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第3回 自覚症状がほとんど無い!


(小高)
水曜日のこのコーナーは『健康のつボ~肺がんについて~』。日本人の死因第1位、がんの中でも死亡者数が一番多い肺がんについて、一宮西病院・呼吸器内科副部長の竹下正文(たけしたまさふみ)先生にお話を伺います。よろしくお願いします。

(つボイ)
よろしくお願いいたします。

(竹下)
よろしくお願いします。

(小高)
肺がんについて色々伺っていく中で、私は特に『自覚症状がほとんど無い』ということが気になっています。

(つボイ)
そうですね。

(竹下)
症状は咳、たん、あとたんに血が混じってしまう血痰(けったん)、動いた後に息苦しいなど、肺には痛みの神経は無いのですが、肺が包んでいる膜には痛みの神経があるので、肺がんがある程度大きくなって膜の方までいくと痛みが出たりします。肺がんそのもののできる場所にもよりますが、気管を細くするとゼーゼー聞こえる、というような症状が確かにあることはあります。

(つボイ)
分かりますよ。こうやってちゃんと。

(小高)
そういう症状のとき、心の片隅に『がんの症状でもあるんだ』ということを留めておいたほうがいいのね。

(竹下)
そうですね。特異ではないですけど、一般的にこういった症状をいいます。

(小高)
この間のお話だと、肺から転移することもよくあるから、その前に、早めに見つけたいということでしたが、症状が出たときというのは、まだ初期段階だと思っていいのですか?

(竹下)
いや、症状が出た時はある程度進行していてですね。結局もそういう状況になるともう手術が難しい場合が多いです。

(つボイ)
そうかぁ。

(小高)
じゃあ、ちょっと調子が悪いなと思ったらもう遅い?

(竹下)
そういうときも0ではないです。

(つボイ)
だからやっぱり健康診断で、ちゃんと何にも無いときでもレントゲンとかした方がいいですよね。

(竹下)
そうですね。早く見つけてあげるというのがすごく大事です。

(小高)
肺から他の臓器へ転移すると、逆に激しい症状は出るのですか?

(竹下)
そうですね。転移した先の症状は出ます。一つは脳です。脳転移は場所によって症状の出方が違いますが、頭痛、ムカムカして吐き気がするなどです。また、転移する場所によっては手の動きが悪いとか、そういった症状が出ることもあります。骨転移の場合は骨が痛く、中でも脊髄は神経が走っているので脊椎転移して浸潤してしまうと、麻痺症状などが出ます。

(つボイ)
なるほど。例えば、「吐き気がして頭が痛い・・・」病院へ来てみたら、脳のがんだったとして、この場合に肺がんから転移したということも分かるのですか?

(竹下)
調べたときに画像で転移かが分かります。そうなったときにどこから転移したのかなと調べると、肺がんだったと分かります。もちろん、胃がんや大腸がんのケースもありますが、肺は脳転移しやすい臓器のひとつなので、脳転移があると肺がんという可能性を考えますね。

(小高)
脳と肺にがんがあるという場合は、治療はどちらから行うのですか?

(竹下)
肺がんが転移したということであれば、肺がんの治療をやっていくことになります。肺がんをターゲットにした治療を行っていくんですけど、脳転移は症状が出やすいので、先に脳だけ症状をとるために放射線を行って、そのあと先進的な肺がんの治療を行うことになります。

(小高)
やっぱり痛い方からやってほしいなんて思うけど。両方の様子を見ながらなのですね。

(竹下)
そうですね。優先順位を考えながら行います。

(つボイ)
小高さんがどうこう言わなくても、先生はちゃんと順番考えてますって!

(小高)
ははは。気になっちゃって。

(つボイ)
まぁそうですよね。

(小高)
はい。また来週も先生にお話を伺っていきたいと思いますので、来週もよろしくお願いします。

(つボイ)
お願いします。

(竹下)
宜しくお願い致します。

(小高)
はい。ありがとうございました。一宮西病院の竹下先生でした。新生活フロッピー『健康のつボ~肺がんについて~』でした。


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