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第6回 四十肩・五十肩(拘縮肩)の治療法


(小高)水曜日は『健康のつボ~肩の痛みについて~』。一宮西病院 整形外科部長 兼 肩関節センターセンター長の梶田 幸宏(かじた ゆきひろ)先生にお話を伺っています。

(小高)先週はいわゆる四十肩・五十肩、正式な病名では『拘縮肩』とはどういったものなのか教えていただきました。

(つボイ)肩が痛くて上がらないだけでは、別の病気の場合もあるということでしたね。

(小高)腱板断裂というね。他人に手伝ってもらっても肩が上がらない場合は拘縮肩(四十肩・五十肩)だそうなんですが、今日はそんな拘縮肩についてお聞きします。梶田先生です。



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(梶田)四十肩・五十肩は基本的には皆さん『保存療法』といって、手術じゃない方法で治ります。9割以上の方は手術必要ない病気になりますので、病院に来られた場合はリハビリを進めていきます。

(小高)リハビリ!?どんなリハビリをするんですか?

(梶田)リハビリは理学療法士の人にお願いするのですが、自分ではなかなか動きを出すのは難しいので、リハビリの先生達が肩を動かす、他動的に動かすというのが主体になってきます。

(つボイ)それは痛いんですか?

(梶田)最初は痛いので、最初のうちは肩ではなくって例えば肩甲骨だったり背骨の方を動かしたり、違う関節をちょっとずつ動かしていって、肩にどんどん近づいていくようなリハビリをしていきます。

(小高)回りから動かしていくわけですね~。

(梶田)そうです。

(つボイ)これってどのくらいかかるんですか?人によるでしょうけど。

(梶田)基本的には3ヶ月を目安に考えています。3ヶ月やって、動きがある程度出る人・出ない人って分かれてきますから、まずは3ヶ月のリハビリを目標にしています。

(小高)なんかこうお薬とかお注射とか、そういうのは無いんですか?

(梶田)注射自体は肩の関節の中で炎症を起こしているので、僕の場合だとステロイド注射を何回か注射をして行きます。ただし、たくさん打つと逆に副作用も出ますので、だいたい3回から5回ぐらいを目安に肩の中にステロイド注射をして、炎症を抑えてあげる。また飲み薬ももちろん出していくんですけども、炎症を抑えるような飲み薬であったり、あと最近だと夜間の痛みが強い人に関しては、夜間痛によく効く薬もありますから、患者さんの痛みが出る時間ですね、どういう時に痛いのかというのを確認しながらお薬を選択してきます。

(つボイ)ほぉ~。

(小高)やっぱり痛いときは我慢せずに、そういった消炎剤とかで一時的でも和らげたほうが良いんですか?

(梶田)関節の可動域が狭くなってしまっているので、できるだけ痛みを抑え込んで、痛みがない状態でできるだけリハビリをするのが良いと思います。

(つボイ)なるほど。そういう薬とリハビリは併用してやっていく、と。

(梶田)そうですね。

(小高)特に痛みの強い人っていうのは、そこからさらに治療が進むってこともあるんですか?

(梶田)そうですね。まずは3ヶ月間は今言ったような注射療法、リハビリ、あとは飲み薬で経過をみたりするんですけど、3ヶ月くらい診させてもらうと治りのいい人・悪い人というのがだいたい分かれてきます。特に夜間の痛みが強い人は、寝れないことすごく精神的にも身構えていますので、そうした場合にはちょっと踏み込んだ治療というのに変わっていきます。

(小高)でも段階を経て一番合った治療法をやっていくっていうことなので、何回も言うことになりますが、痛いの我慢してたら治るっていうわけでもないし、痛いのを我慢しながら自分流で動かしていたらそれが良いってわけでもないんですね。

(梶田)やっぱり自分でやるのが限界があるのでね。もちろん自分でも動かしてもらうんですけど、まずはリハビリに通ってもらって、誰か人の手を使いながら動かしてもらうのが治るポイントだと思います。

(小高)なんか、『バキッ』『ボキッ』みたいな感じじゃないんですね。

(梶田)そうですね(笑)。リハビリではなかなかそこまではやれないです。

(つボイ)痛いじゃんそんなん。ビックリしたわ。

(小高)なんかこう固まっているんだったら『ガッ!ガッ!』ってやれば良いのかなって思ったけど、そんな風にはしないから安心してください。

(つボイ)なんなの。

(小高)そこ聞いておかないと。ビックリすると困るから。やっぱりこうやってお聞きしていると、四十肩・五十肩も「病気だなぁ」「ちゃんとした治療ってあるんだなぁ」というこがわかりますね。

(梶田)関節の袋(関節包)は必ず元に戻りますので、リハビリが上手な先生がいると戻りも早いですし、逆になかなかリハビリの進みが悪い人っていうのは、関節包が固まったままになっているので、そこに関しては上手なリハビリと、注射だったりでできるだけ痛みがない状態を作るのが大事だと思います。

(つボイ)今の言葉でなんかね、頑張れそうな気がしますよね。病気によっては本当に治らないものもあるんですが、これをやればちゃんと治ってきますよ、というのはちょっと嬉しいですね。

(小高)心強いです。



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(つボイ)まずはリハビリの先生の手を借りて、肩をよく動かすことから治療がはじまる、というわけですね。

(小高)はい。来週はこの拘縮肩の『積極的な治療法』について教えていただきます。『健康のつボ~肩の痛みについて~』でした。



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