第7回 拘縮肩の積極的な治療法
(小高)水曜日は『健康のつボ~肩の痛みについて~』。、一宮西病院 整形外科部長 兼 肩関節センターセンター長の梶田 幸宏(かじた ゆきひろ)先生にお話を伺っています。
(小高)先週は四十肩・五十肩、正式な病名では『拘縮肩』の治療法をお聞きしましたよね。
(つボイ)基本的には保存的治療(保存療法)でリハビリとか内服薬、注射療法で改善を図るんでしたね。
(小高)まず痛みをなくして、そのあとリハビリで狭くなった関節包を元に戻す、ということでしたが、リハビリしてもその関節包の広がりが十分でない場合は、さらに積極的な治療をするそうなんです。今日はこの拘縮肩の治療の2回目、その積極的な治療法について教えていただきます。梶田先生です。
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(梶田)まず3ヶ月程度リハビリをやることによって、治りやすい人・治りにくい人というのがだいたい分かれてきます。治りやすい人が3ヶ月(リハビリを)やると、肩の可動域もだいぶ出てきますし痛みも引いてくるんですが、3ヶ月程度リハビリを行っても良くならないという人に関しては、積極的な治療法を進めていきます。
(小高)積極的な治療法…。
(梶田)2つ方法はあるんですけど、1つは非観血的授動術 (ひかんけつてきじゅどうじゅつ)といって、ブロック注射を用いた治療法になります。これも最近、ここ4~5年ですねよく行われるようになってきましたが、超音波を使って肩にいく神経を選択的にブロック注射をして行きます。
(つボイ)どのあたりに打つもんなんですか?
(梶田)首のところですね。首のところに肩にいく神経があるんですけど、そこを選択的に注射をしていきます。これは最近、超音波がすごく画像が綺麗になったもんですから可能になったんですけども、ブロック注射をすることによって肩を無痛状態、痛みのない状態をつくってあげます。その間にも強引に肩を「えいっ!」っと動かして、関節の袋を強制的に破いてしまうという治療です。
(小高)袋が固くなるのが四十肩・五十肩でしたもんね。それを破いちゃうんですか!?
(梶田)破いてしまいます。
(小高)袋破て広げる?あえて聞きますけど、これはブロック注射で無痛状態にしないと相当痛いんですか?
(梶田)相当痛いと思いますね。
(つボイ)先生、僕は心配性なんですが、その麻酔が切れた時には痛みというのは消えているんですが?
(梶田)麻酔がだいたい5~6時間効くんですけど、麻酔が切れてくるとちょっと痛みが出ます。ただし、今まであったような四十肩・五十肩の痛みと違って、関節の中が腫れるような痛み、打撲の跡のような痛みになります。その痛みに関していうと、先が見えるといいますか、一週間程度で引いてきますので、患者さんたちには「必ず良くなってきますので」とお話しています。
(小高)2つあるとおっしゃっていましたが、もう一つは?
(梶田)もう一つは手術ですね。全身麻酔をかけて、関節鏡(かんせつきょう)を使うんですけど、肩に5mmぐらいの傷を3~4か所開けさせてもらって、固くなった関節の袋をハサミで直接切ってしまいます。手術に関しては直接見て固くなったところをハサミで切ってしまう治療法です。
(つボイ)これはどのくらい時間かかるものなんですか?
(梶田)手術時間はだいたい30分程度で終わるような手術なんですけど、もちろん全身麻酔をかけなきゃいけないとか、入院しなきゃいけないとか、それぞれメリットデメリットがあります。
(つボイ)どのくらいの期間入院するんでしょう?
(梶田)入院期間に関していうと、1週間程度入院していただいていることもありますが、どうしでも仕事が忙しい世代の方が多いので、そうすると数日(3~4日)で退院していかれる方もいます。
(つボイ)細かいこと聞きますが、その手術の日の夜の寝方とか、寝がえりをうったりそんなことはできるんでしょうか?
