狭心症・心筋梗塞の基礎知識
直接的に命に関わる病気「狭心症」「心筋梗塞」、その原因や治療、リスクチェックについてご紹介します。
狭心症・心筋梗塞とは
日本人の死因ではがんに次ぐ第2 位
平成29年の死因第2位は心疾患で約20万4千人となっています。この内、30%を超える約6万9千人の方が虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞など)で亡くなっています。
狭心症と心筋梗塞のしくみ
狭心症は、心臓へ栄養を送る「冠動脈」という血管が狭くなって起こるものです。動脈硬化が徐々に進んでくると「プラーク(コレステロールの塊のようなもの)」ができて血管が狭くなる、これが狭心症です。そして、狭心症を引き起こしているプラークが弾けて、血管の中で血流が滞り、血小板などが集まって血栓(血の塊)ができ、血管が詰まってしまう、これが心筋梗塞です。
狭心症と心筋梗塞の症状
狭心症の症状
軽い運動(階段を上る程度でも)により心臓の仕事量が増えた結果、狭くなった血管の先に血液が行き届かなくなることで胸が苦しくなります。ただ、休めばまた血圧も脈拍も下がり、症状はおさまることが多いです。狭心症のタイプにより安静時にも症状が現れる場合もあります。
主な症状
・運動した時の圧迫されるような胸の痛み
・胃の痛みや不快感、肩凝り、歯茎の痛みなどが現れることも
※数分から15分程度でおさまります。
・胃の痛みや不快感、肩凝り、歯茎の痛みなどが現れることも
※数分から15分程度でおさまります。
心筋梗塞の症状
心筋梗塞は“心臓の血管が完全に詰まった状態”なので、運動の有無にかかわらず、激しい胸の痛みがあります。
主な症状
・激しい胸の痛み
・冷や汗や吐き気をともなう
・肩や背中、首などに痛みを感じることも
※15分以上続きます。
・冷や汗や吐き気をともなう
・肩や背中、首などに痛みを感じることも
※15分以上続きます。
動脈硬化の予防
狭心症や心筋梗塞の予防は、言いかえると「動脈硬化の予防」となります。動脈硬化の主な危険因子は「糖尿病」「高血圧」「高脂血症」「喫煙習慣」の4つです。また、その他に「家族歴」や「精神的なストレス」なども影響するといわれています。
生活の中で心臓を守る十か条
① 太らないようにしましょう
② お酒を控えましょう
③ 適度に運動しましょう
④ 食事は脂肪分を控えましょう
⑤ 塩分を控えた食事にしましょう
⑥ 砂糖などの糖分を控えましょう
⑦ タバコは吸わないこと
⑧ 夜更かしをせず充分な睡眠をとりましょう
⑨ 旅行などで気分転換をはかりましょう
⑩ ストレスを溜めないようにしましょう
② お酒を控えましょう
③ 適度に運動しましょう
④ 食事は脂肪分を控えましょう
⑤ 塩分を控えた食事にしましょう
⑥ 砂糖などの糖分を控えましょう
⑦ タバコは吸わないこと
⑧ 夜更かしをせず充分な睡眠をとりましょう
⑨ 旅行などで気分転換をはかりましょう
⑩ ストレスを溜めないようにしましょう
【治療①】狭心症・心筋梗塞のカテーテル治療
カテーテルを使い、狭くなった血管を拡張
虚血性心疾患、つまり狭心症や心筋梗塞の診断、治療にカテーテルは不可欠です。カテーテル検査・カテーテル治療は細いチューブを使用するため、体に大きな傷を残すことなく、比較的小さい(少ない)傷だけで行うことが可能です。カテーテル治療に使用される医療機器の主なものに、バルーンとステントがあります。バルーンは狭くなっている血管を大きく広げることが可能です。ステントは、血管を広げた状態で保持していく目的で使用されます。
【治療②】小さな傷でおこなう心臓手術「MICS」
胸を大きく切らずに、小さい傷で手術を行う
MICSとは低侵襲心臓手術(Minimally Invasive Cardiac Surgery)のことです。通常の手術の場合、体の中心の骨(胸骨)を切ってしまうので、どうしても術後に不自由なことがおこります。低侵襲心臓手術は、胸骨を切らない、または全部切らずに少しだけ切って、小さい傷で行う手術方法です。MICS専用の長い手術器械や内視鏡を用いて手術を行います。不整脈に対する凍結凝固機器、更にはMICSによる冠動脈バイパス術(MICS CABG)専用の特殊な手術器械も使用して、MICSを行います。