第12回 肩の脱臼について
(小高)水曜日は『健康のつボ~肩の痛みについて~』。一宮西病院 整形外科部長 兼 肩関節センターセンター長の梶田 幸宏(かじた ゆきひろ)先生にお話を伺っています。
(小高)先週はスポーツと肩の痛みについて伺いましたが、スポーツでは脱臼も多いのではないでしょうか。
(つボイ)日常でも、事故やそれ以外でも起こり得るケガですよね。
(小高)今日は『脱臼』についてお聞きします。梶田先生です。
~~~~~~~~
(梶田)特にラグビーやアメフトなどコンタクトするスポーツでは脱臼する方が多いですね。
(小高)医学的に言うと脱臼とはどのような状態なんでしょうか。
(梶田)肩関節脱臼というのは、肩というのは骨と骨の接触している面積が少ないんです。お皿の上にボールが乗っかっているような。よく例えられるのがゴルフボールがティーに乗っているような関節なんですけれども。骨の接触が少ないものですから、関節を支える周りの筋肉や靭帯が非常に重要になってきます。一度脱臼をすると、その骨を支えている靭帯が切れてしまいます。それがなかなか治りにくいので、若い人ほど一度脱臼すると脱臼癖がついてしまうんですね。
(つボイ)脱臼癖という言葉はよく聞きますよね。
(小高)脱臼しやすくなってしまうんですね。
(梶田)正式には反復性の肩関節脱臼という診断名になります。
(小高)脱臼と言う場合と亜脱臼と言う場合があると思うんですけど…これは関係性でいうとどういうものなんですか?
(梶田)脱臼は自分で戻そうとしても戻らない、例えば病院で戻してもらわないと治らないのが脱臼です。亜脱臼は自分で戻すことができるのが亜脱臼ですね。
(つボイ)ちょこっと外れかけみたいに思ってよろしいですか?
(梶田)そうですね。抜けかけたのか、完全に抜けちゃったかって感じですね。
(つボイ)やっぱり脱臼すると痛いんですか?亜脱臼も含めて…
(梶田)痛いですね。脱臼した時は本当に痛くて、場合によっては周りの神経や血管も傷つけるので、手が麻痺したりすることもあります。脱臼に関しては、若い人だと80パーセント以上の人が何度も何度も再発を繰り返すので、生活に支障が出てくれば手術の適用になってきます。
(つボイ)脱臼しないような形に持っていくわけですか。
(梶田)これも関節鏡を用いた治療になりますけども、破れた関節の袋、僕らは関節唇というんですが、これを縫い付けることで骨と骨の接触しているところを安定させます。
(小高)手術をすると、いわゆる脱臼癖というのがなくなるわけですか?
(梶田)はい。95パーセントがこの手術でよくなります。ただ、ラグビーやアメフトの様なすごく肩に負担がかかるスポーツの方もいますから、そういう方に関しては少し大きな手術をする場合があります。
(つボイ)常に大きな力がバーン!とかかってきますもんね、スポーツによっては。そうすると、大きな力がかかっても外れないような手術をするわけですか。
(梶田)そうですね。大きな力が加わっても外れないように、受け皿のほうを広げる手術なんですけれども、他の骨を移植することによって受け皿の面積を広げてあげるという手術があります。
(つボイ)結構大変な手術ですよね。
(梶田)そうですね。先程の手術に比べると、身体への侵襲が大きいのと、手術時間も少しかかりますね。
(つボイ)そういう場合はどこから骨をもってくるんですか?
