第9回 胆のう・胆管の病気③~がんについて、またその治療法
小高 水曜日のこの時間は「健康のつボ!」。生命を維持するために重要な役割を果たしている「肝胆膵領域」の病気について、一宮西病院 消化器内科 肝臓内科部長の矢田雅佳先生に教えていただいています。
「肝胆膵」の中の「胆道」、胆のうと胆管のお話をうかがっております。
つボイ 胆石は多くは症状が出ないけれども、炎症を起こして胆のう炎になったり、それからまた胆管の中で炎症を起こすと危険という、そういうお話だったんですね。
小高 そして今日なんですが、やっぱり皆さん気になってると思います。やっぱり怖いがんのお話です。矢田先生です。
「肝胆膵」の中の「胆道」、胆のうと胆管のお話をうかがっております。
つボイ 胆石は多くは症状が出ないけれども、炎症を起こして胆のう炎になったり、それからまた胆管の中で炎症を起こすと危険という、そういうお話だったんですね。
小高 そして今日なんですが、やっぱり皆さん気になってると思います。やっぱり怖いがんのお話です。矢田先生です。
矢田 大まかにまとめて言うと「胆道がん」と呼ばれるんですけど、これらによる死者は、2022年のデータで男性だと9800人、女性だと8500人程度亡くなられてます。それぞれの部位別では、男性では8位、女性では6位とそこそこ多い方のがんです。めちゃくちゃ多くはないんですけど、そこそこの数があって、僕の印象では最近は前に比べると増えてるような感じがします。あと、どうしても治りにくいがんの1つですね。
小高 う~ん!そしてこのがんというのは、胆道もいろんな部位があって、そのあらゆるところに発生するって先生おっしゃってましたよね。
矢田 どこにでもできるので、例えば肝臓の中の細い胆管からできる、いわゆる管内胆管がん。これは肝臓に元々できるがんとして肝細胞がんというのがあるので、それと区別するために胆管細胞がんと呼ばれることもあります。あとは途中の胆管にできる胆管がん。胆のうにできる胆のうがんというのがあります。
つボイ それぞれ症状は違うんですか?
矢田 部位によっていろいろあるんですけど、特徴的な症状としては、やっぱり胆汁の流れ道なので、そこが塞がれることで出る黄疸は結構有名な症状ですね。
つボイ やっぱ黄疸か。
矢田 痛みのない黄疸、熱のない黄疸。前に出た胆のう炎の時は、痛みとか熱が発生するんですけど、がんの場合はそういうのがなくて、黄疸だけが出るということがよくありますね。
つボイ 顔色をよく見とかんといかんですね。
矢田 あとおしっこの色が本当に濃い色になるんですね。黄疸が出てくると。
つボイ 黄疸に気づいたところでもまだ大丈夫なんですか?それともだいぶ進んでいるんですか?
矢田 できる場所によっても変わってきます。初期の段階で黄疸が出ることで、手術ができる状態で発見される場合もあります。
小高 そうすると、そんなに症状はないけれども早めに発見してほしいとなると、これはもう健康診断ってことになるんですか?
矢田 どういう患者さんにできやすいというのがわかっているがんではないので、なかなか難しいです。例えば健診のエコーとかでたまたま細くなった胆管が見つかったり、逆にせき止められて上部が太くなっていて発見されることもあります。
小高 健康診断で発見されることは結構多いんですか?
矢田 たまたま早期で見つかることもあるし、それまで無症状でも、もうすでに進んだ状態で発見される場合もあります。
つボイ もし発見されたら、その後はどういう治療になっていくんでしょうか。
矢田 基本的に胆道がんの手術は、最も有効な方法としては手術で全部取り切るということになるので、場所に応じた手術があります。肝臓の中にあれば肝臓の切除ですね。あと、胆管と合わせて切る場合と、あと膵臓、十二指腸に近い場合では、十二指腸と膵臓の一部を一緒に切る大きな手術をやる場合もあります。
つボイ 前に胆のう取っても大丈夫やいうのがありましたから、管のあたりならまだいいかもわかりませんが、肝臓を切るとなると結構体に負担がありそうですね。
矢田 そうですね。ただ、膵頭十二指腸切除といって、膵臓の辺りを取る手術がかなり大きな手術になってくるので、必ずしも肝臓の中の手術をするよりも楽ということはないです。
小高 抗がん剤とかそういうのは使わないんですか?
矢田 手術ができない場合は、いわゆる抗がん剤治療、化学療法が行われます。場合によっては放射線治療などが併用されることもあります。
つボイ 抗がん剤の発達具合とかはどうなんですか?
