第4回 早期発見の重要性
(小高)
「健康のつボ~肺がんについて~」。日本人の死因第1位の「がん」の中でも、死亡者数が一番多い「肺がん」について、一宮西病院副院長 呼吸器内科部長 竹下正文(たけしたまさふみ)先生に教えていただきます。
(つボイ)
肺がんは初期症状があまりなくて、症状が出て来た時には転移している可能性があるということなんですよね~。
(小高)
進んじゃってるというね。だからこそ早期発見が重要になってくるということですね。今日はその早期発見の必要性について伺います。竹下先生です。
~~~~~~~~
(竹下)
肺がんっていうのはやっぱり、肺の端に出来る肺がんというのは本当に症状が出にくいというのがまず第一点あるのと、肺がん特有の症状がなくて、肺がんで起こってくる症状というのが、呼吸器系疾患全般的に起こってくる症状と似ているっていうのがあるんですね。咳、痰が出るとか、息苦しいとか、血液の混じった痰が出ちゃうとか、ある程度進行しちゃうと胸の痛みが出ちゃうとか。気管支に細くなるような病変があるとゼーゼー言うとかが出てくるんですけど。でもやっぱり、肺がんだけじゃなくて、一般的な呼吸器疾患でも出てくるような症状なんですよね。
(小高)
咳とか痰とかっていうのは、私たちも日常的にちょっと風邪とか引いた時に出るものなんですけど、肺がんによる咳っていうのはそういった咳と変わらないものなんですか?
(竹下)
変わらないんですけど、長く続く咳っていうのは、1枚レントゲンを撮ると早期発見ができる可能性があるので、長引く咳というのは病院を受診するきっかけになるのかなと思いますね。
(小高)
しんどいなって思い出す頃は、結構進んじゃってるってことなんですか?
(竹下)
そうですね。肺がんで症状が出てくる時は、進んじゃってるケースが多いのと、逆に進んでしまうと、呼吸器症状ではなくて先に脳とか骨とか肝臓、副腎ていうところに飛びやすいんですね。例えば脳に飛んでしまうと、麻痺が出たり、ムカムカする症状が先に出たり、骨に飛んでしまうと痛みがでるとか。そういった転移先の症状で見つかることもあるんですよね。
(つボイ)
咳だけ出て、あぁ検査に行こう!とはなかなか思いませんもんねぇ。
(竹下)
思わないですよね~。
(小高)
症状が出て病院に行って見つかった場合、進み具合ってどれくらいで発見されたりするものなんですか?
(竹下)
それもなかなかケースバイケースなんですよね。咳が出ていても、例えば肺に大きい病変があってもリンパに飛んでいないとか、遠隔転移がなければ早い段階になるし、逆に言えば小さい病変でもリンパ節とかに飛んでいれば進行しちゃうし、というのがあるんでケースバイケースかなと思いますね。
(つボイ)
そう考えると怖いですね~。
(小高)
肺がんの生存率っていうんですかね、進み具合と生存率っていうのはどんな感じなんですか?
(竹下)
肺がん全体の生存率っていうのはすごく上がってきていて、肺がん全体でも5年生存率が30~40%まで上がってきているんですね。細かく言うとⅠ期であれば5年生存率は80%くらい、Ⅱ期であれば50%くらい。Ⅲ期もだんだん進歩してきていて、5年生存率も3割くらいは期待できるようになっています。Ⅳ期もですね、Ⅳ期といったらかなり進行しているんですけれども、20年前は5年生存率が3%だったんですが、それが今は20%を超えるくらいまでⅣ期の肺がんもどんどん生存率が上がってきているのが現状です。
(小高)
肺がんも最初は咳とか、そういった症状が出てくるんですか?今の数字を聞くと、進んでいても、「あぁもう絶対ダメだ」と諦めなくても、まだまだいろんな治療法があるよということなんでしょうけど、やっぱり今の数字聞いたら、見つかるとしたらステージⅠ、せめてステージⅡで見つけてほしい感じですよね。
(竹下)
ステージⅠ、Ⅱで見つけられたら、根治が期待できる可能性がぐっと上がるので、そこで見つかるといいなと思いながら臨床しています。
(小高)
さっき言ってたこのステージというのは、どういう風に分類しているんですか?
(竹下)
そうですね、また細かい話なんですけど。簡単にわかりやすく言うと、ステージⅠは肺にがんが出来るだけです。ステージⅡになると肺がんと同側、例えば右側に肺がんが出来たら右の肺門と言われる同じ側のリンパが腫れているだけがⅡ期です。ステージⅢになってくるとですね、このリンパ節の腫れが同側だけでなく、真ん中くらい(縦隔(じゅうかく)といわれるところ)のリンパまで腫れてくるとⅢ期、ステージⅣは簡単にいうと遠隔転移があること。いわゆるさっき言った、脳、骨、肝臓、副腎に転移しやすいんですけど、そこに1か所でも転移があったらⅣ期と言って。Ⅳ期というと進行期ってことになります。
~~~~~~~~
(つボイ)
ステージⅠでは症状がほとんどないので、やっぱりレントゲンなどの定期検査が重要になてきますね。
(小高)
大切ですね!来週は、「早期発見のための検査」についてお聞きしていきます。そしてこのコーナーでは、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)
質問、お待ちしていますよ!!
