第5回 肝臓の病気③ ~肝硬変とその治療法
小高 水曜日のこの時間は「健康のつボ!」。生命を維持するために重要な役割を果たしている「肝胆膵領域」の病気について、一宮西病院 消化器内科 肝臓内科部長の矢田雅佳先生に教えていただいています。
肝胆膵のうち、まず肝臓の病気についてうかがっています。先週は「脂肪肝」のお話しでしたね。
つボイ まあ、私も脂肪肝でありますけれども、肝硬変などさらに怖い病気に進行しないうちに治療しなさいと、こういうことでありました。
小高 肝炎も脂肪肝も肝硬変に進行しないようにということですが、ではその「肝硬変」ってどんな病気なんでしょうか。矢田先生です。
肝胆膵のうち、まず肝臓の病気についてうかがっています。先週は「脂肪肝」のお話しでしたね。
つボイ まあ、私も脂肪肝でありますけれども、肝硬変などさらに怖い病気に進行しないうちに治療しなさいと、こういうことでありました。
小高 肝炎も脂肪肝も肝硬変に進行しないようにということですが、ではその「肝硬変」ってどんな病気なんでしょうか。矢田先生です。
矢田 肝硬変というのは、肝臓に慢性的な炎症が持続して起きて、破壊と再生を繰り返すことにより、肝臓にどんどん線維ができて硬くなった状態を言います。肝硬変と一概に言っても、「代償性」と「非代償性」という状態があって、代償性肝硬変というのはまだ基本的に肝臓の機能が維持されているので、症状がほとんど現れません。
つボイ はい。
矢田 非代償性肝硬変となると、肝機能の低下で追いつかない状態になってくるので、いろんな症状が出てきます。肝硬変になる原因は、アルコールやウイルスだったり、脂肪肝など様々な原因があるんですが、基本的には全てにおいて慢性的な炎症が起こることで起きていきます。
小高 そうすると、肝硬変の中にもそこまで怖い状態でないものもあれば、めちゃくちゃ怖い状態のものもあって、そのグラデーションになってるってことですか?
矢田 そうですね。だから、まだ症状が軽い、もしくは症状がない代償性肝硬変の状態が維持できれば、基本的には肝硬変によって命を落とすことはないんですね。
つボイ 放っておくと非代償性という、もう一つ深刻な方へ行くと言うことなんですね。
矢田 がんの有無はまた別として、基本的に非代償性肝硬変に進展していくと、肝機能がどんどん低下して、肝臓の生きていくために必要な能力がなくなってしまうので、最終的には肝不全ということになって死に至ることになります。
小高 肝臓の機能がだんだん保てなくなって、この非代償性という状態になっていくと、そこで初めて症状が現れるということですね。
矢田 症状としては、体が黄色くなる黄疸が出たり、肝性脳症といって、アンモニアが体の中に溜まって脳に障害が起こるものがあります。最初は異常な行動を起こしたりする意識障害が出ることがありますが、それがひどくなれば昏睡状態になって意識を失うことになります。
つボイ 小高 はい。
矢田 他には、肝臓がつくるアルブミンというたんぱく質が減ってくると、アルブミンは体の水分を血管内に維持する能力を持っているので、それが減っていくことで、血管内から水が外に漏れて、手足がむくんできたり、腹水といって水が溜まって、お腹がボンッと膨れたカエルのようになってしまう症状が出てきます。
つボイ 腹水の状態もちゃんと治療したら、またなんとかいけるんですか?
矢田 例えば利尿剤を使ったり、塩分を制限することで改善することもあるんですが、中には肝硬変が進み過ぎていて、自然な治療法ではなかなかうまくいかずに、直接お腹に針を刺して水を抜かないといけなくなることもあります。
小高 今聞いた症状というのは、いずれもすごく深刻な状態になってる症状ばかりだと思うんですけど、私たちの肝硬変のイメージっていうのは、その症状がもう現れてしまってきている状態ですよね。
矢田 そうですね。そうならないように、非代償性肝硬変に移行しないように、その前の段階でいろんなその病気の原因に適した治療が必要になってくると思います。
小高 いいお薬はあるんですか?
矢田 残念ながら、まだ肝硬変そのものを良くするお薬というのはないので、例えばウイルス感染のウイルスを抗ウイルス薬で炎症を抑えて、肝硬変がそれ以上悪くならなくすることはできます。完全に線維化が進んでしまった肝臓を元に戻す、改善するお薬というのは今のところまだないです。
つボイ ちょっとでも戻らないものなんですか?
