第11回 体表面の腫瘍
野田 今日はできもの、腫瘍についてお話をさせていただきます。
小高 なんか“できもの”っていわれるのと、“腫瘍”っていわれるのとだと、ちょっと受け取り方が違う…(笑)。
つボイ ちょっと“腫瘍”のほうが受け取り方が深刻になってしまうんですが。
野田 そうですね(笑)。外来で腫瘍というと、患者さんが悪いものですか?と心配して言われるんですけど、私たちが腫瘍というときは、何か1つのものがたくさん増殖しているものを腫瘍と呼ぶので、良性のものも悪性のものもひっくるめて腫瘍といいます。
つボイ 悪い場合もある。
野田 もちろんそうです。
つボイ そういうことか~。
野田 良性腫瘍だと一番多いのは粉瘤。アテロームともいうんですが、これは中に垢が溜まる袋のような嚢胞性病変といいます。こういったものは本当によくできます。中にばい菌が入ったり、本人の異物反応で赤く腫れたりするので、基本的には見つかったら取ってあげる手術をさせてもらいます。
あとは脂肪腫、これもかなり多いです。脂肪種っていうのは、脂肪の塊が1個ドンと大きくなったようなイメージをしていただくといいと思います。1個じゃないときもあるんですが、普通の脂肪の大きさよりも大きく膨れ上がってしまってるようなものを脂肪腫と言います。これは皮下すぐにできるものもあれば、筋肉の間とか下とかにできる厄介なものもあったりします。場所によって手術の時、麻酔が局所麻酔でできたり、全身麻酔でやらないといけなかったりという腫瘍ですね。
つボイ やっかいでも良性なんですね。
野田 良性です。良性の脂肪腫であれば良性。
つボイ なるほど~。
小高 ほくろなんかもどんどん立体的に大きくなってくると、こういったものの中に入ってくるんですか?
野田 ほくろも良性腫瘍の1つです。良性の腫瘍でも大きく育っていくので、腫瘍の1つにはなってくるんですが、悪いものではないので基本的に麻酔をかけてしっかり取り除いてあげれば、その場所に同じようにできることはほぼないです。気になるのはやっぱり悪性腫瘍の方ですよね。
小高 はい。
野田 悪性腫瘍には、いわゆる皮膚のがんが含まれます。皮膚のがんで代表的なものは、基底細胞がんというもの。有棘細胞がん、扁平上皮がんの1種です。あとは、悪性黒色腫。これは聞いたことあるかもしれないですが、メラノーマといわれるものですね。こういったものが皮膚のがんのうちのいくつかです。
小高・つボイ はい。
野田 この辺は、腫瘍の境界と思われるところからどれぐらい離して取ってあげれば局所再発しにくいというのがある程度データとして出ているので、そのガイドラインに合わせて2ミリだったり、5ミリだったり、腫瘍によってそれぞれあるんですが、大きく離して取ってあげて、取り切れればいいねという形です。
つボイ 悪性、良性というのは目で見てわかるんですか? これは悪いやっちゃ、これは良いやっちゃということが。
野田 大体はわかります。時々、がんかな?ホクロかな?というようなものもあるんですけども、迷ったら、生検といって、一部組織を取らせてもらって、悪いものか良いものか確認してから手術をするようにしています。
小高 ほくろとかそういったものって常にあるんで、痛みとかもあんまりなかったら「まぁ、いっか」って思うことが多い気がするんですが、痛みがあるないって関係あるんですか?
野田 基本的に良性の腫瘍でも痛いものがないわけではないんですが、良性腫瘍の場合は痛みや出血がないことが多いです。ほくろを手術で取らなきゃいけないかというと、必ずしも取る必要はないです。ただ、小さい頃からあるほくろは、ほとんどがん化しないと最近は言われていますが、後天的にできたほくろのようなものが、実はがんだったという可能性は0ではないので、そのあたりを相談しに来ていただいて、がんの可能性があるのであれば、治療して取り除いてあげなくてはいけないという意味で、ほくろを全部取らなくてもいいよとは言えないですね。
つボイ 顔にできたほくろを取ると運勢が変わるというのは…。
野田 その辺は占い師の先生に聞いていただいた方がいいかもしれないです。
つボイ そうでございますよね、はい(笑)。
小高 (笑)
小高 なんか“できもの”っていわれるのと、“腫瘍”っていわれるのとだと、ちょっと受け取り方が違う…(笑)。
つボイ ちょっと“腫瘍”のほうが受け取り方が深刻になってしまうんですが。
野田 そうですね(笑)。外来で腫瘍というと、患者さんが悪いものですか?と心配して言われるんですけど、私たちが腫瘍というときは、何か1つのものがたくさん増殖しているものを腫瘍と呼ぶので、良性のものも悪性のものもひっくるめて腫瘍といいます。
つボイ 悪い場合もある。
野田 もちろんそうです。
つボイ そういうことか~。
野田 良性腫瘍だと一番多いのは粉瘤。アテロームともいうんですが、これは中に垢が溜まる袋のような嚢胞性病変といいます。こういったものは本当によくできます。中にばい菌が入ったり、本人の異物反応で赤く腫れたりするので、基本的には見つかったら取ってあげる手術をさせてもらいます。
あとは脂肪腫、これもかなり多いです。脂肪種っていうのは、脂肪の塊が1個ドンと大きくなったようなイメージをしていただくといいと思います。1個じゃないときもあるんですが、普通の脂肪の大きさよりも大きく膨れ上がってしまってるようなものを脂肪腫と言います。これは皮下すぐにできるものもあれば、筋肉の間とか下とかにできる厄介なものもあったりします。場所によって手術の時、麻酔が局所麻酔でできたり、全身麻酔でやらないといけなかったりという腫瘍ですね。
つボイ やっかいでも良性なんですね。
野田 良性です。良性の脂肪腫であれば良性。
つボイ なるほど~。
小高 ほくろなんかもどんどん立体的に大きくなってくると、こういったものの中に入ってくるんですか?
