第2回 呼吸器の病気 その②
小高
「健康のつボ~肺がんについて~」。日本人の死因第1位の「がん」の中でも、死亡者数が一番多い「肺がん」について、一宮西病院 副院長 / 呼吸器内科部長・竹下正文(たけしたまさふみ)先生に教えていただきます。竹下先生、シリーズ2度目のご登場です。
つボイ
竹下先生、コーナー2度目の登場ですが、お話がわかりやすい…!
小高
そうなんですよね~。いつもニコニコしてくださって、安心感が抜群です(笑)! 先週は、覚えきれないくらいたくさんある呼吸器の病気について教えていただきましたが、今日はその中から、特に注意したい2つの病気を中心にお話をうかがいます。竹下先生です。
~~~~~~~~
竹下
ひとつ目は「間質性肺疾患」ですね。間質って何かって言いますと、肺って気管から気管支とどんどん分岐していって、最終的にぶどうの房のようになっている、3億個ほどあると言われている肺胞で、酸素と二酸化炭素のガス交換がおこなわれます。その肺胞と肺胞の間が間質と呼ばれるものなんです。そこで炎症が起こると、壁がどんどん厚くなっていって、いわゆる線維化というんですけれども、ガスの交換がうまくできなくなっていくんです。その結果、息苦しい等の症状が出てくるという。
つボイ
もう聞いてるだけで息苦しい感じですわ。
竹下
そうかもしれないですね(笑)。
小高
先生、先週は間質性肺炎の原因は200ぐらいあるって仰ってたかなと思うんですが。
竹下
そうなんです。お薬で起こったりもするし、膠原病という、リウマチとかで起こる場合もあるし、本当たくさんの病気があるんですけど、その中でも原因が分からないものがあって、「特発性間質性肺炎」と呼ばれるものです。
小高
ええっ、原因が分からない!?
つボイ
嫌だわ~!
竹下
これがまた難しくて、経過がバラバラなんです。ほとんど変わらない人、徐々に悪くなる人、急にドーンと悪くなる人がいて、急性増悪といって一気に悪くなると半数は亡くなってしまう。
つボイ
まぁ~! 怖いですね!
小高
原因がわかる方に関しては…。
竹下
急性増悪はそちら(原因がわかる方)でもあるんですけど、頻度としては特発性よりは少ないと言われています。
つボイ
これ、いい治療なんてものはあるんですか?
竹下
はい。「間質性肺炎」に関しても治療はどんどん進歩していってまして。線維化を抑える薬=抗線維化薬が開発されて、現場でも使われるようになってきてはいますね。
小高
なるほど~。初期症状としてはどんなものがあるんですか?
竹下
やはり動いた後の息苦しさとか、乾いた咳(せき)=乾性咳嗽(かんせいがいそ ※せきやたんを伴わない乾いたせき)が続いたりですとかというのが初期の症状ですね。
小高
怖いですね~! じゃあ、乾いた咳が続くとか、何かいつもとちがう異変を感じたら近くのお医者さんに。
竹下
そうですね、お近くのお医者さんへ。あとは「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」と呼ばれるもので、これもいわゆるタバコが原因なので肺の生活習慣病なんですよね。世界で言うと死亡原因の第3位です。
つボイ
ほぉ~!
小高
結構たくさんの方が…。
竹下
日本もですね、調査をされた時は40歳以上の8.6%(=約530万人ほど)が「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」なんじゃないかと言われているんですが、その中でも治療されてる方は17万人ほどなので。もうこれは氷山の一角ですよね。
つボイ
ほぉ~!
竹下
危険因子は、今言ったようにタバコなんですよね。タバコが原因の90%ほどだと言われていて、病態としてはタバコを吸い続けると気管支や肺胞と言われるところが慢性的に炎症を起こして、気管支が狭くなったり、肺胞の壁が破壊されて酸素を取り込みにくくなって、息苦しさを感じるようになったり、日常生活に支障がでてきたりします。最終的には在宅酸素って言って、家にいながら酸素を必要とする生活になられる方もいます。
小高
私たちが「あれっ?」と思う症状ってどんなものがありますか?
