第9回 腱板断裂の治療法①
(小高)水曜日は『健康のつボ~肩の痛みについて~』。、一宮西病院 整形外科部長 兼 肩関節センターセンター長の梶田 幸宏(かじた ゆきひろ)先生にお話を伺っています。
(小高)先週は拘縮肩、いわゆる四十肩・五十肩と症状が似ているんですが実は全く原因が違うんだよという腱板断裂について伺いました。
(つボイ)原因が違っているので治療方法も(拘縮肩とは)異なってくるということですよね。
(小高)はい。今日は腱板断裂の治療法 第1回です。梶田先生です。
~~~~~~~~
(梶田)腱板というのは、肩の中の肩甲骨(けんこうこつ)から、上腕骨・腕に向かっていく筋肉の総称です。この筋肉には四つの筋肉があります。棘上筋(ちょくじょうきん)・棘下筋(ちょっかきん)・小円筋(しょうえんきん)・肩甲下筋(けんこうかきん)という4つの筋肉の総称で、腱板というような表現をします。
(つボイ)原因これが断裂するんですね。
(梶田)断裂と言っても筋肉の中央で切れるわけじゃなくて、実際には骨から剥がれるようなイメージなんですけども。
(つボイ)くっついているところが剝がれてしまう?
(梶田)そうですね。それを断裂といいます。
(小高)これを治療するということになるわけですけども、どんな治療をするんですか?
(梶田)治療に関して大きく分けると、「保存療法」と「手術治療」の2つが挙げられます。手術治療はもちろん手術をして切れた腱板をつなげる手術。保存療法では手術以外の治療法で治すのが保存治療という形になります。
(小高)腱板断裂は一番最初に4つ筋肉があるって言いましたけれども、これの一部が断裂するとか、なんなら全部断裂しちゃったとか、そんなこともあるんですか?
(梶田)棘上筋という筋肉が断裂を起こすの一番頻度は多いです。90%以上はこの断裂なんですけど、場合によっては棘上筋とか他の筋肉とか、または4つの筋肉全部が切れることもごく稀にはあります。
(つボイ)稀にはあると…。稀ということはそんなに無いんですね。
(梶田)そうですね。4つ全部切れることはほとんどないですね。棘上筋という筋肉が主に切れるんですけども、残りの筋肉が残ってれば保存療法という形で機能の改善が得られることがありますから、残りの筋肉をリハビリで機能を戻して、棘上筋の筋肉の代償を行うというようなのが保存療法になります。
(つボイ)なんか他んとこだとギプスしたりとか色々やるんですが、肩の場合はなんかそんな固定とかするんですか?
(梶田)肩に関してはたとえ腱板が切れたとしても固定してしまうと、今度は拘縮といって関節が固まってしまうもんですから、基本的には固定はしません。
(小高)手術ということになると、どんな手術をするんですか?
(梶田)手術に関しては適用が比較的厳しいんですけども、腱板断裂は断裂の仕方によって大きくふたつに分けられます。1つは「変性断裂」といって、年齢によって筋肉がすり減って徐々に切れていくようなパターンです。この断裂だと明らかな外傷がなくても徐々に切れていくので、いつの間にか断裂したっていうこともあります。
(つボイ)その過程は痛くないんですか?
(梶田)そうですね。肩に力が入りづらいとかの自覚症状はありますね。ちょっとしたきっかけ、例えば重い荷物を持ったとかを原因に断裂が大きくなって痛みが出たりということがあります。
(つボイ)ふむふむ。
(梶田)もう一つはの「外傷性断裂」というのがありまして、これは転倒であったり交通事故であったり、肩を大きくぶつけた時に切れるのが外傷性断裂になります。手術適応はこういった断裂のその原因から分かれていくんですけども、外傷性断裂の場合は若い人に多いので、一度の筋肉が断裂するとその腱板は治らないもんですから、若い人に関しては出来るだけ早めに手術を選択していきます。
(小高)「これは手術にしましょう」という場合と、「ちょっと気長に保存療法にしましょう」と年齢で分ける場合もある?
(梶田)あります。ただ年齢といっても、70歳や80歳でまだ元気な、スポーツをやりたいなどの希望があれば手術になりますし、仕事上肩をたくさん使うような方は年齢が高齢であっても手術を選択することもあります。外来に来られたときに、まずはその人の生活環境・趣味・スポーツなどをまず確認してから治療方針を決めていく形になります。
(つボイ)そうやわ。バーンと相撲のツッパリなんかする人は…。
(小高)相撲のツッパリが趣味の人はなかなかレアですけどね。
(つボイ)肩を使うとなると指相撲の人は違ってきますね、先生。
(梶田)そうですね(笑)
(小高)先生、愛想で返事してくれてましたね。
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(小高)そんなこと言ってるから先生も苦笑いというか、呆れていらっしゃいましたよ。
(つボイ)苦笑いをしながら、「今度学会で発表したろ」と思ったかもわかりません。
(小高)思ってない!!(笑)
(つボイ)思ってないですか?失礼いたしました(笑)
(小高)年齢やその人の生活環境で、保存療法か手術をするのかが変わってくということでしたね。さぁ、来週は手術治療の具体的な方法を教えていただきます。
(小高)さぁ、健康のつボではいろいろな病気について専門家の先生に解説していただいておりますが、みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気こんな症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)はい!質問をお待ちいたしております。
(小高)『健康のつボ~肩の痛みについて~』でした。
(小高)先週は拘縮肩、いわゆる四十肩・五十肩と症状が似ているんですが実は全く原因が違うんだよという腱板断裂について伺いました。
(つボイ)原因が違っているので治療方法も(拘縮肩とは)異なってくるということですよね。
(小高)はい。今日は腱板断裂の治療法 第1回です。梶田先生です。
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(梶田)腱板というのは、肩の中の肩甲骨(けんこうこつ)から、上腕骨・腕に向かっていく筋肉の総称です。この筋肉には四つの筋肉があります。棘上筋(ちょくじょうきん)・棘下筋(ちょっかきん)・小円筋(しょうえんきん)・肩甲下筋(けんこうかきん)という4つの筋肉の総称で、腱板というような表現をします。
(つボイ)原因これが断裂するんですね。
(梶田)断裂と言っても筋肉の中央で切れるわけじゃなくて、実際には骨から剥がれるようなイメージなんですけども。
(つボイ)くっついているところが剝がれてしまう?
