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PSA検査


前立腺がん検診でおこなわれる簡便な検査のなかで、もっとも精度が高い“PSA検査”。
前立腺がんの早期発見につながるPSA検査について解説します。


PSA検査とは?

PSA検査は1mlほどの血液があればおこなうことができる、簡便な前立腺がんの検査です。PSAとは“Prostate Specific Antigen”の略で、日本語にすると“前立腺特異抗原”です。
PSAはがんや炎症で前立腺組織が壊れると、血液中に漏れ出します。そのため、血液中のPSA濃度が高い場合、前立腺に何らかの異常があると考えられ、その中の一つに“前立腺がん”があります。

PSAの血中濃度が高かったとしても、必ずしも前立腺がんとは限りません。ですが前立腺がんの早期発見に役立つ検査法として、健康診断や人間ドックなどでは広くおこなわれています。

また、前立腺がん以外にも前立腺肥大症や前立腺炎など、他の病気が原因でPSA値が上昇したり、前立腺肥大症や男性型脱毛症の薬を服用している場合には、逆に本来よりも値が低下することがあります。

PSA値と前立腺がんの関係

PSA値による前立腺がんの可能性
PSA値 4~10ng/mL 10ng/mL以上
前立腺がんの可能性 20%程度 50%以上
どの程度のPSA値になれば、どの程度の確率で前立腺がんの恐れがあるかという基準をお示しします。
基準値(4.0ng/mL、50代では3.0ng/mL)以上の値が出た場合はお近くの専門医を受診し、前立腺がんであるかどうかを確定するためのより詳しい検査を受けることが重要です。

自覚症状が少ない前立腺がん

早期の前立腺がんは自覚症状が少ないため、発見が遅れる場合があります。自覚症状が出てから外来診察で前立腺がんが発見された場合、40%の方はすでに他へ転移してしまっているというデータがあります。

一方、PSA検査などを受けた前立腺がん患者さんの60%の方は、他へ転移していない早期のがんであるというデータもあります。近年では、定期的にPSA検査を受けることが奨励されています。

50歳を過ぎたら年に一度はPSA検査を!

前立腺がんの年齢階級別罹患数(2019年)

出典: 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)

また、前立腺がんの危険因子のひとつに“年齢”があります。50歳を過ぎると前立腺がんの罹患率が急激に増加するため、50歳を過ぎたら1年に一度はPSA検査を受けることが推奨されています。

企業健診や人間ドックでも実施可能

PSA検査は、自治体や職場の健康診断で受けることができます。もちろん人間ドックの検査項目にオプションとして加えることも可能です。
健康診断や人間ドック以外で個別にPSA検査を受けたい場合には、かかりつけの主治医に相談してください。かかりつけの診療科によっては、相談したその場でPSA検査を受けられる場合もあります。
自治体や職場の健康診断でPSA検査を受ける場合の費用は、無料~3,000円程度です。

なお、健康診断や人間ドックとは別で、前立腺がんの疑いにより個別でPSA検査を受けた場合、検査費用は保険適用となります。
※各自治体や勤務先へご確認ください。

早期発見のために定期的なPSA検査を

前立腺がんに罹患した場合、PSA値は急激に上昇するのではなく、緩やかに上昇していきます。ですので前立腺がんの早期発見には、経時的なPSA値の変化の確認が非常に大切です。

早期発見された前立腺がんで命を落とすことはほとんどありません。自覚症状がなくても、ご自分の大切な体を守るために、一度PSA検査を受けてみることをおすすめします。PSA検査を定期的に受けて数値の変化を把握することで、前立腺がんの早期発見に役立てていきましょう。

コラム監修

一宮西病院
泌尿器科部長
永田 大介

1996年、名古屋市立大学卒業。名古屋市立大学病院、豊川市民病院、名古屋市立東部医療センター、江南厚生病院を経て、2018年より一宮西病院。

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※本ページに掲載されている情報は、2024年6月時点のものです。