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第11回 片頭痛の治療


小高 毎週この時間は「健康のつボ!~頭痛について」、怖い頭痛の見分け方、つらい頭痛の治し方について、一宮西病院 副院長 脳神経内科部長の山口敬二先生に教えていただいています。

小高 先週から片頭痛について教えてもらっております。

つボイ やっぱり私の周りでもね、悩んでいる人はいっぱいいるという感じがしますね。

小高 よく聞きますもんね。本人にとって本当につらいこの片頭痛、治すことはできないんでしょうか。山口先生です。

山口 片頭痛は、本当につらい痛みをきたしますので、日常生活に深刻な影響を与えます。ある調査によりますと、4人に3人の方が頭痛のために生活に支障をきたしているというふうに感じている。また、3人に1人が頭痛のために仕事を休まなければならないような時がある。このように結構多くの割合で仕事や生活に支障があるということがわかっております。

つボイ どこが痛くても痛みの話は厄介ですもんね。それが頭というか、中枢のようなものが痛むときは、やっぱり支障が出てくるでしょうね。

小高 そうね。しかもね、仕事を休まなければいけないほどになってくると、片頭痛はもう本人だけではなくて、職場とか家庭にも影響を与えるということになってきますもんね。

山口 その通りなんですよね。そして、片頭痛のちょっと大変なところは、痛い時だけが大変というわけではないんです。頭痛がない時でも、片頭痛の患者さんのおよそ半数が頭痛発作が怖いという不安から家庭の行事を控えてしまったりするんですね。

つボイ いつ起こるかわからないから構えちゃうわけですか!

山口 頭痛発作が来るかもしれないからとういうことで、本当は楽しめるはずの家庭の行事をキャンセルしたり、普段から家族とのコミュニケーションも減るということが半数ぐらいの方で起きていると言われています。なんと仕事だけではなく、家庭の生活幸福度にも影響する頭痛ということですね。

つボイ 幸せ度にも関わってくるんですね。

小高 じゃあ片頭痛に対してはどんな対処をすればいいでしょうか?

山口 やっぱり多くの方が頭痛ごときでと考えて、なんとか我慢しようとしたり、病院で薬をもらったり市販薬を買ったりして、なんとか痛み止めでしのいでいると思うんです。片頭痛は、先ほども話しましたようにひどい頭痛の場合が多いので、軽い頭痛であれば普通の薬でも効くんですが、ひどい場合には効きが悪いんですね。効きが悪いとどういうことが起きるかというと、何回も何回も薬を飲んだり、なかなか治らないと分かっているので、あらかじめ今日は頭が痛くなると困るという時に、予防的に痛み止めを飲んでしまいます。そういう形で、頭痛薬の使用頻度が知らず知らずのうちに増えていくという方が多いんですね。

小高 一般の市販薬の説明書には、ちゃんと用法用量が書いてありますけど、やっぱりそれ以上にどんどん飲む回数とか間隔とかが過剰になっていくパターンが多いんですかね。

つボイ 治らないからね。1錠と書いてあっても、私の場合2錠かなとかね。勝手にそんなことして薬の量が増えていくんでしょうね。

山口 そうですね。そして以前も話しましたけども、使用回数が増えて、それが長期化しますと、薬の使い過ぎによる頭痛、MOHに陥って行くわけです。

小高 そうだったそうだった。薬が原因でさらに頭痛がやってくるという。

山口 頭痛がひどくなって薬が効かなくなるんで、もっともっと使ってしまうと泥沼に陥ってしまう。そうなってしまうと、やはりなかなかそこから抜け出すのが難しいですから、そういった場合は、一度頭痛専門医にご相談されるとよろしいのではないかと思います。

つボイ なるほど~。

小高 先生、一般的な痛み止めが効かないっていう場合、今いい薬っていうのはないんですか。

山口 市販薬では手に入らないんですけども、病院に行きますとトリプタンという系統の薬がありまして、これは片頭痛の専門の薬なんですが、この頭痛薬が効きがすごくいいんです。一般の頭痛薬と比べると、早く頭痛が軽くなります。ただし、薬局では手に入りませんので、病院を受診されて処方してもらう必要がございます。

つボイ 処方箋を持ってこれを手に入れるということですね。

小高 いずれにせよ、やっぱり専門の先生に診てもらって、相談することが大事ということですね。

山口 トリプタンという薬は、一般の先生でも出してくれる場合は多いとは思いますが、頭痛の専門医であれば間違いはないと思います。

つボイ ぜひ頭痛に悩まれる方は、ちょっとこのことは覚えておいていただきたいなと思います。


つボイ 病院で出してもらえる薬には、ひどい片頭痛に効果的なものもあるようですね。

小高 はい。来週は、山口先生に片頭痛の予防法についてうかがいます。
さて、「健康のつボ!」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

つボイ はい、質問お待ちいたしております!

小高 「健康のつボ!~頭痛について~」でした。

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