(梶田)手術のときもブロック注射を併用しますので、当日は大丈夫ですよ。
(つボイ)そうですか、良かった…。
(小高)安心してください。
(つボイ)ありがとうございました。
(小高)つボイさんのような怖がりさんもいますので、そもそも拘縮肩にならないようにするには、気をつけたほうが良いことってあるんですか?
(梶田)基本的には生活習慣で肩を良く動かすような人はなりにくいんですよ。デスクワークの人だったり、女性だったりは四十肩・五十肩になりやすいので、普段から肩を動かすように気をつけてください。よく言っているのは、『テーブルを隅々まで良く拭く』とか。
(小高)テーブルを拭く動作が大事なんですね。
(梶田)肩をよく使う動きになので、『テーブルを隅々まで拭く』とか、『洗濯物を上のほうで干すようにする』とか、あと体を拭くのも大事で、『背中をよく拭く』とかの動きをよくやってください。
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(つボイ)ということですかね。テーブル、これも隅々まで拭くというのが肩の良い運動になる。
(小高)テーブルもきれいになって良いですね。体を移動させながらこまめに拭いていちゃダメで、同じ場所で肩だけ動かしてテーブル全体を拭くのが肩のためには運動になる、ということだそうです。
(つボイ)はい!
(小高)さぁ、このコーナーではいろいろな病気について専門家の先生に解説していただいていますよね。
(つボイ)心臓とか脳卒中、前立腺がん、乳がん、不整脈、膝の痛み、今回の肩の痛み。色々な病気のことを教えてもらっていますね。
(小高)色々聞いていて思いますが、ほとんどの病気が『正しく治療すれば、普段通りの生活が取り戻せます』ということでしたね。
(つボイ)肝心なのは、早期発見・早期治療!
(小高)そのためには病気に対する正しい知識が必要になってきます。ラジオをお聞きのみなさんで、知りたい・取り上げてほしい病気や、「こんな症状って…」と思うことがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生をお呼びして、教えていただきます。
(つボイ)質問、お待ちいたしております。
(小高)『健康のつボ~肩の痛みについて~』でした。
(小高)先週は四十肩・五十肩、正式な病名では『拘縮肩』の治療法をお聞きしましたよね。
(つボイ)基本的には保存的治療(保存療法)でリハビリとか内服薬、注射療法で改善を図るんでしたね。
(小高)まず痛みをなくして、そのあとリハビリで狭くなった関節包を元に戻す、ということでしたが、リハビリしてもその関節包の広がりが十分でない場合は、さらに積極的な治療をするそうなんです。今日はこの拘縮肩の治療の2回目、その積極的な治療法について教えていただきます。梶田先生です。
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(梶田)まず3ヶ月程度リハビリをやることによって、治りやすい人・治りにくい人というのがだいたい分かれてきます。治りやすい人が3ヶ月(リハビリを)やると、肩の可動域もだいぶ出てきますし痛みも引いてくるんですが、3ヶ月程度リハビリを行っても良くならないという人に関しては、積極的な治療法を進めていきます。
(小高)積極的な治療法…。
(梶田)2つ方法はあるんですけど、1つは非観血的授動術 (ひかんけつてきじゅどうじゅつ)といって、ブロック注射を用いた治療法になります。これも最近、ここ4~5年ですねよく行われるようになってきましたが、超音波を使って肩にいく神経を選択的にブロック注射をして行きます。
(つボイ)どのあたりに打つもんなんですか?
(梶田)首のところですね。首のところに肩にいく神経があるんですけど、そこを選択的に注射をしていきます。これは最近、超音波がすごく画像が綺麗になったもんですから可能になったんですけども、ブロック注射をすることによって肩を無痛状態、痛みのない状態をつくってあげます。その間にも強引に肩を「えいっ!」っと動かして、関節の袋を強制的に破いてしまうという治療です。
(小高)袋が固くなるのが四十肩・五十肩でしたもんね。それを破いちゃうんですか!?
