第5回 色々な治療法
(小高)
水曜日のこの時間は『健康のつボ~不整脈について~』。一宮西病院 不整脈センター センター長の古川善郎(ふるかわ よしお)先生にお話を伺っております!
(小高)
さあ、不整脈というのは“正常な脈ではない脈を打つこと”の総称で、その原因や症状には様々な種類があるということでしたよね。
(つボイ)
この不整脈の種類によって治療法も変わってくるとは思うんですけども、どんな治療法があるかちょっと気になりますね。
(小高)
私の不整脈の場合はね、カテーテルアブレーションという治療法でもって、不整脈の原因になっている心臓の場所までカテーテルでずっと管を通して、そこをジュッと焼くんです。
(つボイ)
焼く!?
(小高)
そういう治療を受けました。
(つボイ)
部分とはいて焼くだなんて、聞いてるだけで胸焼けがしそうな気がする…。
(小高)
ちょっとびっくりしますけど、これは割と一般的な治療法だということですよ。
(つボイ)
そうなんですか。
(小高)
で、不整脈の治療はほかにもいろいろあるので、今日は色々な治療法について、一宮西病院 不整脈センター センター長の古川先生にお聞きします 。
~~~~~~~~
(古川)
大きく分けて不整脈の治療法というのは、お薬(薬物)による治療と、お薬以外(非薬物)による治療に分かれると思います。例えば、脈が遅いことに対するペースメーカーであったり、不整脈の原因を根治させるカテーテルアブレーション/カテーテル治療というのが非薬物治療になります。
(小高)
私もカテーテル治療って聞いたとき、「えっ!手術ですか!?」って聞いたんですけど、アブレーションというのは内科的治療なんですね。
(古川)
そうですね。外科の先生が胸を開いて直接心臓を触るというのではなくて、足の付け根から細い管を入れます。この細い管ことを『カテーテル』といいます。そのカテーテルを心臓に当てまして、原因となる細胞を焼灼(しょうしゃく)、焼いてしまいます。最近は冷やすという方法もあるんですが、原因となる細胞を傷害させることがアブレーションというものなんです。
(つボイ)
「熱っっっ!!」っとなった?
(小高)
そうやってね、「熱いですか?」って私も聞きましたよ。でもそんな「熱い」というのではなかったですね。
(古川)
患者さんによっては痛みを訴える方もいらっしゃるんですけども、当院ではアブレーションをやるときの多くは全身麻酔に近い状態でやるので患者さんも寝てしまっています。
(つボイ)
あんた全身麻酔だった?
(小高)
私はね、部分麻酔なの。
(古川)
そうですね。局所麻酔でやる場合もありますけど、最近では全身麻酔でやる方法も増えています。
(小高)
『焼く』ってびっくりしません?心臓の細胞を壊死(えし)させるんだって。
(つボイ)
食べ過ぎたときに『胸が焼ける』っていうのがあるけど、それとはまた違うんですよね。
(小高)
違います!壊死させるってことだから、私も話を聞いたときに「え、一部分でも心臓を壊死させるって大丈夫なの?」って思いました。
(古川)
ごくごく数mmなので、ほとんど心臓の機能に影響は特にないと思います。
(つボイ)
細かい作業なんでしょうね。
(古川)
そうですね。最近は三次元(3D)で心臓を見れるような機械も発達してますので、心臓の場所とかもわかりやすくて、僕たちにとってはすごく治療がやりやすくなってきています
(小高)
私の場合は心房細動という、言ってみれば“鼓動乱れ打ち”みたいなものの治療でカテーテルアブレーションをやったんですけれど、同時に私がやったということで言えばお薬による治療もありました。
(つボイ)
これ、薬だけでも良いんですか?平行してやるものですか?
(古川)
基本的にはカテーテルアブレーションは根治を目指すものなので、最終的にカテーテルアブレーションの場合は「お薬をなしにしよう」というのが僕らの目指すところです。でも手術をするというのは患者さんにとってハードルが高いので、最初はお薬を選択される患者さんもやっぱりいらっしゃいます。お薬にもいろいろなタイプがありますので、患者さんに合わせていろんな薬を試してみるっていう方法が取れると思います。ただお薬というのは心臓を抑え込むようなお薬ですので、副作用の問題ですとか、特に心臓が悪いという患者さんに対して使えるお薬はすごく限られてきますので、可能なら、僕らは根治を目指すアブレーションはお勧めすることが最近は多くなってきています。それぐらい有効性も安全性も上がってきているというのが実情ですね。
(小高)
あと、ドラマなんかで「私の体にはペースメーカーが埋まっている…」みたいなセリフありますけど、ペースメーカーというのは以前伺った不整脈の種類のなかで、何に使う治療なんですか?
(古川)
今お話ししたアブレーションは基本的には『頻脈』、脈がすごく早いことに対する治療法なんですが、ペースメーカーというのは逆に脈が遅くなる人(徐脈)に対する治療が中心です。例えばすごく脈が遅い人、あるいは突然心臓が数秒から10秒ぐらい止まってしまう人、そういったことで失神、気を失ったりするような人は、症状が出たときにペースメーカーで脈を心臓に打たせることで失神を防ぐことができます。
(小高)
不整脈の種類によって、それからその患者さんの状態によって、こういった色々な治療方法を選んだり組み合わせたりしながら治療するんですね。
(古川)
そうです。
~~~~~~~~
(つボイ)
脈が遅くなる人と早くなる人では治療法が違ってくる、ということでしたね。
(小高)
はい。だからまず不整脈がある人は、自分がどんな症状で何が原因かというのをまず診断してもらうところから始まるわけですね。来週は『治療が必要な不整脈』をそのタイプごとに古川先生に詳しく教えていただきます。『健康のつボ~不整脈について~』でした。
水曜日のこの時間は『健康のつボ~不整脈について~』。一宮西病院 不整脈センター センター長の古川善郎(ふるかわ よしお)先生にお話を伺っております!
