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第11回 スポーツと肩の痛みについて


(小高)水曜日は『健康のつボ~肩の痛みについて~』。一宮西病院 整形外科部長 兼 肩関節センターセンター長の梶田 幸宏(かじた ゆきひろ)先生にお話を伺っています。

(小高)これまで拘縮肩、いわゆる四十肩・五十肩の事ですね、この治療法。そして腱板断裂の治療法というのを伺ってきました。

(つボイ)梶田先生はスポーツドクターでもあるんですね。

(小高)そうですね。中日ドラゴンズの選手も診たことがあるんですよ。今日は『スポーツと肩の痛み』についてお聞きします。梶田先生です。



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(梶田)スポーツ選手で肩を痛める人はよくいるんですけど、やっぱり一番多いのは野球選手。他にはバレーボールだったりテニスだったり、そういう競技の人が多いですね。

(つボイ)特にピッチャーの人が肩を痛めて云々…というようなことを聞きますもんね。

(梶田)一番多いのはピッチャーで、その次はやっぱり捕手ですね。キャッチャーです。

(つボイ)キャッチャーか。毎回投げて返して投げて返してと肩を使ってますもんね。

(小高)主にどういう所が痛むことが多いんですかね?

(梶田)肩の痛みは年齢によって分かれてくるんですけども、小学生だと骨の方で損傷を起こします。ただ年齢を重ねてくると骨が丈夫になってきますから、その代わり中にある筋肉であったり、骨と骨を繋いでる靭帯の損傷などがメインになっていきます。

(つボイ)これは自分で分かるわけですよね。そういう人は投げる時の痛みが走ると。

(梶田)投げる時に痛みは出るんですけども、投げる時にどこで痛いのか、例えばボールを持った時に痛いのか、ボールを投げた後に痛いのか、そういうところもまた変わっていきます。

(小高)やっぱり治療法はまずリハビリみたいなところから入るんですかね?

(梶田)そうですね。スポーツ選手の肩の痛みは、コンディションが悪い人が非常に多いですね。例えば股関節が硬かったり、うまく下半身が使えてなかったりとかですね。

(小高)下!?下半身なんですか?

(梶田)そうですね。基本的には下半身がうまく使えてなくて…。

(つボイ)肩ばっかりでやろうとすると。全身でうまくやれればそんなに肩の負担はないけども。

(小高)あぁ~。

(梶田)いわゆる“手投げ”という状態になるんですけども、肩甲骨がうまく使えていなかったりとか、そういうところを戻すことによって肩への負担が減りますから、それで痛みは取れることが多いです。

(小高)そうすると、先生がそういったスポーツ選手の治療をするときは診るのは肩じゃなくって、股関節だったり下半身のいろんな筋肉とかを診たりすることもあるってことですか?

(梶田)そうですね。ほとんど下半身ばかり診ていますね。下半身だったり時々背骨の並びだったり。

(小高)時々、「あれ?自分なんの先生だったけ…?」って思ったりしません?(笑)

(つボイ)スポーツはやっぱり全身ですから!全身のバランス・全身が機能しないと、その機能しない分肩の方に負担が来てしまうんですよね。

(梶田)そうですね。よく扁平足を治すと肩の痛みが治ったりすることもあります。全身を良く診ないといけないのが肩の難しいところです。

(つボイ)野球のコーチみたいですね。「これはちょっと投げる時の足の使い方が悪いぞ」とか、そういう所でも診断が出来るかもわからんですね。

(梶田)そうですね。小学生とかだと投球フォームを確かに肩の痛みの原因になりますから、そういうところも指導することもあります。

(小高)そして手術なんてことにもなるんですよね?

(梶田)スポーツ選手で手術に至るケースはほとんどないですね。実際には、プロの選手であっても1%も多分ないと思います。ほとんどは先ほど言ったような体のバランスであったりを整えることによって痛みがない状態が作れますから、あまり手術することはないですね。

(小高)今お聞きしていると、そのスポーツ選手と聞くと私はどうしてもプロ野球選手とか、大きなすごい大会に出ているような選手っていうイメージだったんですが、高校生とか、お子さんの話も出てきましたよね。

(梶田)はい。外来ではほとんどは小学生・中学生・高校生が多いです。でも小学生は肩ではなく肘の障害が多いので、その辺の肘の障害も僕が診るようにしています。

(小高)そっか、部活でね。ただ若くて知識もないから、なんか『肩の痛みは冷やしときゃなんとかなる』みたいな風に思ってる子もいるかもしれないからね。

(つボイ)そういう子もいると同時に、指導する先生も、やっぱりお医者さんの立場から見たら「間違った指導もあるなぁ‥」と思われることもあるんですよね?

(梶田)そうですね。 今僕は小学生の野球チームの対象にメディカルチェックをしてるんですけども、その時はチームのお父さん・お母さんだったり、チームの監督・コーチも集めて指導するようにしています。



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(つボイ)はい。未来ある若者たちですから、知識のないまま症状が悪化するというのはぜひ避けたいですね。

(小高)スポーツ選手の肩の痛みは下半身を上手に使って身体のバランスを整えることによってずいぶん和らげることができるそうですね。そして来週は、スポーツの現場はもちろん、日常的にも経験することがある『肩の脱臼』について教えていただきます。

(小高)そしてこのコーナーでは、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(つボイ)はい!質問をお待ちいたしております。

(小高)『健康のつボ~肩の痛みについて~』でした。



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