矢田 近年は以前よりはちょっといい薬があります。免疫チェックポイント阻害剤という種類の、免疫療法のお薬が使われるようになってきたので、以前よりは有効性が上がってはいます。まだ手術に比べるとそこまでいい成績が出るわけではないですね。
小高 う~ん!そしてこのがんというのは、胆道もいろんな部位があって、そのあらゆるところに発生するって先生おっしゃってましたよね。
矢田 どこにでもできるので、例えば肝臓の中の細い胆管からできる、いわゆる管内胆管がん。これは肝臓に元々できるがんとして肝細胞がんというのがあるので、それと区別するために胆管細胞がんと呼ばれることもあります。あとは途中の胆管にできる胆管がん。胆のうにできる胆のうがんというのがあります。
つボイ それぞれ症状は違うんですか?
矢田 部位によっていろいろあるんですけど、特徴的な症状としては、やっぱり胆汁の流れ道なので、そこが塞がれることで出る黄疸は結構有名な症状ですね。
つボイ やっぱ黄疸か。
矢田 痛みのない黄疸、熱のない黄疸。前に出た胆のう炎の時は、痛みとか熱が発生するんですけど、がんの場合はそういうのがなくて、黄疸だけが出るということがよくありますね。
つボイ 顔色をよく見とかんといかんですね。
矢田 あとおしっこの色が本当に濃い色になるんですね。黄疸が出てくると。
つボイ 黄疸に気づいたところでもまだ大丈夫なんですか?それともだいぶ進んでいるんですか?
矢田 できる場所によっても変わってきます。初期の段階で黄疸が出ることで、手術ができる状態で発見される場合もあります。
小高 そうすると、そんなに症状はないけれども早めに発見してほしいとなると、これはもう健康診断ってことになるんですか?
矢田 どういう患者さんにできやすいというのがわかっているがんではないので、なかなか難しいです。例えば健診のエコーとかでたまたま細くなった胆管が見つかったり、逆にせき止められて上部が太くなっていて発見されることもあります。
小高 健康診断で発見されることは結構多いんですか?
矢田 たまたま早期で見つかることもあるし、それまで無症状でも、もうすでに進んだ状態で発見される場合もあります。
つボイ もし発見されたら、その後はどういう治療になっていくんでしょうか。
矢田 基本的に胆道がんの手術は、最も有効な方法としては手術で全部取り切るということになるので、場所に応じた手術があります。肝臓の中にあれば肝臓の切除ですね。あと、胆管と合わせて切る場合と、あと膵臓、十二指腸に近い場合では、十二指腸と膵臓の一部を一緒に切る大きな手術をやる場合もあります。
つボイ 前に胆のう取っても大丈夫やいうのがありましたから、管のあたりならまだいいかもわかりませんが、肝臓を切るとなると結構体に負担がありそうですね。
矢田 そうですね。ただ、膵頭十二指腸切除といって、膵臓の辺りを取る手術がかなり大きな手術になってくるので、必ずしも肝臓の中の手術をするよりも楽ということはないです。
小高 抗がん剤とかそういうのは使わないんですか?
矢田 手術ができない場合は、いわゆる抗がん剤治療、化学療法が行われます。場合によっては放射線治療などが併用されることもあります。
つボイ 抗がん剤の発達具合とかはどうなんですか?
矢田 近年は以前よりはちょっといい薬があります。免疫チェックポイント阻害剤という種類の、免疫療法のお薬が使われるようになってきたので、以前よりは有効性が上がってはいます。まだ手術に比べるとそこまでいい成績が出るわけではないですね。
つボイ はい。痛みとか熱が出ない黄疸というのは胆道がんの恐れがあるぞと、こういうことですね。
小高 はい。発見されたときはもう手遅れなんてことのないように注意したいんですが、やっぱりなかなか厄介な臓器なんですね。さあ、来週からは膵臓の病気について矢田先生にうかがいます。
そしてこのコーナー「健康のつボ!」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
つボイ 質問お待ちいたしております!
小高 「健康のつボ!~肝胆膵の病気~」でした。
小高 はい。発見されたときはもう手遅れなんてことのないように注意したいんですが、やっぱりなかなか厄介な臓器なんですね。さあ、来週からは膵臓の病気について矢田先生にうかがいます。
そしてこのコーナー「健康のつボ!」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
つボイ 質問お待ちいたしております!
小高 「健康のつボ!~肝胆膵の病気~」でした。