第9回 あらためて形成外科とは?~外傷について
野田 形成外科というのは、病気や怪我、生まれながらの異常などによって、身体表面が見た目の良くない状態になっているというものを治療をして、改善していく診療科です。身体に生じた組織の異変だったり、変形、欠損などに対して手術やそれ以外の技術を駆使して、機能だけではなく、形態的により正常に、より美しくなるようにしていきます。患者さんの生活の質=クオリティ・オブ・ライフの向上を目指していく科になります。
小高 以前教えていただいたのが眼瞼下垂、それから乳房再建。このあたりが形成外科さんでお世話になるものだということなんですが、ほかにはどんな疾患を扱うんでしょうか?
野田 やはり私たちの外来に一番多く来られるのが外傷になります。いわゆる怪我です。
小高 怪我ね!
野田 外傷というのは、外から力が加わって組織だったり、深いと臓器まで損傷が起きてしまう状態のことです。形成外科では臓器までの損傷はなかなか扱うことがないですけれども、顔面や手足の皮膚、皮下組織、軟部組織の傷だったり、お顔だと顔面骨、骨の折れたものは、私たちの科で治療をおこないます。
小高 普通の外科さんで何針縫ってもらうか?とかってあると思うんですけど、そことの境目っていうのはあるんですか?
野田 何針縫うっていう言葉自体が実は結構難しくて、細い糸で縫えば、どうしても細く縫わないといけないので、針数が多くなります。形成外科の特徴として、綺麗に縫っていきますので、どうしても細い糸を使うことが多くあります。患者さんに「何針縫いました?」と聞かれて、すごく小さな傷なんですけど、10針になりましたって答えることもあります。
つボイ そうすると結構縫わなあかんのに3針ですって、キュッキュッキュッて終わっているものもあるってことなんですかね。
野田 大きな糸でぎゅっと寄せるだけだど、あまり綺麗な傷の治りにはつながらないので、適切な糸の太さで適切な距離の幅で縫っていくというのが、すごく大事になってきますね。
小高 今おっしゃった外傷の中でも、それぞれが全部違ってくるんですよね。
野田 そうですね。切れたとか裂けたとかいろいろあります。種類としては切り傷。すり傷と言われる擦過傷(さっかしょう)。裂傷(れっしょう)といって裂けてしまった傷。刺創(しそう)、刺した傷。あとは咬傷(こうしょう)といって犬や猫に噛まれた傷。こういった色々な受傷の起点によって分類されています。
小高 縫い方とか、治療方法も変わってくるんですか?
野田 基本的に擦過傷といわれるものは、ごく浅いところでの傷になるのであまり縫合は必要になりません。ただ広範囲のすり傷になってくると、ヒリヒリと結構痛みが強いんですね。そういう場合は、しっかり保湿力のある軟膏を使ってあげたり、くっつきにくいガーゼをご案内して、あまり痛くないようにしながら、皮を張らせていく管理をしていきます。
小高 はい。
野田 切り傷、裂傷、刺創あたりで、結構深いところまでぱかっと裂けて切れてしまってる場合は、元通りその層ごとにしっかり縫い直してあげることで綺麗に治っていきます。
つボイ 層ごとにということは、表面だけぎゅっとということはないんですね。
野田 上だけ縫うと下に空間が空いてしまいそうな場合は、下を縫って上も縫ってという感じで合わせていくこともあります。ばい菌が入り込んでいそうな傷には、異物になってしまうので、あまり中に糸は入れないようにして、大きく抜ける糸で縫うことが多いです。
小高 やけども外傷に入るんですか?
野田 やけども外傷の一つです。切った傷が一番多いんですけど、その次くらいにやけどが多いです。やけどの深さによって色々と治療法は変わってきます。浅い方だと軟膏を塗ると皮が自分の力で張ってくるのでいいんですが、深いところ、真皮のところまでやけどで障害されてしまうと、自然に軟膏だけで治すということが難しいです。手術で取り除いてあげてて、植皮といってどこかから皮を持ってきてあげないと傷の治癒に時間がかかることもあります。
小高 以前教えていただいたのが眼瞼下垂、それから乳房再建。このあたりが形成外科さんでお世話になるものだということなんですが、ほかにはどんな疾患を扱うんでしょうか?
