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大腸がん


日本における大腸がんは増加の一途をたどっており、
現在悪性新生物(がん)による死亡原因では男性で第3位、女性では第1位となっています。

大腸がんとは

大腸がん(Colon Cancer)とは大腸にできるがんのことで、大きく結腸がんと直腸がんに分けられます。日本人ではS状結腸と直腸にがんができやすいといわれており、S状結腸と直腸を合わせると全体の半数以上を占めています。

大腸がんは高齢化と食の欧米化により日本では増加の一途をたどっており、悪性新生物による死亡原因では、大腸がんは男性で3位、女性では1位となっています(2019年)。

大腸がんの発生パターンは、腺腫(良性のポリープ)ががん化する場合、粘膜上に直接がんが生じる場合、慢性的な炎症からがんが発生する場合などがあります。他のがんと同様に、原因は食事や運動などの生活習慣だと考えられており、中でも過度な飲酒、肥満、喫煙はリスクを上げる大きな要因です。さらに、遺伝との関連性も指摘されており、家族に大腸がん、もしくは胃がん、子宮体がん、卵巣がんなどを患った方がいる場合には、がんになりやすい体質の可能性があり注意が必要です。

罹患リスクは40歳ごろから徐々に上昇し、50歳ごろからさらに上昇に転じるため、40歳から大腸がん検診がはじまります。肝臓や肺などに転移した状態で発見されると根治は難しくなりますが、早期発見・早期治療できれば治る病気ですので、積極的に検診を受けるようにしてください。

大腸がんの症状

根治できるような初期の大腸がんは症状がほとんどありません。進行してくると、腸の内腔が狭くなり便秘や下痢が出現します。また、便に血液が混じる(血便)、便が細くなる、貧血、腹痛、体重が減る、お腹にしこりができるなどの症状が出現してくるようであれば要注意です。さらに進行すると、腸閉塞や腸に穴が開く消化管穿孔を引き起こし、緊急手術となることもあります。

大腸がんの検査方法

便潜血検査

健康診断やドックで大腸がんのスクリーニングを目的におこなわれる、安全・簡単・安価な検査です。大腸がんの表面はもろく容易に出血するという性質を利用して、目に見えないような微量な血液が便中に混入していないかを確認します。

大腸がんからの出血は間欠的であるため、便潜血検査の感度(大腸がんが便潜血検査で陽性となる割合)は70~80%程度であり、大腸がんを患っていても必ず陽性となるわけではありません。また、大腸がん以外での出血、例えば痔核などでも陽性となってしまうこともあります。
ただ、大腸がんのスクリーニングが目的の検査なので、便潜血検査が一度でも陽性となれば大腸内視鏡検査等の精密検査を受けることをおすすめします。

便潜血陽性者の精密検査受診率は70%程度と、まだまだ低いです。また、実際に精密検査を受けた方の中で大腸がんが発見される確率は約4%です。多くの大腸がんは何年もかけて大腸ポリープ(腺腫)からゆっくりと発育増大し進行したがんとなります。そのため毎年便潜血検査を受けていただければ、大腸がんを早期に発見できる確率が高まりますし、毎年便潜血検査を施行することで、約60%の死亡率低下効果があると報告されています。

大腸がんの二次検査

大腸がんの発生パターンとして、良性のポリープが大きくなる過程でがん化するといったものがあります。そのため、大腸ポリープを発見し治療することは、大腸がんのリスク低減につながるといえます。

便潜血検査で陽性となった場合、大腸がんや大腸ポリープを検索するために、二次検査をおこなうこととなります。二次検査には、主に“大腸内視鏡検査”と“CTコロノグラフィー”があり、また近年では条件付きで“大腸カプセル内視鏡検査”が保険適応となりました。
長所 短所
大腸内視鏡
  • 組織検査や治療も可能
  • 平坦な病変、小さなポリープも見つけやすい
  • 内視鏡挿入時に苦痛を伴うことがある
  • 腸のヒダの裏側の病変は見つけにくい
  • 内視鏡で腸内を傷つける可能性がある
CTC
  • 苦痛が少なく、検査時間も短い
  • 腹部全体を撮影するため、大腸以外の臓器の診断ができる
  • 腸のヒダの裏側まで確認できる
  • 組織検査や治療はできない
  • 平坦な病変や小さなポリープは検出しにくい
  • X線を使用するため、妊娠の可能性のある方は受けることができない
大腸カプセル内視鏡
  • 苦痛はほぼない
  • 恥ずかしくない
  • 保険診療でおこなうには条件がある
  • 組織検査や治療はできない
  • 小さなポリープは検出しにくい
  • 下剤の量が多い
  • 検査時間がかかる
  • 検査費用がかかる

大腸内視鏡検査

肛門から直径12~13mmの内視鏡を挿入し、大腸の内部を調べる検査です。カメラで直接内部を観察できるので、5mm以下の小さな病変も見つけやすいといった特長があります。ですが、前処置(腸の洗浄)が十分でない場合には詳細な検査が難しくなる場合があるため、事前に下剤を飲んで大腸をきれいにしてから検査をおこないます。

がんやポリープなどの病変が見つかった場合には、ズームアップして病変表面の模様を観察し、より詳細な診断をおこなったり、必要に応じて細胞の採取や、病変の切除をおこなうこともできます。大腸がんの発見が早期であるほど内視鏡での切除が簡易になりますし、予後も安定します。

検査中の痛みは個人差が大きいですが、苦痛が強い場合には鎮痛剤や鎮静剤を使用することもあります。

CTコロノグラフィー(CTC)

CTC検査は前処置を行った後、肛門からチューブを挿入して、炭酸ガスを注入し大腸全体を十分に拡張させた状態でCT撮影をおこないます。CTで得られた画像から3Dの仮想内視鏡画像という、あたかも内視鏡検査をおこなったような大腸画像を作成し、観察と診断をおこないます。
ポリープやがんが見つかっても、生検や切除はできませんので、後日大腸内視鏡検査を受けていただくこととなります。検査中は大腸が拡張することによりお腹の張りを感じることがあります。

大腸カプセル内視鏡検査

大腸内視鏡検査で挿入困難な方や大腸内視鏡検査のリスクが非常に高い方に限って、保険適応されました。この検査は、超小型カメラを内蔵した約30mmのカプセル型の内視鏡を、口から飲み込んで行います。大腸内視鏡検査と同様に、事前に下剤を飲んで大腸をきれいにします。さらに、大腸カプセル内視鏡を飲んだ後にも、カプセル内視鏡の排出を促すために、追加の下剤を飲む必要があります。カプセルは消化器官を通過しながら画像を撮影し、画像を記録装置に転送します。この画像を元に大腸の診断を行います。画像診断なので、切除や生検はできません。

コラム監修

一宮西病院
消化器内科部長 / 消化器内視鏡センター長
東 玲治

1999年、名古屋市立大学卒業。岡山大学病院、福山市民病院、鳥取市立病院、亀田総合病院附属幕張クリニック、広島市立市民病院を経て、2019年より一宮西病院。

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※本ページに掲載されている情報は、2024年6月時点のものです。