第11回 心室性不整脈の治療法
(小高)
水曜日のこの時間は『健康のつボ~不整脈について~』。一宮西病院 不整脈センター センター長の古川善郎(ふるかわ よしお)先生にお話を伺っております!
(つボイ)
はい!いろんな不整脈の中でも、心室性の不整脈は怖いぞということでした。
(小高)
怖いものもありますよということでしたね。特に「心室細動」、これはもう突然死に至ることもあるので要注意ってことでしたよね。
(つボイ)
ね~。心室細動を考えるには不整脈だけでなく心臓の病気を考えておくことが必要、ということでしたよね。
(小高)
はい。そんな怖い心室細動には、一体どんな準備をしておけばいいんでしょうか?古川先生です 。
~~~~~~~~
(古川)
一番昔からされているのは薬物療法、お薬による治療だと思うんですけどね。ただこれも、1990年代から不整脈に対する治療っていうのは臨床研究がされてたんですけども、ほとんどの薬というのは、特に心機能が悪い人、心筋梗塞ですとか心筋症っていう心臓の悪い人に対しては不整脈の薬というのは実はほとんど使えないんですね。不整脈の薬は心臓を抑え込もうとするお薬なんで、やっぱりそういった心機能の悪い人に使うべきでないっていうのが今はわかってきています。
(小高)
これまでの先生の話を聞いていると、お薬ももちろん有効な時もあるんだけど、どちらかと言うと今ある状態をちょっと抑えるとか引き延ばすみたいな感じで、これで治るっていうものではないんですね。
(古川)
そうです。しかも今回相手は突然死を起こすわけなので、例えば突然死を起こさない不整脈でしたら、お薬にしてもアブレーションっていう方法にしても、もし再発してもその時はもう一度治療すれば良いという考えもできるんですけども、この突然死を起こすような不整脈は、次に起こった時に対応できなければその人は亡くなってしまうかもしれないわけですので、やっぱりそういった状況を防ぐ、突然死を防ぐというのが一番重要なことになってくると思います。それが植え込み型除細動器というものなんですね。これはペースメーカーよりもちょっと大きいんですけども、同じように鎖骨の下に組み込んで、リード線を心臓まで入れておくんですね。そのリード線が心臓の動きを認識してて、ひとたび不整脈が起こった時は、よくテレビとかで電気ショックをドンってするような…。
(小高)
AED!
(古川)
そうです。電気ショックをすると思うんですけど、それをこの機械がやってくれるというものです。
(小高)
AEDの役目をするような機械を植え込んでおく?
(古川)
AEDはそこに倒れている人に貼るという行為が必要なんですけど、これはもう植え込んでいますので24時間ずっと監視してくれるわけなんです。
(小高)
じゃあもうその子(機械)が「やらなきゃ」ってときにドン!とやってくれるんですね。
(古川)
そうです。最近では皮下植込み型の除細動器も出ています。植込み型除細動器のことをICDって言うんですけども、皮下植え込み型除細動器は SICD と言ってます。これはわき腹にいれて、リード線を心臓の前の皮膚の下に植え込んで、そこでずっと監視して、同じように不整脈が起こったら電気ショックをするっていう方法があります。
(つボイ)
ほーん…。
(古川)
こういうのを植え込んでおいて、お薬ですとかアブレーションっていうのは確かにそれで有効なこともあるんですけども、あくまでも現段階では補助的役割と言いますか、回数を減らすっていうことがメインの考えになっています。
(小高)
緊急度が高いので、そういった場合にはお薬であったりアブレーションであったりで対応て、最終的な治療を目指すというところでいくと、この除細動器が…。
(古川)
あ!除細動器はあくまで治療ではなくて、起こった不整脈を止めるだけです。不整脈を予防するわけじゃなくて、あくまでも起こった時に電気ショックを与える。で、電気ショックで不整脈を止めて、突然死を予防するものです。不整脈自体は起こるかもしれないけど、起こっても大丈夫なようにするってのが ICD の役割です。
(つボイ)
ICDというのは、1回使ったらどのくらい使えるもんなんですか?
(古川)
電気ショックを何回も何回もやったら電池の寿命は短くはなりますけど、一度も使わなければ、最近のものは長くなってきていて7年8年ぐらいは保つようにはなってきています。
(つボイ)
7~8年と…。
(小高)
どのぐらい不整脈を起こしたかとか、どのぐらい除細動器が稼働したかっていうことも含めながら、定期的に調子を見て、様子を見ていくということになるんですね。
(古川)
そうです。もちろん不整脈が何回も起こるようであれば、アブレーションをしてその回数を減らすのが重要にもなります。ICD は植え込んでいるんですけど、あくまでもお守りっていう状態にするのが一番いいと思っています。もし起こっても大丈夫なようにしている、というのがICDの役割です。
~~~~~~~~
(つボイ)
はい。心室細動が考えられる時には、植え込み型除細動器とのことです。
(小高)
除細動器は心室細動の治療法、つまり治すというものではないですね。心室細動が起こった時にそれを止める役割、だから先生もおっしゃていた「お守り」のようなものということでした。
(つボイ)
はい!