(梶田)肩の中の烏口突起という比較的肩の中でも近いところにある骨なんですけれども、そこの骨をノミで切って移植していきます。
(つボイ)わ~~。
(小高)なんか脱臼っていうとね、よくドラマとかで見るような誰かにふんっ!て治してもらうイメージだったんですけど。そんなに大変なことにはならないと思ってましたけど、結構大変ですね。
(梶田)そうですね。一度脱臼してしまうと恐怖心が出ちゃうのと、ひどいときは寝てても外れちゃうとかそういう人もいらっしゃいますから。そういう人は手術したほうがいいと思います。
(つボイ)さっき小高さんが言ったような、ふんっ!てはめる人は余程の熟練がないと、違う!そこ違うわ!ってなりますもんね。(笑)
(梶田)そうですね。(笑)
(つボイ)やっぱりそういう場合は専門家のところへ行ってね、ふんっ!てするのはやめたほうがいいと思います。
(小高)ドラマの真似してもダメよってことね。
~~~~~~~~
(つボイ)ほんとにそうですよね。いったん外れると何回も外れるっていうのはね。
(小高)ね~、よく癖になるっていいますもんね。でもやっぱり、怪我したら専門の先生に診てもらってしっかり治してもらいましょう!ということでございました。
(小高)そしてこのコーナーでは、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)はい!質問をお待ちいたしております。
(小高)『健康のつボ~肩の痛みについて~』でした。
(小高)先週はスポーツと肩の痛みについて伺いましたが、スポーツでは脱臼も多いのではないでしょうか。
(つボイ)日常でも、事故やそれ以外でも起こり得るケガですよね。
(小高)今日は『脱臼』についてお聞きします。梶田先生です。
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(梶田)特にラグビーやアメフトなどコンタクトするスポーツでは脱臼する方が多いですね。
(小高)医学的に言うと脱臼とはどのような状態なんでしょうか。
(梶田)肩関節脱臼というのは、肩というのは骨と骨の接触している面積が少ないんです。お皿の上にボールが乗っかっているような。よく例えられるのがゴルフボールがティーに乗っているような関節なんですけれども。骨の接触が少ないものですから、関節を支える周りの筋肉や靭帯が非常に重要になってきます。一度脱臼をすると、その骨を支えている靭帯が切れてしまいます。それがなかなか治りにくいので、若い人ほど一度脱臼すると脱臼癖がついてしまうんですね。
(つボイ)脱臼癖という言葉はよく聞きますよね。
(小高)脱臼しやすくなってしまうんですね。
(梶田)正式には反復性の肩関節脱臼という診断名になります。
(小高)脱臼と言う場合と亜脱臼と言う場合があると思うんですけど…これは関係性でいうとどういうものなんですか?
(梶田)脱臼は自分で戻そうとしても戻らない、例えば病院で戻してもらわないと治らないのが脱臼です。亜脱臼は自分で戻すことができるのが亜脱臼ですね。
(つボイ)ちょこっと外れかけみたいに思ってよろしいですか?
(梶田)そうですね。抜けかけたのか、完全に抜けちゃったかって感じですね。
(つボイ)やっぱり脱臼すると痛いんですか?亜脱臼も含めて…
(梶田)痛いですね。脱臼した時は本当に痛くて、場合によっては周りの神経や血管も傷つけるので、手が麻痺したりすることもあります。脱臼に関しては、若い人だと80パーセント以上の人が何度も何度も再発を繰り返すので、生活に支障が出てくれば手術の適用になってきます。
(つボイ)脱臼しないような形に持っていくわけですか。
(梶田)これも関節鏡を用いた治療になりますけども、破れた関節の袋、僕らは関節唇というんですが、これを縫い付けることで骨と骨の接触しているところを安定させます。
(小高)手術をすると、いわゆる脱臼癖というのがなくなるわけですか?
(梶田)はい。95パーセントがこの手術でよくなります。ただ、ラグビーやアメフトの様なすごく肩に負担がかかるスポーツの方もいますから、そういう方に関しては少し大きな手術をする場合があります。
(つボイ)常に大きな力がバーン!とかかってきますもんね、スポーツによっては。そうすると、大きな力がかかっても外れないような手術をするわけですか。
(梶田)そうですね。大きな力が加わっても外れないように、受け皿のほうを広げる手術なんですけれども、他の骨を移植することによって受け皿の面積を広げてあげるという手術があります。
(つボイ)結構大変な手術ですよね。
(梶田)そうですね。先程の手術に比べると、身体への侵襲が大きいのと、手術時間も少しかかりますね。
(つボイ)そういう場合はどこから骨をもってくるんですか?
(梶田)肩の中の烏口突起という比較的肩の中でも近いところにある骨なんですけれども、そこの骨をノミで切って移植していきます。
(つボイ)わ~~。
(小高)なんか脱臼っていうとね、よくドラマとかで見るような誰かにふんっ!て治してもらうイメージだったんですけど。そんなに大変なことにはならないと思ってましたけど、結構大変ですね。
(梶田)そうですね。一度脱臼してしまうと恐怖心が出ちゃうのと、ひどいときは寝てても外れちゃうとかそういう人もいらっしゃいますから。そういう人は手術したほうがいいと思います。
(つボイ)さっき小高さんが言ったような、ふんっ!てはめる人は余程の熟練がないと、違う!そこ違うわ!ってなりますもんね。(笑)
(梶田)そうですね。(笑)
(つボイ)やっぱりそういう場合は専門家のところへ行ってね、ふんっ!てするのはやめたほうがいいと思います。
(小高)ドラマの真似してもダメよってことね。
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(つボイ)ほんとにそうですよね。いったん外れると何回も外れるっていうのはね。
(小高)ね~、よく癖になるっていいますもんね。でもやっぱり、怪我したら専門の先生に診てもらってしっかり治してもらいましょう!ということでございました。
(小高)そしてこのコーナーでは、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)はい!質問をお待ちいたしております。
(小高)『健康のつボ~肩の痛みについて~』でした。