第10回 異物の誤飲と誤嚥
(小高)
水曜日のこの時間は「健康のつボ」。風邪やインフルエンザはもとより、急な発熱などで常に心配事が絶えない子どもの病気。特に注意をしなければならない病気を中心に、親ならドキドキしてしまう「子どもの病気」について一宮西病院 小児科部長 元野憲作(もとの けんさく)先生にお話をうかがっています。
(つボイ)
子どもというのはね、大人が思いつかないことをよくやりますもんねぇ。何か変なものを飲み込むということもよくやりますね。
(小高)
なんでも子どもって口に入れますもんね。今日は、子どもの『誤飲』と『誤嚥』について。
元野先生です。
~~~~~~~~
(元野)
救急外来をやっていても、「こんなの飲んじゃった」と言って、来られる方は結構おられますね。
(つボイ)
何歳くらいまで気を付けないかんことですかね。
(元野)
(誤飲は)統計上は0歳から1歳が多いとされていて、4歳を超えると減るよってことなんですけど、調べてみると4歳以上でも結構おられるってのが事実ですね。
(小高)
『誤飲』って言いますが、0歳児とか1歳児くらいは誤って飲んでるっていうよりは、口に入れたいって入れてることが多いですよね。
(つボイ)
なんでも口に入れますからね。
(小高)
逆にちょっと大きくなって、4歳以上くらいになってくると口に入れたいはなくなってくるけど、うっかり間違って飲み込んじゃったみたいなことがあるのかもしれないですね。
(元野)
ある子はおもちゃだと思って、人に取られたくなくて口の中に隠しちゃうとか、口の中で遊んでて飲み込んじゃったりとかはありますね。
(小高)
先生がご経験した中でどんなものがありますか?飲み込んだものって。
(元野)
ほんと千差万別いろんなものがあって、食べ物であれば魚の骨が引っかかってこられる方が多くおられるかなと思うんですけど。気を付けなければいけないものもありまして、例えば電池とかですかね。電池ですと電気を持ってますので、胃の中に入って放電したりだとか、胃の中に入る前の食道の粘膜を傷つけてしまったりして、長いこと放置しちゃうと消化管に穴が開いちゃったりとかそういうこともありうるので。
(小高)
なんか危なさそうなものっていうと、電池もそうですけどタバコの吸い殻とか?
(元野)
そうですね、あれはもう中毒に入ってきますので、タバコに含まれるニコチンなどの成分は小さなお子さんにとっては毒であるということがありますので。(誤飲には)取り出せるものと、取り出すべきじゃなく薄めるべきもの(解毒)だとか、様々な方法があるので、そういうことが起こってしまった場合には、なるべく早く医療機関を受診されたほうがいいのかなと思います。
(小高)
取り出すものと薄めるものということですが、治療法というとその2つに分かれてくるわけですか。
(元野)
取り出さなければいけないものは、例えば先ほど申し上げた電池、あとは磁石ですかね。磁石は1つであればそんなに心配なかったりするんですが、2つ以上、複数飲み込むとお腹の中で磁石同士がくっついてしまって、くっついたところに粘膜が挟まるとそこに穴が開いてしまったりするわけなんですね。なので、危険かなって思うものは種類だとか、量だとか、タバコとかもそうなんですけど、いつぐらいに、どれくらいの量を飲み込んでしまったのかということを教えてもらえると、すごく治療の参考になります。
(小高)
先生、誤飲っていうのはまず胃の中に異物が入っちゃうってことがあると思うんですけど、いわゆる『誤嚥』っていうんですか、食べてて咳き込んじゃってっていうのは子どもにもありますか?
(元野)
ありますね。『誤嚥』で一番怖いのは空気の通り道に異物が入るってことで、窒息が起こりうること。例えばお子さんの場合ですと、誤飲だと思って食道に異物がひっかかってしまっている状態があるとして、そこで泣いたりとか、びっくりしたり咳をしたり、転んだりしてしまった時に、ある拍子に空気の通り道を塞いでしまって、重大な事故につながってしまうということもありえるので。もしなにか異物を飲んでしまったかもとか吸い込んでしまったかもという時には、なるべくそっと、本人も落ち着いた状態で病院に来て頂けるとうれしいかなと思います。
(小高)
よく逆さにしておしり叩くとか、背中ボンボン叩くとかありますけど。
(元野)
ほんとに窒息してしまった場合はしますね。背部叩打法と言って、背中を叩いたりして異物を出すことは小さいお子さんにはしたりすることありますけど。
(つボイ)
これ素人がやってもよろしいんですか?緊急的に。
(元野)
正しいやり方ってのが一応あるので、覚えておいていただいてやっていただくのはいいかなと思いますね。
~~~~~~~~
(つボイ)
何を、いつ、どれくらい飲み込んだかがわかっていると、先生にもより的確に処置していただけると・・・。
(小高)
ただ何より重要なことは、子どもの手の届くところに、口にしていけないものは置かない、ということですね。来週も元野先生にうかがいます。
(小高)
さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)
はい、質問お待ちいたしております!