野田 ほくろも良性腫瘍の1つです。良性の腫瘍でも大きく育っていくので、腫瘍の1つにはなってくるんですが、悪いものではないので基本的に麻酔をかけてしっかり取り除いてあげれば、その場所に同じようにできることはほぼないです。気になるのはやっぱり悪性腫瘍の方ですよね。
小高 はい。
野田 悪性腫瘍には、いわゆる皮膚のがんが含まれます。皮膚のがんで代表的なものは、基底細胞がんというもの。有棘細胞がん、扁平上皮がんの1種です。あとは、悪性黒色腫。これは聞いたことあるかもしれないですが、メラノーマといわれるものですね。こういったものが皮膚のがんのうちのいくつかです。
小高・つボイ はい。
野田 この辺は、腫瘍の境界と思われるところからどれぐらい離して取ってあげれば局所再発しにくいというのがある程度データとして出ているので、そのガイドラインに合わせて2ミリだったり、5ミリだったり、腫瘍によってそれぞれあるんですが、大きく離して取ってあげて、取り切れればいいねという形です。
つボイ 悪性、良性というのは目で見てわかるんですか? これは悪いやっちゃ、これは良いやっちゃということが。
野田 大体はわかります。時々、がんかな?ホクロかな?というようなものもあるんですけども、迷ったら、生検といって、一部組織を取らせてもらって、悪いものか良いものか確認してから手術をするようにしています。
小高 ほくろとかそういったものって常にあるんで、痛みとかもあんまりなかったら「まぁ、いっか」って思うことが多い気がするんですが、痛みがあるないって関係あるんですか?
野田 基本的に良性の腫瘍でも痛いものがないわけではないんですが、良性腫瘍の場合は痛みや出血がないことが多いです。ほくろを手術で取らなきゃいけないかというと、必ずしも取る必要はないです。ただ、小さい頃からあるほくろは、ほとんどがん化しないと最近は言われていますが、後天的にできたほくろのようなものが、実はがんだったという可能性は0ではないので、そのあたりを相談しに来ていただいて、がんの可能性があるのであれば、治療して取り除いてあげなくてはいけないという意味で、ほくろを全部取らなくてもいいよとは言えないですね。
つボイ 顔にできたほくろを取ると運勢が変わるというのは…。
野田 その辺は占い師の先生に聞いていただいた方がいいかもしれないです。
つボイ そうでございますよね、はい(笑)。
小高 (笑)
つボイ “できもの”と言われるのと“腫瘍”と言われるのでは、なんだか出来事の印象が随分違うんですけれども、腫瘍でも良性と悪性があるということなんですね。
小高 だからこそ、しっかり診断を受けなきゃいけないですね。
つボイ ほくろだと思っていたら、そうではない場合もあるわけですね。
小高 美容的にはともかくとして、小さい頃からあるほくろは基本的には問題ないということだそうですけれども、大きくなってからできたほくろや、だんだん大きくなっていくものは要注意だということです。さあ、来週も野田先生にお聞きします。
さて、「健康のつボ!」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
つボイ はい、質問お待ちいたしております!
小高 「健康のつボ!~形成外科について~」でした。
小高 だからこそ、しっかり診断を受けなきゃいけないですね。
つボイ ほくろだと思っていたら、そうではない場合もあるわけですね。
小高 美容的にはともかくとして、小さい頃からあるほくろは基本的には問題ないということだそうですけれども、大きくなってからできたほくろや、だんだん大きくなっていくものは要注意だということです。さあ、来週も野田先生にお聞きします。
さて、「健康のつボ!」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
つボイ はい、質問お待ちいたしております!
小高 「健康のつボ!~形成外科について~」でした。