痛いよ」ってことを訴えられないんですね。ただいつも一緒にいて頂くと必ず変化に気づいて頂けると信じていて、それは例えばなんかミルクの飲みが悪いよとか、おしっこが出てないなとか、なんかあれ?って思うことがあった場合とか、普段は元気に泣くのに全然泣かないとか、活気がないとか、そういった時っていうのは赤ちゃんからの強烈なメッセージなので、それをしっかりと受けて頂いた際には病院を受診して頂いて、やっぱり何かおかしい。なんとなく元気がないっていう状態を「not doing well」と言うんですけど、我々もそういった時はアンテナを高く張って、重大な感染症などがないかどうかとか診させてもらうようにはしています。
(小高)
なんとなく元気がないっていうのは、これって…病院に連れてくほどかな~ってのと並び立っちゃうと思うんですが。
(元野)
親御さんの目というのがすごく強くプレッシャーみたいな感じで受けられる必要は全くないんですけれども、日常一緒におられる中でちょっとした変化に気づけた時には、それが大切なメッセージになるっていうような感覚でいて頂ければいいかなって思います。なので我々も一緒に子育てに関われたらいいなという気持ちでいますので、なんか変化があって、これ気になるなってことがあればぜひとも受診をお願いしたいなと思います。
(つボイ)
赤ちゃんを守るということからすると、病気からもそうでしょうけど、物理的な要因からも赤ちゃんて危険なところもありますよね。
(元野)
おっしゃる通りです。怖い話をすると赤ちゃんって「乳幼児突然死症候群」といって、最近はいろんな呼び方がありますが、ある時突然命を落とされることも報告されてます。それを守れるのは普段の環境づくりであったりとか、観察する目であったりするので、ぜひそこを心掛けてもらえるとうれしいなと思います。
~~~~~~~~
(つボイ)
「not doing well」・・・、これはちょっと覚えておくべき言葉ですよね。
(小高)
発熱や嘔吐などの顕著な症状がないのに、なんとなく元気がない、いつもと違うな、といった状態を指すそうです。
(つボイ)
普段から赤ちゃんに接しているお父さん・お母さんは、赤ちゃんが出すかすな信号を、しっかりキャッチしてあげたいと思いますね。
(小高)
来週も元野先生にうかがいます。
(小高)
さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)
はい、質問お待ちいたしております!
(小高)
『健康のつボ~子どもの病気について~』でした。
水曜日のこの時間は「健康のつボ」。風邪やインフルエンザはもとより、急な発熱などで常に心配事が絶えない子どもの病気。特に注意をしなければならない病気を中心に、親ならドキドキしてしまう「子どもの病気」について一宮西病院 小児科部長 元野憲作(もとの けんさく)先生にお話をうかがっています。
(つボイ)
子どもの病気についていろいろ教えていただいて来ましたが、病気の種類も多ければ、年齢の幅も広いということで、小児科の先生はほんとうに大変だと思いますね。
(小高)
最近では、胎児のときから産婦人科の先生といっしょに診ることも多くなってきたそうですよ。元野先生です。
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(元野)
最近で言うと、お母さんのお腹におられる間から、「胎児期」というんですけども、その頃から小児科が関わらせてもらうことも結構ありますね。
(つボイ)
そういうこともあるんですね。
(元野)
お腹に赤ちゃんを抱えたお母さんは、超音波のエコーという検査で赤ちゃんの状態とかを産婦人科の先生が診て下さるんですけど、その時に何か懸念があると我々(小児科医)が連絡を頂いて一緒に診させて頂くこともあります。場合によっては生まれた直後に処置を必要とするであろう子もおられますので、そういった準備という意味でも生まれる前から関わらせてもらっているのが現状です。
(つボイ)
そうしたら生まれてすぐに処置できることもあるわけですもんね。
(元野)
そうですね。
(小高)
ちなみに「新生児」という言葉がありますが定義的にはどうなるんですか。
(元野)
(新生児の)定義は生まれた時から生後28日未満(4週間未満)を「新生児」として定義しています。その後は「乳児期」になりますね。「乳児期」というのは早期であったり後期であったりいろいろありますけども、1歳未満のことが多いかなと思います。
(小高)
これは呼び方だけでなく、小児科という見方からしてもなにか違いみたいなものはあるんですか?