(小高)
『健康のつボ~子どもの病気について~』でした。
水曜日のこの時間は「健康のつボ」。風邪やインフルエンザはもとより、急な発熱などで常に心配事が絶えない子どもの病気。特に注意をしなければならない病気を中心に、親ならドキドキしてしまう「子どもの病気」について一宮西病院 小児科部長 元野憲作(もとの けんさく)先生にお話をうかがっています。
(つボイ)
子どもというのはね、大人が思いつかないことをよくやりますもんねぇ。何か変なものを飲み込むということもよくやりますね。
(小高)
なんでも子どもって口に入れますもんね。今日は、子どもの『誤飲』と『誤嚥』について。
元野先生です。
~~~~~~~~
(元野)
救急外来をやっていても、「こんなの飲んじゃった」と言って、来られる方は結構おられますね。
(つボイ)
何歳くらいまで気を付けないかんことですかね。
(元野)
(誤飲は)統計上は0歳から1歳が多いとされていて、4歳を超えると減るよってことなんですけど、調べてみると4歳以上でも結構おられるってのが事実ですね。
(小高)
『誤飲』って言いますが、0歳児とか1歳児くらいは誤って飲んでるっていうよりは、口に入れたいって入れてることが多いですよね。
(つボイ)
なんでも口に入れますからね。
(小高)
逆にちょっと大きくなって、4歳以上くらいになってくると口に入れたいはなくなってくるけど、うっかり間違って飲み込んじゃったみたいなことがあるのかもしれないですね。
(元野)
ある子はおもちゃだと思って、人に取られたくなくて口の中に隠しちゃうとか、口の中で遊んでて飲み込んじゃったりとかはありますね。
(小高)
先生がご経験した中でどんなものがありますか?飲み込んだものって。
(元野)
ほんと千差万別いろんなものがあって、食べ物であれば魚の骨が引っかかってこられる方が多くおられるかなと思うんですけど。気を付けなければいけないものもありまして、例えば電池とかですかね。電池ですと電気を持ってますので、胃の中に入って放電したりだとか、胃の中に入る前の食道の粘膜を傷つけてしまったりして、長いこと放置しちゃうと消化管に穴が開いちゃったりとかそういうこともありうるので。
(小高)
なんか危なさそうなものっていうと、電池もそうですけどタバコの吸い殻とか?
(元野)
そうですね、あれはもう中毒に入ってきますので、タバコに含まれるニコチンなどの成分は小さなお子さんにとっては毒であるということがありますので。(誤飲には)取り出せるものと、取り出すべきじゃなく薄めるべきもの(解毒)だとか、様々な方法があるので、そういうことが起こってしまった場合には、なるべく早く医療機関を受診されたほうがいいのかなと思います。
(小高)
取り出すものと薄めるものということですが、治療法というとその2つに分かれてくるわけですか。
(元野)
取り出さなければいけないものは、例えば先ほど申し上げた電池、あとは磁石ですかね。磁石は1つであればそんなに心配なかったりするんですが、2つ以上、複数飲み込むとお腹の中で磁石同士がくっついてしまって、くっついたところに粘膜が挟まるとそこに穴が開いてしまったりするわけなんですね。なので、危険かなって思うものは種類だとか、量だとか、タバコとかもそうなんですけど、いつぐらいに、どれくらいの量を飲み込んでしまったのかということを教えてもらえると、すごく治療の参考になります。
(小高)
先生、誤飲っていうのはまず胃の中に異物が入っちゃうってことがあると思うんですけど、いわゆる『誤嚥』っていうんですか、食べてて咳き込んじゃってっていうのは子どもにもありますか?
(元野)
ありますね。『誤嚥』で一番怖いのは空気の通り道に異物が入るってことで、窒息が起こりうること。例えばお子さんの場合ですと、誤飲だと思って食道に異物がひっかかってしまっている状態があるとして、そこで泣いたりとか、びっくりしたり咳をしたり、転んだりしてしまった時に、ある拍子に空気の通り道を塞いでしまって、重大な事故につながってしまうということもありえるので。もしなにか異物を飲んでしまったかもとか吸い込んでしまったかもという時には、なるべくそっと、本人も落ち着いた状態で病院に来て頂けるとうれしいかなと思います。
(小高)
よく逆さにしておしり叩くとか、背中ボンボン叩くとかありますけど。
(元野)
ほんとに窒息してしまった場合はしますね。背部叩打法と言って、背中を叩いたりして異物を出すことは小さいお子さんにはしたりすることありますけど。
(つボイ)
これ素人がやってもよろしいんですか?緊急的に。
(元野)
正しいやり方ってのが一応あるので、覚えておいていただいてやっていただくのはいいかなと思いますね。
~~~~~~~~
(つボイ)
何を、いつ、どれくらい飲み込んだかがわかっていると、先生にもより的確に処置していただけると・・・。
(小高)
ただ何より重要なことは、子どもの手の届くところに、口にしていけないものは置かない、ということですね。来週も元野先生にうかがいます。
(小高)
さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)
はい、質問お待ちいたしております!
(小高)
『健康のつボ~子どもの病気について~』でした。