矢田 例えばお酒を長期間やめたり、ウイルス性肝炎の方で肝硬変に進行している方が、お薬を飲んだ後に長期間経れば、肝臓は以前より柔らかくなってることはあります。
つボイ はい。
矢田 非代償性肝硬変となると、肝機能の低下で追いつかない状態になってくるので、いろんな症状が出てきます。肝硬変になる原因は、アルコールやウイルスだったり、脂肪肝など様々な原因があるんですが、基本的には全てにおいて慢性的な炎症が起こることで起きていきます。
小高 そうすると、肝硬変の中にもそこまで怖い状態でないものもあれば、めちゃくちゃ怖い状態のものもあって、そのグラデーションになってるってことですか?
矢田 そうですね。だから、まだ症状が軽い、もしくは症状がない代償性肝硬変の状態が維持できれば、基本的には肝硬変によって命を落とすことはないんですね。
つボイ 放っておくと非代償性という、もう一つ深刻な方へ行くと言うことなんですね。
矢田 がんの有無はまた別として、基本的に非代償性肝硬変に進展していくと、肝機能がどんどん低下して、肝臓の生きていくために必要な能力がなくなってしまうので、最終的には肝不全ということになって死に至ることになります。
小高 肝臓の機能がだんだん保てなくなって、この非代償性という状態になっていくと、そこで初めて症状が現れるということですね。
矢田 症状としては、体が黄色くなる黄疸が出たり、肝性脳症といって、アンモニアが体の中に溜まって脳に障害が起こるものがあります。最初は異常な行動を起こしたりする意識障害が出ることがありますが、それがひどくなれば昏睡状態になって意識を失うことになります。
つボイ 小高 はい。
矢田 他には、肝臓がつくるアルブミンというたんぱく質が減ってくると、アルブミンは体の水分を血管内に維持する能力を持っているので、それが減っていくことで、血管内から水が外に漏れて、手足がむくんできたり、腹水といって水が溜まって、お腹がボンッと膨れたカエルのようになってしまう症状が出てきます。
つボイ 腹水の状態もちゃんと治療したら、またなんとかいけるんですか?
矢田 例えば利尿剤を使ったり、塩分を制限することで改善することもあるんですが、中には肝硬変が進み過ぎていて、自然な治療法ではなかなかうまくいかずに、直接お腹に針を刺して水を抜かないといけなくなることもあります。
小高 今聞いた症状というのは、いずれもすごく深刻な状態になってる症状ばかりだと思うんですけど、私たちの肝硬変のイメージっていうのは、その症状がもう現れてしまってきている状態ですよね。
矢田 そうですね。そうならないように、非代償性肝硬変に移行しないように、その前の段階でいろんなその病気の原因に適した治療が必要になってくると思います。
小高 いいお薬はあるんですか?
矢田 残念ながら、まだ肝硬変そのものを良くするお薬というのはないので、例えばウイルス感染のウイルスを抗ウイルス薬で炎症を抑えて、肝硬変がそれ以上悪くならなくすることはできます。完全に線維化が進んでしまった肝臓を元に戻す、改善するお薬というのは今のところまだないです。
つボイ ちょっとでも戻らないものなんですか?
矢田 例えばお酒を長期間やめたり、ウイルス性肝炎の方で肝硬変に進行している方が、お薬を飲んだ後に長期間経れば、肝臓は以前より柔らかくなってることはあります。
つボイ 改めてこの肝臓というのは大切なものですね。
小高 脂肪肝も代償性肝硬変も症状があるわけではないので、日常生活習慣を気をつけるということとともに、健康診断を定期的に受けて、自分の肝臓の状態っていうのをデータで把握しておかなければいけませんね。
小高 はい、来週も矢田先生に肝臓の病気についてうかがいます。そしてこのコーナー「健康のつボ!」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
つボイ はい、質問お待ちいたしております!
小高 「健康のつボ!~肝胆膵の病気~」でした。
小高 脂肪肝も代償性肝硬変も症状があるわけではないので、日常生活習慣を気をつけるということとともに、健康診断を定期的に受けて、自分の肝臓の状態っていうのをデータで把握しておかなければいけませんね。
小高 はい、来週も矢田先生に肝臓の病気についてうかがいます。そしてこのコーナー「健康のつボ!」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
つボイ はい、質問お待ちいたしております!
小高 「健康のつボ!~肝胆膵の病気~」でした。