(元野)
お子さんというのは、どんどん成長・発達していきますので、そして劇的に変化するのはちょうど新生児から乳児期で、お体がぐっと大きくなる。1年間で体重は3倍になっていきますし、身長も1.5倍に伸びていきますので。新生児って頭が大きくてかわいらしくてころころしてるじゃないですか、かわいいんですけど実は医学的に診ると後頭部が出てたりして、普通に寝ちゃうと首が前屈というか前に折れちゃって、空気の通り道を塞ぎやすかったりとかそういうことがあるので、肩の下にまくらを入れてあげたりとか新生児特有の見方っていうのは多少あるかなって思います。
(つボイ)
寝かし方から違ってくるということですね。
(小高)
そうしてみると小児科の先生っていうのは、小学校くらいの結構大きいなって子から、生まれたばっかりのこんなちっちゃいのって赤ちゃんまで診るのって大変じゃないですか。
(元野)
そこがもう最大の(小児科の)醍醐味なんですよね。成長・発達の2個に関わっていけるというか、隣にいられるっていうのは何にも代えがたい財産になってきますね。
(小高)
そして何か異常があった時にはまず病院に行って先生に診てもらうっていう、私たち側からやらなきゃいけないことってあるんですけど、そんな親御さんに対して一番先生が伝えたいことってなんでしょうか。
(元野)
そうですね。新生児、特に赤ちゃんですと、どうしても自分自身で「苦しいよ」とか「辛いよ」「痛いよ」ってことを訴えられないんですね。ただいつも一緒にいて頂くと必ず変化に気づいて頂けると信じていて、それは例えばなんかミルクの飲みが悪いよとか、おしっこが出てないなとか、なんかあれ?って思うことがあった場合とか、普段は元気に泣くのに全然泣かないとか、活気がないとか、そういった時っていうのは赤ちゃんからの強烈なメッセージなので、それをしっかりと受けて頂いた際には病院を受診して頂いて、やっぱり何かおかしい。なんとなく元気がないっていう状態を「not doing well」と言うんですけど、我々もそういった時はアンテナを高く張って、重大な感染症などがないかどうかとか診させてもらうようにはしています。
(小高)
なんとなく元気がないっていうのは、これって…病院に連れてくほどかな~ってのと並び立っちゃうと思うんですが。
(元野)
親御さんの目というのがすごく強くプレッシャーみたいな感じで受けられる必要は全くないんですけれども、日常一緒におられる中でちょっとした変化に気づけた時には、それが大切なメッセージになるっていうような感覚でいて頂ければいいかなって思います。なので我々も一緒に子育てに関われたらいいなという気持ちでいますので、なんか変化があって、これ気になるなってことがあればぜひとも受診をお願いしたいなと思います。
(つボイ)
赤ちゃんを守るということからすると、病気からもそうでしょうけど、物理的な要因からも赤ちゃんて危険なところもありますよね。
(元野)
おっしゃる通りです。怖い話をすると赤ちゃんって「乳幼児突然死症候群」といって、最近はいろんな呼び方がありますが、ある時突然命を落とされることも報告されてます。それを守れるのは普段の環境づくりであったりとか、観察する目であったりするので、ぜひそこを心掛けてもらえるとうれしいなと思います。
~~~~~~~~
(つボイ)
「not doing well」・・・、これはちょっと覚えておくべき言葉ですよね。
(小高)
発熱や嘔吐などの顕著な症状がないのに、なんとなく元気がない、いつもと違うな、といった状態を指すそうです。
(つボイ)
普段から赤ちゃんに接しているお父さん・お母さんは、赤ちゃんが出すかすな信号を、しっかりキャッチしてあげたいと思いますね。
(小高)
来週も元野先生にうかがいます。
(小高)
さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)
はい、質問お待ちいたしております!
(小高)
『健康のつボ~子どもの病気について~』でした。