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第8回 胆のう・胆管の病気②~結石と胆のう炎・胆管炎、その治療法


友廣 水曜日のこの時間は「健康のつボ!」。生命を維持するために重要な役割を果たしている「肝胆膵領域」の病気について、一宮西病院 消化器内科 肝臓内科部長の矢田雅佳先生に教えていただいています。
肝胆膵って私初めて聞きました!聞き馴染みがないですね。肝臓、胆道、膵臓のことなんですね。

つボイ それを肝胆膵こう言うんですけれどもね、これ食べ物の通る道ではないんですけども、消化吸収にかかわるとても重要な臓器であります。

友廣 今日はその中の胆道の2週目。

つボイ はい。肝臓で作られた胆汁を消化管に運ぶ通り道の胆管と、一時的にこれをためておく胆のうを合わせて胆道と、こういうことであります。

友廣 その胆道の代表的な病気について、つボイさんと小高さんが矢田先生にお聞きしています。

矢田 まず最初に、胆のうや胆管にできる石、いわゆる結石についてお話ししたいと思います。胆石といわれると、基本的には胆のうにできる胆のう結石を指すことが多いんですけど、それ以外にも胆管にできる胆管結石というのがあります。

つボイ 前回だと10人に一人ぐらいは石持ってますよということでしたね。

小高 胆のうって袋みたいになってるって教えていただきましたけど、やっぱり石ってできやすかったりするんですか?

矢田 胆のうで胆汁がたまってる間に流れが淀んでいたりすると、そこにコレステロールやカルシウムなどが集まって石になりますね。

つボイ 石がね。これ防ぐ方法ってあるんですか?

矢田 原因というのがまだ完全に解明されていないんですが、やっぱり脂肪分の取り過ぎとかが原因じゃないかとは言われてます。

小高 これ大小様々なんですね。やっぱり胆道の道を塞いじゃうぐらい大きいのもあるんですか?

矢田 特に胆のうは出口が小さな細い管になってるので、石が動いて出口に詰まって痛みが出ることがあります。また胆管は細い管なので、そこに胆のうから外にちょっと押し出された石がカポッっと詰まってしまうこともあります。細いところに詰まると激しい痛みが出ることが多いですね。

つボイ 尿路結石とかはポロっと出るっていう話をよく聞くんですが、こいつは出ますか?

矢田 場合によっては、十二指腸乳頭から自然に十二指腸の方に排出されることもあるんですが、多くの場合は筋肉の締まりがあるので、そこで詰まってすごい痛みになることが多いです。

つボイ ありゃま~。

矢田 通常、石があるだけだったら痛みだけで済むこともあるんですけど、そこに細菌感染が起きると炎症を起こして胆のう炎とか胆管炎というのを起こします。

小高 自然に出ないとなるとどうするんですか?

矢田 部位によって、取る方法がいろいろあります。基本的に胆のうに関しては、お薬で溶かすということもあるんですけど、なかなか現実的には溶けないことが多いです。繰り返し痛みがでる方や菌が入って胆のう炎を起こした方には、基本的に胆のうごと取る手術をお勧めしています。

小高 胆のうごと取っちゃいますってワードをよく聞く気がするんですが、取っちゃっても大丈夫なんですか?

矢田 胆汁自体は胆管の中を流れているので、溜めるところがなくなるのですが、基本的には取っても大丈夫です。ちょっと脂ものが食べづらくなるとか言われることはありますね。

小高 あんたの家には蔵が無いよって、あっちはいろんなものを置いておける蔵があるけど、あんたはもうないよって言われてるようなもんですかね。

つボイ そうかそうか、手術で取ったりもするわけか。これは開腹手術ですか?

矢田 胆のうの摘出は、多くの場合は開腹ではなくて腹腔鏡で取ることが多いです。ただ炎症が強かったり、手術中のいろいろなトラブルとかで、どうしても開腹しないといけない場合もあります。

つボイ 今、炎症が強いという話が出ましたが、やっぱりその辺に起こる胆のう炎なんかはまたこれも厄介なんですか?

矢田 細菌感染が起きて強い炎症が起きた時は、通常抗生物質の治療とかで済ませることもあるんですけど、場合によっては緊急手術ですね。胆管の中にできた石による炎症の場合は、それを除去する必要があるので、内視鏡で十二指腸の出口側の乳頭からそこを切開して、中の石を引っ張り出すという治療があります。

つボイ ああそうか、喉から食道、胃、十二指腸、十二指腸乳頭と、そこからちょっと切って入れて、ぐっと引っ張り出すと!

矢田 胆管炎の場合はですね、黄疸が出て全身に菌が回る敗血症という状態になってしまうので、激しい腹痛と黄疸、もちろん熱が出ます。そういう時は早めに病院に行っていただいて、治療を受けていただくことになると思います。

つボイ はい。結構周りにね、「石があるんです」とか、「胆のう取っちゃった」という人が多いんですけども、石があるだけならば経過観察でいいんでしょうが、炎症が起きると大変なことになりますよね。

友廣 はい。激しい腹痛、黄疸、発熱などがある場合は早めに病院へ行ってください。来週も矢田先生に胆のうの病気についてうかがいます。
そしてこのコーナー「健康のつボ!」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

つボイ 質問お待ちいたしております!

友廣 「健康のつボ!~肝胆膵の病気~」でした。

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