竹下
そうですね、やはり咳とか、息苦しさとか、あと痰(たん)が出ますね。気管支壁の炎症とか起こると分泌物が増えて痰が出ます。
つボイ
そうしますと、我々は近くのお医者さんへ行けばいいんでしょうか?
竹下
そうですね。そういった時にやはり通常フォローしてくれる先生がいてくれるとよいと思いいますので「かかりつけ医」の先生がいらっしゃるといいですね。かかりつけ医というのは、身近で本当に何でも相談できて頼りになるお医者さんを持つというのがとても大切で。かかりつけ医のメリットとしては、病気の予防ですとか、病気の早期発見し治療につなげるですとか、専門医への紹介していただけるですとか、日頃の皆さんの健康状態をしっかり管理していただくというお医者さんがいらっしゃると、症状も早く見つけてもらえるので安心ですね。
~~~~~~~~
小高
はい。間質性肺疾患の中でも「特発性間質性肺炎」、怖いですねぇ。そう! 先日、CBCテレビで放送中の「Get Ready!」を見てたら、その週のテーマが、なんと余命6ヶ月と宣告された「特発性間質性肺炎」の患者を救うというもの。あのドラマの中の患者さんを助けた手術法はドラマならではなんでしょうか? 実際どうなんです?って竹下先生に聞けばよかったなと(笑)
つボイ
確かに~。
小高
特発性間質性肺炎が、軽い咳だと思っている間に進行し死に至るという、とても怖い病気だというのはよくわかりましたね~。
つボイ
そうした病気の進行を見逃さないためにも、普段の自分を知っていてくれる「かかりつけ医」の存在。仮面かぶってなくてもいいですよ(笑)。そういった存在は大切だということですね~。
小高
大切です! さて来週からは、竹下先生の専門である「肺がん」についてお聞きしていきます。そしてこのコーナーでは、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
つボイ
質問、お待ちしていますよ!!
小高
「健康のつボ~肺がんについて~」でした。
「健康のつボ~肺がんについて~」。日本人の死因第1位の「がん」の中でも、死亡者数が一番多い「肺がん」について、一宮西病院 副院長 / 呼吸器内科部長・竹下正文(たけしたまさふみ)先生に教えていただきます。竹下先生、シリーズ2度目のご登場です。
つボイ
竹下先生、コーナー2度目の登場ですが、お話がわかりやすい…!
小高
そうなんですよね~。いつもニコニコしてくださって、安心感が抜群です(笑)! 先週は、覚えきれないくらいたくさんある呼吸器の病気について教えていただきましたが、今日はその中から、特に注意したい2つの病気を中心にお話をうかがいます。竹下先生です。
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竹下
ひとつ目は「間質性肺疾患」ですね。間質って何かって言いますと、肺って気管から気管支とどんどん分岐していって、最終的にぶどうの房のようになっている、3億個ほどあると言われている肺胞で、酸素と二酸化炭素のガス交換がおこなわれます。その肺胞と肺胞の間が間質と呼ばれるものなんです。そこで炎症が起こると、壁がどんどん厚くなっていって、いわゆる線維化というんですけれども、ガスの交換がうまくできなくなっていくんです。その結果、息苦しい等の症状が出てくるという。
つボイ
もう聞いてるだけで息苦しい感じですわ。
竹下
そうかもしれないですね(笑)。
小高
先生、先週は間質性肺炎の原因は200ぐらいあるって仰ってたかなと思うんですが。
竹下
そうなんです。お薬で起こったりもするし、膠原病という、リウマチとかで起こる場合もあるし、本当たくさんの病気があるんですけど、その中でも原因が分からないものがあって、「特発性間質性肺炎」と呼ばれるものです。
小高
ええっ、原因が分からない!?
つボイ
嫌だわ~!
竹下
これがまた難しくて、経過がバラバラなんです。ほとんど変わらない人、徐々に悪くなる人、急にドーンと悪くなる人がいて、急性増悪といって一気に悪くなると半数は亡くなってしまう。
つボイ
まぁ~! 怖いですね!
