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第7回 病院で相談した方がよい慢性頭痛


小高 毎週この時間は「健康のつボ!~頭痛について」、怖い頭痛の見分け方、つらい頭痛の治し方について、一宮西病院 副院長 脳神経内科部長の山口敬二先生に教えていただきます。

小高 先週から慢性的な頭痛についてうかがっています。

つボイ はい。慢性の頭痛にも「片頭痛」とか「緊張型頭痛」とか「群発頭痛」などいろんなことがあるぞということを教えていただきました。

小高 はい。どれも慢性的な頭痛ということだそうですが、適切な治療を受けることで頭痛が軽減することもあるそうです。また、慢性頭痛だからと思って放っておくと、結構危ない頭痛もあるそうなんですね。どんな場合に病院で相談したらいいんでしょうか?山口先生です。

山口 いくつかポイントとなる症状がありまして、そういう場合には病院行った方がいいわけです。重要なポイントとしては、頭痛以外に意識障害が出たり、言葉がうまくしゃべれなくなったり、あるいは体が麻痺して動かなくなったりといった、頭痛以外の症状を伴う場合は極めて危険です。慢性の頭痛だから大丈夫だと思わず、こういう症状が出た場合はすぐに病院に行った方がいいです。また、その他の症状がなくて頭痛だけでも、いつもと異なるような強い頭痛であったり、特にそれが突然起きて短い時間で最強の痛みに変わるような、そういった頭痛も大変危険だとされています。慢性の頭痛の時にそういう頭痛が紛れ込んできたら、やはり病院に行った方がいいです。

つボイ ほぉ~。

山口 また、緩やかに頭痛が続いていたとしても、いつもだったら薬が効くはずなのに効かなくなってきた。こういう場合も病院に行った方がいいと思います。

つボイ 先生、さっきの言語障害みたいなのを伴うのは、やっぱりちょっと器質的に変化が起きたということなんでしょうか。

山口 おっしゃる通りです。こういう症状がある場合は脳に異変があると考えられますので、すぐに救急車を呼んだ方がいいということになります。

小高 そうか、いつもそんなに頭痛を感じない人は、急に激しい痛みが来たらこりゃおかしいぞって思うけど、慢性的にずっと頭痛がある人は頭痛に変な意味で慣れてしまって、非常に危ない頭痛が起こった時に気づかないんだ。

山口 あるいはちょっと我慢しちゃうんですね。もうちょっと我慢したら良くなるかもしれないと思って、待ってる間に症状が悪化してしまうことがあるので、意外に慢性の頭痛があるとそういったリスクがあるんですね。

小高 でも、普段からずっと軽い頭痛はあるし、我慢してれば治るし、それで何年も何年も来てるから大丈夫かなと思って病院に行ってない人って多いと思うんですけど、やっぱり行った方がいいですか?

山口 実はですね、くも膜下出血という非常に有名な病気があるんですが、このくも膜下出血というのは動脈瘤が破れた時に起きると言われているんですが、動脈瘤はある程度大きくなってても全然症状が出ないことが多いです。破れて初めて頭痛が出て、もう既に重症で治しようがないということがあるんです。こういったくも膜下出血などの一瞬にして天国から地獄に行くような激しい頭痛の場合というのは、防ぐためには症状がないうちに検査をしておかないといけないとわけです。ですから、頭が痛いという機会をとらえて、1回病院に行って、その動脈瘤ができてないかどうか調べてもらうのは非常に有効ですので、病気の予防の観点から1回ぐらいは検査しておいた方がいいと思います。

つボイ これはCTとか何かで分かるわけですかですね。

山口 実はCTというのは破れて出血したりすると映るんですが、動脈瘤はよほど大きくならないと写りません。やはり病院に行って検査を受けるにしてもですね、CTではなくて、できればMRIがいいです。血管の方を写してもらう方が予防には役立ちますので、どうせ撮るのであればMRIを撮ってもらった方がいいです。

小高 なんとなくでも、ずっと頭痛があって我慢してる人からすると、病院に行っても痛み止めの薬を出されるだけで終わっちゃうからなんて思いがちなんですが。

山口 そうですね。でも危なくないからいいという問題ではなくて、辛くて困ってる場合、どうやったら治るかということも、どうしたら治してもらえるかということも重要ですよね。頭痛の専門医の先生ですと、頭痛を正しく診断して、その方に最も適した治療を見つけてくれます。専門医の診察を受けることで、今までの頭痛が嘘のように軽くなるということもありますので、諦めないで、困っているのであれば受診した方がいいし、診察を受けるとしたら頭痛の専門医に相談されると良いと思います。

小高 頭痛の専門医というのは、山口先生は脳神経内科のお医者さんですけど、脳神経内科のお医者さんって呼んでいいんですか?

山口 頭を診ている診療科で、脳外科と脳神経内科があります。いずれも頭痛は扱うんですが、それぞれ扱う病気が非常に多いので、頭痛を得意としてるとは必ずしも限りません。ですから、頭痛を専門によく勉強されてる先生というのは、また神経内科の中でも一部、脳外科の中でも一部ということになります。それを認定する制度で、頭痛専門医という資格を取っている先生方のことを頭痛専門医と我々は呼んでいます。

つボイ じゃあちゃんと肩書とかが病院のところにも書いてあるわけですか。

山口 書いていることも多いと思います。学会が認定している正式な資格なので、標榜される先生もそこは知っていると思います。

つボイ はい。いつもと違う痛み方の時はこれ要注意であるということですよね。

小高 慢性的な頭痛であれ、症状がある時に一度で検査しておいてもらうと安心なんだそうです。来週も山口先生に頭痛についてうかがいます。

さて、「健康のつボ!」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

つボイ はい、質問お待ちいたしております!

小高 「健康のつボ!~頭痛について~」でした。

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