(梶田)そうですね。それを断裂といいます。
(小高)これを治療するということになるわけですけども、どんな治療をするんですか?
(梶田)治療に関して大きく分けると、「保存療法」と「手術治療」の2つが挙げられます。手術治療はもちろん手術をして切れた腱板をつなげる手術。保存療法では手術以外の治療法で治すのが保存治療という形になります。
(小高)腱板断裂は一番最初に4つ筋肉があるって言いましたけれども、これの一部が断裂するとか、なんなら全部断裂しちゃったとか、そんなこともあるんですか?
(梶田)棘上筋という筋肉が断裂を起こすの一番頻度は多いです。90%以上はこの断裂なんですけど、場合によっては棘上筋とか他の筋肉とか、または4つの筋肉全部が切れることもごく稀にはあります。
(つボイ)稀にはあると…。稀ということはそんなに無いんですね。
(梶田)そうですね。4つ全部切れることはほとんどないですね。棘上筋という筋肉が主に切れるんですけども、残りの筋肉が残ってれば保存療法という形で機能の改善が得られることがありますから、残りの筋肉をリハビリで機能を戻して、棘上筋の筋肉の代償を行うというようなのが保存療法になります。
(つボイ)なんか他んとこだとギプスしたりとか色々やるんですが、肩の場合はなんかそんな固定とかするんですか?
(梶田)肩に関してはたとえ腱板が切れたとしても固定してしまうと、今度は拘縮といって関節が固まってしまうもんですから、基本的には固定はしません。
(小高)手術ということになると、どんな手術をするんですか?
(梶田)手術に関しては適用が比較的厳しいんですけども、腱板断裂は断裂の仕方によって大きくふたつに分けられます。1つは「変性断裂」といって、年齢によって筋肉がすり減って徐々に切れていくようなパターンです。この断裂だと明らかな外傷がなくても徐々に切れていくので、いつの間にか断裂したっていうこともあります。
(つボイ)その過程は痛くないんですか?
(梶田)そうですね。肩に力が入りづらいとかの自覚症状はありますね。ちょっとしたきっかけ、例えば重い荷物を持ったとかを原因に断裂が大きくなって痛みが出たりということがあります。
(つボイ)ふむふむ。
(梶田)もう一つはの「外傷性断裂」というのがありまして、これは転倒であったり交通事故であったり、肩を大きくぶつけた時に切れるのが外傷性断裂になります。手術適応はこういった断裂のその原因から分かれていくんですけども、外傷性断裂の場合は若い人に多いので、一度の筋肉が断裂するとその腱板は治らないもんですから、若い人に関しては出来るだけ早めに手術を選択していきます。
(小高)「これは手術にしましょう」という場合と、「ちょっと気長に保存療法にしましょう」と年齢で分ける場合もある?
(梶田)あります。ただ年齢といっても、70歳や80歳でまだ元気な、スポーツをやりたいなどの希望があれば手術になりますし、仕事上肩をたくさん使うような方は年齢が高齢であっても手術を選択することもあります。外来に来られたときに、まずはその人の生活環境・趣味・スポーツなどをまず確認してから治療方針を決めていく形になります。
(つボイ)そうやわ。バーンと相撲のツッパリなんかする人は…。
(小高)相撲のツッパリが趣味の人はなかなかレアですけどね。
(つボイ)肩を使うとなると指相撲の人は違ってきますね、先生。
(梶田)そうですね(笑)
(小高)先生、愛想で返事してくれてましたね。
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(小高)そんなこと言ってるから先生も苦笑いというか、呆れていらっしゃいましたよ。
(つボイ)苦笑いをしながら、「今度学会で発表したろ」と思ったかもわかりません。
(小高)思ってない!!(笑)
(つボイ)思ってないですか?失礼いたしました(笑)
(小高)年齢やその人の生活環境で、保存療法か手術をするのかが変わってくということでしたね。さぁ、来週は手術治療の具体的な方法を教えていただきます。
(小高)さぁ、健康のつボではいろいろな病気について専門家の先生に解説していただいておりますが、みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気こんな症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)はい!質問をお待ちいたしております。
(小高)『健康のつボ~肩の痛みについて~』でした。