小高
原因がわかる方に関しては…。
竹下
急性増悪はそちら(原因がわかる方)でもあるんですけど、頻度としては特発性よりは少ないと言われています。
つボイ
これ、いい治療なんてものはあるんですか?
竹下
はい。「間質性肺炎」に関しても治療はどんどん進歩していってまして。線維化を抑える薬=抗線維化薬が開発されて、現場でも使われるようになってきてはいますね。
小高
なるほど~。初期症状としてはどんなものがあるんですか?
竹下
やはり動いた後の息苦しさとか、乾いた咳(せき)=乾性咳嗽(かんせいがいそ ※せきやたんを伴わない乾いたせき)が続いたりですとかというのが初期の症状ですね。
小高
怖いですね~! じゃあ、乾いた咳が続くとか、何かいつもとちがう異変を感じたら近くのお医者さんに。
竹下
そうですね、お近くのお医者さんへ。あとは「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」と呼ばれるもので、これもいわゆるタバコが原因なので肺の生活習慣病なんですよね。世界で言うと死亡原因の第3位です。
つボイ
ほぉ~!
小高
結構たくさんの方が…。
竹下
日本もですね、調査をされた時は40歳以上の8.6%(=約530万人ほど)が「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」なんじゃないかと言われているんですが、その中でも治療されてる方は17万人ほどなので。もうこれは氷山の一角ですよね。
つボイ
ほぉ~!
竹下
危険因子は、今言ったようにタバコなんですよね。タバコが原因の90%ほどだと言われていて、病態としてはタバコを吸い続けると気管支や肺胞と言われるところが慢性的に炎症を起こして、気管支が狭くなったり、肺胞の壁が破壊されて酸素を取り込みにくくなって、息苦しさを感じるようになったり、日常生活に支障がでてきたりします。最終的には在宅酸素って言って、家にいながら酸素を必要とする生活になられる方もいます。
小高
私たちが「あれっ?」と思う症状ってどんなものがありますか?
竹下
そうですね、やはり咳とか、息苦しさとか、あと痰(たん)が出ますね。気管支壁の炎症とか起こると分泌物が増えて痰が出ます。
つボイ
そうしますと、我々は近くのお医者さんへ行けばいいんでしょうか?
竹下
そうですね。そういった時にやはり通常フォローしてくれる先生がいてくれるとよいと思いいますので「かかりつけ医」の先生がいらっしゃるといいですね。かかりつけ医というのは、身近で本当に何でも相談できて頼りになるお医者さんを持つというのがとても大切で。かかりつけ医のメリットとしては、病気の予防ですとか、病気の早期発見し治療につなげるですとか、専門医への紹介していただけるですとか、日頃の皆さんの健康状態をしっかり管理していただくというお医者さんがいらっしゃると、症状も早く見つけてもらえるので安心ですね。
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小高
はい。間質性肺疾患の中でも「特発性間質性肺炎」、怖いですねぇ。そう! 先日、CBCテレビで放送中の「Get Ready!」を見てたら、その週のテーマが、なんと余命6ヶ月と宣告された「特発性間質性肺炎」の患者を救うというもの。あのドラマの中の患者さんを助けた手術法はドラマならではなんでしょうか? 実際どうなんです?って竹下先生に聞けばよかったなと(笑)
つボイ
確かに~。
小高
特発性間質性肺炎が、軽い咳だと思っている間に進行し死に至るという、とても怖い病気だというのはよくわかりましたね~。
つボイ
そうした病気の進行を見逃さないためにも、普段の自分を知っていてくれる「かかりつけ医」の存在。仮面かぶってなくてもいいですよ(笑)。そういった存在は大切だということですね~。
小高
大切です! さて来週からは、竹下先生の専門である「肺がん」についてお聞きしていきます。そしてこのコーナーでは、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
つボイ
質問、お待ちしていますよ!!
小高
「健康のつボ~肺がんについて~」でした。