(小高)
来週も古川先生に不整脈について教えていただきます。『健康のつボ~不整脈について~』でした。
水曜日のこの時間は『健康のつボ~不整脈について~』。一宮西病院 不整脈センター センター長の古川善郎(ふるかわ よしお)先生にお話を伺っております!
(つボイ)
はい!いろんな不整脈の中でも、心室性の不整脈は怖いぞということでした。
(小高)
怖いものもありますよということでしたね。特に「心室細動」、これはもう突然死に至ることもあるので要注意ってことでしたよね。
(つボイ)
ね~。心室細動を考えるには不整脈だけでなく心臓の病気を考えておくことが必要、ということでしたよね。
(小高)
はい。そんな怖い心室細動には、一体どんな準備をしておけばいいんでしょうか?古川先生です 。
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(古川)
一番昔からされているのは薬物療法、お薬による治療だと思うんですけどね。ただこれも、1990年代から不整脈に対する治療っていうのは臨床研究がされてたんですけども、ほとんどの薬というのは、特に心機能が悪い人、心筋梗塞ですとか心筋症っていう心臓の悪い人に対しては不整脈の薬というのは実はほとんど使えないんですね。不整脈の薬は心臓を抑え込もうとするお薬なんで、やっぱりそういった心機能の悪い人に使うべきでないっていうのが今はわかってきています。
(小高)
これまでの先生の話を聞いていると、お薬ももちろん有効な時もあるんだけど、どちらかと言うと今ある状態をちょっと抑えるとか引き延ばすみたいな感じで、これで治るっていうものではないんですね。
(古川)
そうです。しかも今回相手は突然死を起こすわけなので、例えば突然死を起こさない不整脈でしたら、お薬にしてもアブレーションっていう方法にしても、もし再発してもその時はもう一度治療すれば良いという考えもできるんですけども、この突然死を起こすような不整脈は、次に起こった時に対応できなければその人は亡くなってしまうかもしれないわけですので、やっぱりそういった状況を防ぐ、突然死を防ぐというのが一番重要なことになってくると思います。それが植え込み型除細動器というものなんですね。これはペースメーカーよりもちょっと大きいんですけども、同じように鎖骨の下に組み込んで、リード線を心臓まで入れておくんですね。そのリード線が心臓の動きを認識してて、ひとたび不整脈が起こった時は、よくテレビとかで電気ショックをドンってするような…。
(小高)
AED!
(古川)
そうです。電気ショックをすると思うんですけど、それをこの機械がやってくれるというものです。
(小高)
AEDの役目をするような機械を植え込んでおく?
(古川)
AEDはそこに倒れている人に貼るという行為が必要なんですけど、これはもう植え込んでいますので24時間ずっと監視してくれるわけなんです。
(小高)
じゃあもうその子(機械)が「やらなきゃ」ってときにドン!とやってくれるんですね。
(古川)
そうです。最近では皮下植込み型の除細動器も出ています。植込み型除細動器のことをICDって言うんですけども、皮下植え込み型除細動器は SICD と言ってます。これはわき腹にいれて、リード線を心臓の前の皮膚の下に植え込んで、そこでずっと監視して、同じように不整脈が起こったら電気ショックをするっていう方法があります。
(つボイ)
ほーん…。
(古川)
こういうのを植え込んでおいて、お薬ですとかアブレーションっていうのは確かにそれで有効なこともあるんですけども、あくまでも現段階では補助的役割と言いますか、回数を減らすっていうことがメインの考えになっています。
(小高)
緊急度が高いので、そういった場合にはお薬であったりアブレーションであったりで対応て、最終的な治療を目指すというところでいくと、この除細動器が…。
(古川)
あ!除細動器はあくまで治療ではなくて、起こった不整脈を止めるだけです。不整脈を予防するわけじゃなくて、あくまでも起こった時に電気ショックを与える。で、電気ショックで不整脈を止めて、突然死を予防するものです。不整脈自体は起こるかもしれないけど、起こっても大丈夫なようにするってのが ICD の役割です。
(つボイ)
ICDというのは、1回使ったらどのくらい使えるもんなんですか?
(古川)
電気ショックを何回も何回もやったら電池の寿命は短くはなりますけど、一度も使わなければ、最近のものは長くなってきていて7年8年ぐらいは保つようにはなってきています。
(つボイ)
7~8年と…。
(小高)
どのぐらい不整脈を起こしたかとか、どのぐらい除細動器が稼働したかっていうことも含めながら、定期的に調子を見て、様子を見ていくということになるんですね。
(古川)
そうです。もちろん不整脈が何回も起こるようであれば、アブレーションをしてその回数を減らすのが重要にもなります。ICD は植え込んでいるんですけど、あくまでもお守りっていう状態にするのが一番いいと思っています。もし起こっても大丈夫なようにしている、というのがICDの役割です。
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(つボイ)
はい。心室細動が考えられる時には、植え込み型除細動器とのことです。
(小高)
除細動器は心室細動の治療法、つまり治すというものではないですね。心室細動が起こった時にそれを止める役割、だから先生もおっしゃていた「お守り」のようなものということでした。
(つボイ)
はい!
(小高)
来週も古川先生に不整脈について教えていただきます。『健康のつボ~不整脈について~』でした。