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第9回 大腸がんの治療とその後の生活


(小高)
このコーナーは「健康のつボ~胃腸の病気について~」食べて消化する胃や腸は、私たちの健康と切っても切れない関係。そんな胃腸の健康、胃腸の病気について、一宮西病院・消化器内科部長 消化器内視鏡センター長の東玲治(ひがしれいじ)先生にお話を伺っていきます。

(小高)
ここのところ「大腸」の病気についてうかがっています。

(つボイ)
先週は「大腸がん」でしたね、早期に発見できれば内視鏡での切除も可能であると。

(小高)
最近は、日本で開発されたESDという術法が多いとか。病変が表面だけの初期の場合は、剥ぎ取るスタイルのこのやり方は、病変部を取り残すことが少なく、完治するとのことです。もちろん病変部が深く、内視鏡治療での切除が難しい場合は、外科的な手術になる訳ですが、今日は、そうした色々な治療法による「大腸がん」の『その後の経過』について教えていただきます。東(ひがし)先生です。



~~~~~~~



(東)
まず、内視鏡による場合は患者さんの負担が本当に少ないので、一週間程度で、治療前と同じような日常生活をおくることができるようになります。

(つボイ)
一週間で!

(東)
一方、外科の手術の場合は、術後ウォーキングやストレッチなどの軽い運動から始めていただいて、1~2か月で術前の日常生活が送れるようになることが多いです。

(つボイ)
大分ちがいますね。

(小高)
1週間と1~2か月はね。

(東)
お腹を切るとやはり傷が治りきるまでには時間がかかりますね。

(小高)
なるほど。外科治療の場合は、やはりがんの程度や外科治療の方法等も色々あるんでしょうか?

(東)
大腸の場合の一番の問題は、がんの「場所」ですね。がんを取り除いた後の吻合(ふんごう)の場所が非常に重要になってきます。お尻からすぐの場所を繋いだ場合には、肛門がすぐ近くですので、下痢便が出たりだとか、あるいは何度も便意を感じたりすることはあると思います。

(小高)
ほうほう。

(東)
逆に肛門から離れたところでつないだ場合は、ほとんど症状が出ない場合が多いですね。

(小高)
場所によるんですね。

(東)
はい。あと、人工肛門になられた方の場合は、人工肛門って取り外したりするので、外出の際に、多機能トイレの場所を確認しておくことをおすすめします。

(小高)
なるほど・・・術後の生活環境も気にしなきゃいけない訳ですね。がんを切除した場所によっては。ちなみに、食事とかって術後変わったりするんでしょうか?

(東)
基本的にはあまりないですね。

(つボイ)
えっ何食べてもいいんですか。

(東)
基本的には食事制限は無いんですが、とにかく『ゆっくり噛んで、食べ過ぎない』というのが、一般的ですけど大事なことですね。

(小高)
ゆっくり噛んで。

(つボイ)
食べ過ぎない。

(東)
特に外科手術された場合は、術後1ヶ月ほどは腸の動きが悪いので、中には『腸閉塞』というのを起こす可能性もあるので。わかめ等の海藻類ですとか、食物繊維の多い食べものは控えて頂いた方が。

(小高)
えっと、例えば何でしょう?ごぼうとか?

(東)
ごぼうとか、タケノコとか。

(つボイ)
逆なイメージですね!?お腹にいいって聞いてましたけど・・・術後は避けたほうがいいんですね。

(小高)
え~~ん・・・筍ご飯食べたいぞ。

(東)
(笑)

(つボイ)
そしたら君、秋にやったらええわ(笑)

(小高)
まあ、その後退院ということになると思いますが、退院後は病院に通う必要はあるんでしょうか?

(東)
そうですね、内視鏡の場合で『しっかりがんが取りきれた』という方は一年後に大腸カメラを受けていただいて。その後がんとかポリープとか無いようでしたら3年に1度くらいの間隔で大腸カメラを受けていただくのがよろしいかと思います。

(小高)
3年に1度なら、ね?普通に私達もやりますし。

(東)
外科手術の場合はステージによって変わってくるところもあるんですけど、やはりがんが残ってることも・・・無いとは言えませんので。3ヵ月に一回、血液検査をしたいです。半年に一回CTで再発が無いか検査します。で、基本がんというのは5年間何事もなければ大丈夫、基本的には治りましたよという基準がありますので。5年を目安に、5年間再発が無ければ安心していただいて大丈夫かと。

(つボイ)
5年ですね。目安として。

(小高)
あっ!先生!大事な事を聞き忘れていました!『お酒』はどうなんでしょうか?

(東)
なかなか難しい質問なんですけれども(笑)まずは術後1ヶ月は控えられた方がよろしいかと(笑)

(小高)
わかりました!気を付けよう(笑)やはり今のお話を聞いても、術後のことに関して言っても、やはり内視鏡の方が本当に負担が軽いって分かりますね。

(つボイ)
たしかにね~。



~~~~~~~



(つボイ)
大腸がんも、多くの方が経験されているようですね。

(小高)
お便り届いてますよ。

(つボイ)
え~、RN.お殿様だっこさんから頂いております。「最近ようやく自分の状況を受け入れることができました・・・原発部のがんがある、下降結腸を切除しその時小腸に一部逡巡したために小腸も部分切除してつなぎ合わせました。現在、化学療法継続中です!大腸がんステージ4とか、人工肛門の特集があれば体験談をお話できますよ。」ということで・・・まさにこの方向き合っていらっしゃるということですね。冷静な話が聞けるようになった、ということですね?

(小高)
ね。「体調があまりよくない」と、この方書かれてますけれど。「コロナ禍明けたらリスナー集会開催してください、つボイさんとお話したいです。」とも書かれています。

(つボイ)
私もぜひお話したいです。

(小高)
なんであれ、目標があるのはいいことですよね。大腸がんは、治療法、そしてがんの発生場所・ステージなどによって術後の過ごし方も変わって来るそうです。いま「健康だから」と思っている方も安心せず、一定の年齢になったらぜひ検査をして、早期発見に努めてください。来週も東先生お話聞いていきます。

(小高)
『健康のつボ~胃腸の病気について~』でした。



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