(小高)
さあ、不整脈というのは“正常な脈ではない脈を打つこと”の総称で、その原因や症状には様々な種類があるということでしたよね。
(つボイ)
この不整脈の種類によって治療法も変わってくるとは思うんですけども、どんな治療法があるかちょっと気になりますね。
(小高)
私の不整脈の場合はね、カテーテルアブレーションという治療法でもって、不整脈の原因になっている心臓の場所までカテーテルでずっと管を通して、そこをジュッと焼くんです。
(つボイ)
焼く!?
(小高)
そういう治療を受けました。
(つボイ)
部分とはいて焼くだなんて、聞いてるだけで胸焼けがしそうな気がする…。
(小高)
ちょっとびっくりしますけど、これは割と一般的な治療法だということですよ。
(つボイ)
そうなんですか。
(小高)
で、不整脈の治療はほかにもいろいろあるので、今日は色々な治療法について、一宮西病院 不整脈センター センター長の古川先生にお聞きします 。
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(古川)
大きく分けて不整脈の治療法というのは、お薬(薬物)による治療と、お薬以外(非薬物)による治療に分かれると思います。例えば、脈が遅いことに対するペースメーカーであったり、不整脈の原因を根治させるカテーテルアブレーション/カテーテル治療というのが非薬物治療になります。
(小高)
私もカテーテル治療って聞いたとき、「えっ!手術ですか!?」って聞いたんですけど、アブレーションというのは内科的治療なんですね。
(古川)
そうですね。外科の先生が胸を開いて直接心臓を触るというのではなくて、足の付け根から細い管を入れます。この細い管ことを『カテーテル』といいます。そのカテーテルを心臓に当てまして、原因となる細胞を焼灼(しょうしゃく)、焼いてしまいます。最近は冷やすという方法もあるんですが、原因となる細胞を傷害させることがアブレーションというものなんです。
(つボイ)
「熱っっっ!!」っとなった?
(小高)
そうやってね、「熱いですか?」って私も聞きましたよ。でもそんな「熱い」というのではなかったですね。
(古川)
患者さんによっては痛みを訴える方もいらっしゃるんですけども、当院ではアブレーションをやるときの多くは全身麻酔に近い状態でやるので患者さんも寝てしまっています。
(つボイ)
あんた全身麻酔だった?
(小高)
私はね、部分麻酔なの。
(古川)
そうですね。局所麻酔でやる場合もありますけど、最近では全身麻酔でやる方法も増えています。
(小高)
『焼く』ってびっくりしません?心臓の細胞を壊死(えし)させるんだって。
(つボイ)
食べ過ぎたときに『胸が焼ける』っていうのがあるけど、それとはまた違うんですよね。
(小高)
違います!壊死させるってことだから、私も話を聞いたときに「え、一部分でも心臓を壊死させるって大丈夫なの?」って思いました。
(古川)
ごくごく数mmなので、ほとんど心臓の機能に影響は特にないと思います。
(つボイ)
細かい作業なんでしょうね。
(古川)
そうですね。最近は三次元(3D)で心臓を見れるような機械も発達してますので、心臓の場所とかもわかりやすくて、僕たちにとってはすごく治療がやりやすくなってきています
(小高)
私の場合は心房細動という、言ってみれば“鼓動乱れ打ち”みたいなものの治療でカテーテルアブレーションをやったんですけれど、同時に私がやったということで言えばお薬による治療もありました。
(つボイ)
これ、薬だけでも良いんですか?平行してやるものですか?
(古川)
基本的にはカテーテルアブレーションは根治を目指すものなので、最終的にカテーテルアブレーションの場合は「お薬をなしにしよう」というのが僕らの目指すところです。でも手術をするというのは患者さんにとってハードルが高いので、最初はお薬を選択される患者さんもやっぱりいらっしゃいます。お薬にもいろいろなタイプがありますので、患者さんに合わせていろんな薬を試してみるっていう方法が取れると思います。ただお薬というのは心臓を抑え込むようなお薬ですので、副作用の問題ですとか、特に心臓が悪いという患者さんに対して使えるお薬はすごく限られてきますので、可能なら、僕らは根治を目指すアブレーションはお勧めすることが最近は多くなってきています。それぐらい有効性も安全性も上がってきているというのが実情ですね。
(小高)
あと、ドラマなんかで「私の体にはペースメーカーが埋まっている…」みたいなセリフありますけど、ペースメーカーというのは以前伺った不整脈の種類のなかで、何に使う治療なんですか?
(古川)
今お話ししたアブレーションは基本的には『頻脈』、脈がすごく早いことに対する治療法なんですが、ペースメーカーというのは逆に脈が遅くなる人(徐脈)に対する治療が中心です。例えばすごく脈が遅い人、あるいは突然心臓が数秒から10秒ぐらい止まってしまう人、そういったことで失神、気を失ったりするような人は、症状が出たときにペースメーカーで脈を心臓に打たせることで失神を防ぐことができます。
(小高)
不整脈の種類によって、それからその患者さんの状態によって、こういった色々な治療方法を選んだり組み合わせたりしながら治療するんですね。
(古川)
そうです。
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(つボイ)
脈が遅くなる人と早くなる人では治療法が違ってくる、ということでしたね。
(小高)
はい。だからまず不整脈がある人は、自分がどんな症状で何が原因かというのをまず診断してもらうところから始まるわけですね。来週は『治療が必要な不整脈』をそのタイプごとに古川先生に詳しく教えていただきます。『健康のつボ~不整脈について~』でした。