(梶田)破いてしまいます。
(小高)袋破て広げる?あえて聞きますけど、これはブロック注射で無痛状態にしないと相当痛いんですか?
(梶田)相当痛いと思いますね。
(つボイ)先生、僕は心配性なんですが、その麻酔が切れた時には痛みというのは消えているんですが?
(梶田)麻酔がだいたい5~6時間効くんですけど、麻酔が切れてくるとちょっと痛みが出ます。ただし、今まであったような四十肩・五十肩の痛みと違って、関節の中が腫れるような痛み、打撲の跡のような痛みになります。その痛みに関していうと、先が見えるといいますか、一週間程度で引いてきますので、患者さんたちには「必ず良くなってきますので」とお話しています。
(小高)2つあるとおっしゃっていましたが、もう一つは?
(梶田)もう一つは手術ですね。全身麻酔をかけて、関節鏡(かんせつきょう)を使うんですけど、肩に5mmぐらいの傷を3~4か所開けさせてもらって、固くなった関節の袋をハサミで直接切ってしまいます。手術に関しては直接見て固くなったところをハサミで切ってしまう治療法です。
(つボイ)これはどのくらい時間かかるものなんですか?
(梶田)手術時間はだいたい30分程度で終わるような手術なんですけど、もちろん全身麻酔をかけなきゃいけないとか、入院しなきゃいけないとか、それぞれメリットデメリットがあります。
(つボイ)どのくらいの期間入院するんでしょう?
(梶田)入院期間に関していうと、1週間程度入院していただいていることもありますが、どうしでも仕事が忙しい世代の方が多いので、そうすると数日(3~4日)で退院していかれる方もいます。
(つボイ)細かいこと聞きますが、その手術の日の夜の寝方とか、寝がえりをうったりそんなことはできるんでしょうか?
(梶田)手術のときもブロック注射を併用しますので、当日は大丈夫ですよ。
(つボイ)そうですか、良かった…。
(小高)安心してください。
(つボイ)ありがとうございました。
(小高)つボイさんのような怖がりさんもいますので、そもそも拘縮肩にならないようにするには、気をつけたほうが良いことってあるんですか?
(梶田)基本的には生活習慣で肩を良く動かすような人はなりにくいんですよ。デスクワークの人だったり、女性だったりは四十肩・五十肩になりやすいので、普段から肩を動かすように気をつけてください。よく言っているのは、『テーブルを隅々まで良く拭く』とか。
(小高)テーブルを拭く動作が大事なんですね。
(梶田)肩をよく使う動きになので、『テーブルを隅々まで拭く』とか、『洗濯物を上のほうで干すようにする』とか、あと体を拭くのも大事で、『背中をよく拭く』とかの動きをよくやってください。
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(つボイ)ということですかね。テーブル、これも隅々まで拭くというのが肩の良い運動になる。
(小高)テーブルもきれいになって良いですね。体を移動させながらこまめに拭いていちゃダメで、同じ場所で肩だけ動かしてテーブル全体を拭くのが肩のためには運動になる、ということだそうです。
(つボイ)はい!
(小高)さぁ、このコーナーではいろいろな病気について専門家の先生に解説していただいていますよね。
(つボイ)心臓とか脳卒中、前立腺がん、乳がん、不整脈、膝の痛み、今回の肩の痛み。色々な病気のことを教えてもらっていますね。
(小高)色々聞いていて思いますが、ほとんどの病気が『正しく治療すれば、普段通りの生活が取り戻せます』ということでしたね。
(つボイ)肝心なのは、早期発見・早期治療!
(小高)そのためには病気に対する正しい知識が必要になってきます。ラジオをお聞きのみなさんで、知りたい・取り上げてほしい病気や、「こんな症状って…」と思うことがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生をお呼びして、教えていただきます。
(つボイ)質問、お待ちいたしております。
(小高)『健康のつボ~肩の痛みについて~』でした。