第7回 乳房の再建法①
野田 乳房再建というのは、乳がんの切除で失われた乳房をできる限り戻してあげるという手術です。乳房再建は、近年いろいろと進歩してきてまして、かなり美しい本当に近い乳房というのを再建できるようになってきています。その結果として、乳房がなくなってしまったという喪失感だったり、どうしても毎日パッドを入れて調整しなきゃいけないというような日常生活の不都合が解消されます。あとは、やっぱり乳房がないということ自体、精神的に苦痛に感じる方もいるので、そういったところから解放されて、クオリティ・オブ・ライフの向上が期待できる手術になります。
小高 乳房再建というのは、手順的にはどのようにやっていくものなんですか?
野田 乳房再建というのは、再建のタイミングで分かれます。「一次再建」というのが乳がんの切除と同時に再建の手術を始めるものになります。「二次再建」というのが、乳がんの手術が終わって治療もある程度一段落したところで、再建の手術をおこなうというものになります。それぞれいいところ、悪いところがあるんですけれども、同時におこなう一次再建のメリットとしては、やっぱり1回分手術が少なくて済むのと、費用の軽減ですね。同時に自己組織などでおっぱいを一気に作る場合は、乳房の喪失感がない状態になります。
つボイ これはいいですね。
小高 なくなったっていう実感をしなくていいですからね。
野田 そうですね。起きたら新しく作られたおっぱいになっている、ということになります。ただ、デメリットとしては、そのがんの告知から、がんの治療のことも考えければいけないですし、さらに再建のことも考えなくてはいけないという、時間的な制約がどうしても出てくるということです。あとは、やっぱり切除する前と直接比較ができてしまうので、満足度というところで、求められるクオリティーがちょっと高くなることがあります。
小高 そうか、連続しちゃうから、違うじゃんこれってなっちゃう。
野田 違和感をちょっと感じやすいところはあるのかなとは思います。
小高 一方で二次再建の方のメリットとデメリットは?
野田 「二次再建」のメリットは、乳房の治療が一段落してから行うので、再建の内容や方法など、選ぶものをゆっくり考えることができる点ですね。あとは、なくなったところから作るため、0から100になって、満足度は高くなることが多いと思います。一方で、二次再建のデメリットは、手術回数が1回分増えてしまうので、どうしてもお金とか時間がかかってきてしまうところですね。
小高 これは患者さんの選択って分かれるんですか?
野田 基本的には患者さんのライフプランに合わせて選んでいただくことが多いです。
小高 再建の方法もいろいろあったりするんですか?
野田 最近の様式ではひとつは人工物=インプラントによる再建。もうひとつが自家組織=自分の組織をどこかから持ってくるというもの。再建も大きく分けるとこの2種類になります。
つボイ これもさっきのようなメリット、デメリットがあるんですか?
野田 それぞれであります。人工物のお話をまずさせていただきます。人工物というのは、手術によって皮膚が取られることが多いので、まずその足りなくなった皮膚を補填するために組織拡張器(エキスパンダー)という風船みたいなものを挿れます。それに外来でお水をちょっとずつ入れながら膨らませて、足りない皮膚をぐっと伸ばしてあげます。
小高 皮膚を伸ばす。
野田 そうです。拡張させて、2回目の手術でシリコンのインプラントに入れ替える、そういうような流れでやっていきます。
小高 この中に挿れるものっていうのは決まっているんですか?
野田 近年、保険適応の幅が広がったので、いろんな種類のインプラントから選んでいただけるようになっています。人工物での再建のメリットとしては、胸以外に傷が付かないということですね。デメリットとしては、感染に弱いことや、人工物を入れることに抵抗がある方には選択しづらいことです。あとは、術後の放射線治療が必要な方、あるいは術後の放射線治療後の方は、皮膚壊死などのリスクがあるため慎重に選択する必要があります。
小高 乳房再建というのは、手順的にはどのようにやっていくものなんですか?