(小高)
『健康のつボ~肺がんについて~』でした。
「健康のつボ~肺がんについて~」。日本人の死因第1位の「がん」の中でも、死亡者数が一番多い「肺がん」について、一宮西病院副院長 呼吸器内科部長 竹下正文(たけしたまさふみ)先生に教えていただきます。
(つボイ)
肺がんは初期症状があまりなくて、症状が出て来た時には転移している可能性があるということなんですよね~。
(小高)
進んじゃってるというね。だからこそ早期発見が重要になってくるということですね。今日はその早期発見の必要性について伺います。竹下先生です。
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(竹下)
肺がんっていうのはやっぱり、肺の端に出来る肺がんというのは本当に症状が出にくいというのがまず第一点あるのと、肺がん特有の症状がなくて、肺がんで起こってくる症状というのが、呼吸器系疾患全般的に起こってくる症状と似ているっていうのがあるんですね。咳、痰が出るとか、息苦しいとか、血液の混じった痰が出ちゃうとか、ある程度進行しちゃうと胸の痛みが出ちゃうとか。気管支に細くなるような病変があるとゼーゼー言うとかが出てくるんですけど。でもやっぱり、肺がんだけじゃなくて、一般的な呼吸器疾患でも出てくるような症状なんですよね。
(小高)
咳とか痰とかっていうのは、私たちも日常的にちょっと風邪とか引いた時に出るものなんですけど、肺がんによる咳っていうのはそういった咳と変わらないものなんですか?
(竹下)
変わらないんですけど、長く続く咳っていうのは、1枚レントゲンを撮ると早期発見ができる可能性があるので、長引く咳というのは病院を受診するきっかけになるのかなと思いますね。
(小高)
しんどいなって思い出す頃は、結構進んじゃってるってことなんですか?
(竹下)
そうですね。肺がんで症状が出てくる時は、進んじゃってるケースが多いのと、逆に進んでしまうと、呼吸器症状ではなくて先に脳とか骨とか肝臓、副腎ていうところに飛びやすいんですね。例えば脳に飛んでしまうと、麻痺が出たり、ムカムカする症状が先に出たり、骨に飛んでしまうと痛みがでるとか。そういった転移先の症状で見つかることもあるんですよね。
(つボイ)
咳だけ出て、あぁ検査に行こう!とはなかなか思いませんもんねぇ。
(竹下)
思わないですよね~。
(小高)
症状が出て病院に行って見つかった場合、進み具合ってどれくらいで発見されたりするものなんですか?
(竹下)
それもなかなかケースバイケースなんですよね。咳が出ていても、例えば肺に大きい病変があってもリンパに飛んでいないとか、遠隔転移がなければ早い段階になるし、逆に言えば小さい病変でもリンパ節とかに飛んでいれば進行しちゃうし、というのがあるんでケースバイケースかなと思いますね。
(つボイ)
そう考えると怖いですね~。
(小高)
肺がんの生存率っていうんですかね、進み具合と生存率っていうのはどんな感じなんですか?
(竹下)
肺がん全体の生存率っていうのはすごく上がってきていて、肺がん全体でも5年生存率が30~40%まで上がってきているんですね。細かく言うとⅠ期であれば5年生存率は80%くらい、Ⅱ期であれば50%くらい。Ⅲ期もだんだん進歩してきていて、5年生存率も3割くらいは期待できるようになっています。Ⅳ期もですね、Ⅳ期といったらかなり進行しているんですけれども、20年前は5年生存率が3%だったんですが、それが今は20%を超えるくらいまでⅣ期の肺がんもどんどん生存率が上がってきているのが現状です。
(小高)
肺がんも最初は咳とか、そういった症状が出てくるんですか?今の数字を聞くと、進んでいても、「あぁもう絶対ダメだ」と諦めなくても、まだまだいろんな治療法があるよということなんでしょうけど、やっぱり今の数字聞いたら、見つかるとしたらステージⅠ、せめてステージⅡで見つけてほしい感じですよね。
(竹下)
ステージⅠ、Ⅱで見つけられたら、根治が期待できる可能性がぐっと上がるので、そこで見つかるといいなと思いながら臨床しています。
(小高)
さっき言ってたこのステージというのは、どういう風に分類しているんですか?
(竹下)
そうですね、また細かい話なんですけど。簡単にわかりやすく言うと、ステージⅠは肺にがんが出来るだけです。ステージⅡになると肺がんと同側、例えば右側に肺がんが出来たら右の肺門と言われる同じ側のリンパが腫れているだけがⅡ期です。ステージⅢになってくるとですね、このリンパ節の腫れが同側だけでなく、真ん中くらい(縦隔(じゅうかく)といわれるところ)のリンパまで腫れてくるとⅢ期、ステージⅣは簡単にいうと遠隔転移があること。いわゆるさっき言った、脳、骨、肝臓、副腎に転移しやすいんですけど、そこに1か所でも転移があったらⅣ期と言って。Ⅳ期というと進行期ってことになります。
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(つボイ)
ステージⅠでは症状がほとんどないので、やっぱりレントゲンなどの定期検査が重要になてきますね。
(小高)
大切ですね!来週は、「早期発見のための検査」についてお聞きしていきます。そしてこのコーナーでは、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)
質問、お待ちしていますよ!!
(小高)
『健康のつボ~肺がんについて~』でした。