野田 やはり私たちの外来に一番多く来られるのが外傷になります。いわゆる怪我です。
小高 怪我ね!
野田 外傷というのは、外から力が加わって組織だったり、深いと臓器まで損傷が起きてしまう状態のことです。形成外科では臓器までの損傷はなかなか扱うことがないですけれども、顔面や手足の皮膚、皮下組織、軟部組織の傷だったり、お顔だと顔面骨、骨の折れたものは、私たちの科で治療をおこないます。
小高 普通の外科さんで何針縫ってもらうか?とかってあると思うんですけど、そことの境目っていうのはあるんですか?
野田 何針縫うっていう言葉自体が実は結構難しくて、細い糸で縫えば、どうしても細く縫わないといけないので、針数が多くなります。形成外科の特徴として、綺麗に縫っていきますので、どうしても細い糸を使うことが多くあります。患者さんに「何針縫いました?」と聞かれて、すごく小さな傷なんですけど、10針になりましたって答えることもあります。
つボイ そうすると結構縫わなあかんのに3針ですって、キュッキュッキュッて終わっているものもあるってことなんですかね。
野田 大きな糸でぎゅっと寄せるだけだど、あまり綺麗な傷の治りにはつながらないので、適切な糸の太さで適切な距離の幅で縫っていくというのが、すごく大事になってきますね。
小高 今おっしゃった外傷の中でも、それぞれが全部違ってくるんですよね。
野田 そうですね。切れたとか裂けたとかいろいろあります。種類としては切り傷。すり傷と言われる擦過傷(さっかしょう)。裂傷(れっしょう)といって裂けてしまった傷。刺創(しそう)、刺した傷。あとは咬傷(こうしょう)といって犬や猫に噛まれた傷。こういった色々な受傷の起点によって分類されています。
小高 縫い方とか、治療方法も変わってくるんですか?
野田 基本的に擦過傷といわれるものは、ごく浅いところでの傷になるのであまり縫合は必要になりません。ただ広範囲のすり傷になってくると、ヒリヒリと結構痛みが強いんですね。そういう場合は、しっかり保湿力のある軟膏を使ってあげたり、くっつきにくいガーゼをご案内して、あまり痛くないようにしながら、皮を張らせていく管理をしていきます。
小高 はい。
野田 切り傷、裂傷、刺創あたりで、結構深いところまでぱかっと裂けて切れてしまってる場合は、元通りその層ごとにしっかり縫い直してあげることで綺麗に治っていきます。
つボイ 層ごとにということは、表面だけぎゅっとということはないんですね。
野田 上だけ縫うと下に空間が空いてしまいそうな場合は、下を縫って上も縫ってという感じで合わせていくこともあります。ばい菌が入り込んでいそうな傷には、異物になってしまうので、あまり中に糸は入れないようにして、大きく抜ける糸で縫うことが多いです。
小高 やけども外傷に入るんですか?
野田 やけども外傷の一つです。切った傷が一番多いんですけど、その次くらいにやけどが多いです。やけどの深さによって色々と治療法は変わってきます。浅い方だと軟膏を塗ると皮が自分の力で張ってくるのでいいんですが、深いところ、真皮のところまでやけどで障害されてしまうと、自然に軟膏だけで治すということが難しいです。手術で取り除いてあげてて、植皮といってどこかから皮を持ってきてあげないと傷の治癒に時間がかかることもあります。
つボイ 一言で外傷といっても、切り傷とかすり傷とか刺し傷とか種類がたくさんありまして、それぞれに治療法も違ってくるので、それをきれいに治すには専門的な技術が必要であると、こういうことですね。
小高 やけども形成外科の先生が治療してくれるそうですよ。来週も野田先生に形成外科で扱う疾患についてお聞きします。
さて、「健康のつボ!」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
つボイ はい、質問お待ちいたしております!
小高 「健康のつボ!~形成外科について~」でした。
小高 やけども形成外科の先生が治療してくれるそうですよ。来週も野田先生に形成外科で扱う疾患についてお聞きします。
さて、「健康のつボ!」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
つボイ はい、質問お待ちいたしております!
小高 「健康のつボ!~形成外科について~」でした。