野田 乳房再建というのは、再建のタイミングで分かれます。「一次再建」というのが乳がんの切除と同時に再建の手術を始めるものになります。「二次再建」というのが、乳がんの手術が終わって治療もある程度一段落したところで、再建の手術をおこなうというものになります。それぞれいいところ、悪いところがあるんですけれども、同時におこなう一次再建のメリットとしては、やっぱり1回分手術が少なくて済むのと、費用の軽減ですね。同時に自己組織などでおっぱいを一気に作る場合は、乳房の喪失感がない状態になります。
つボイ これはいいですね。
小高 なくなったっていう実感をしなくていいですからね。
野田 そうですね。起きたら新しく作られたおっぱいになっている、ということになります。ただ、デメリットとしては、そのがんの告知から、がんの治療のことも考えければいけないですし、さらに再建のことも考えなくてはいけないという、時間的な制約がどうしても出てくるということです。あとは、やっぱり切除する前と直接比較ができてしまうので、満足度というところで、求められるクオリティーがちょっと高くなることがあります。
小高 そうか、連続しちゃうから、違うじゃんこれってなっちゃう。
野田 違和感をちょっと感じやすいところはあるのかなとは思います。
小高 一方で二次再建の方のメリットとデメリットは?
野田 「二次再建」のメリットは、乳房の治療が一段落してから行うので、再建の内容や方法など、選ぶものをゆっくり考えることができる点ですね。あとは、なくなったところから作るため、0から100になって、満足度は高くなることが多いと思います。一方で、二次再建のデメリットは、手術回数が1回分増えてしまうので、どうしてもお金とか時間がかかってきてしまうところですね。
小高 これは患者さんの選択って分かれるんですか?
野田 基本的には患者さんのライフプランに合わせて選んでいただくことが多いです。
小高 再建の方法もいろいろあったりするんですか?
野田 最近の様式ではひとつは人工物=インプラントによる再建。もうひとつが自家組織=自分の組織をどこかから持ってくるというもの。再建も大きく分けるとこの2種類になります。
つボイ これもさっきのようなメリット、デメリットがあるんですか?
野田 それぞれであります。人工物のお話をまずさせていただきます。人工物というのは、手術によって皮膚が取られることが多いので、まずその足りなくなった皮膚を補填するために組織拡張器(エキスパンダー)という風船みたいなものを挿れます。それに外来でお水をちょっとずつ入れながら膨らませて、足りない皮膚をぐっと伸ばしてあげます。
小高 皮膚を伸ばす。
野田 そうです。拡張させて、2回目の手術でシリコンのインプラントに入れ替える、そういうような流れでやっていきます。
小高 この中に挿れるものっていうのは決まっているんですか?
野田 近年、保険適応の幅が広がったので、いろんな種類のインプラントから選んでいただけるようになっています。人工物での再建のメリットとしては、胸以外に傷が付かないということですね。デメリットとしては、感染に弱いことや、人工物を入れることに抵抗がある方には選択しづらいことです。あとは、術後の放射線治療が必要な方、あるいは術後の放射線治療後の方は、皮膚壊死などのリスクがあるため慎重に選択する必要があります。
小高 乳房再建には手術をする時期で、まず一次再建と二次再建というのがあって、再建方法としては、人工物による乳房再建と自家組織による再建の2種類があるということです。
つボイ ライフプランに合わせてタイミングとか方法を選んでいくというわけですね。
小高 いずれの方法を選んでも、再建方法の進歩によって、乳房再建によるクオリティ・オブ・ライフの向上が期待されます。来週は乳房再建パート2!ということでね、さっき出た自家組織による再建について、野田先生にお聞きします。
さて、「健康のつボ!」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
つボイ はい、質問お待ちいたしております!
小高 「健康のつボ!~形成外科について~」でした。
つボイ ライフプランに合わせてタイミングとか方法を選んでいくというわけですね。
小高 いずれの方法を選んでも、再建方法の進歩によって、乳房再建によるクオリティ・オブ・ライフの向上が期待されます。来週は乳房再建パート2!ということでね、さっき出た自家組織による再建について、野田先生にお聞きします。
さて、「健康のつボ!」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
つボイ はい、質問お待ちいたしております!
小高 「健康のつボ!~形成外科について~」でした。